例年ならば「燗酒の恋しい季節がやってまいりました」と書き始める頃なのでしょうが今年は暖かいですね。
しかし,秋から冬への移り変わりのこの時期,気温の変化が大きいものです。昨日は肌寒くて,今日は汗かきなんてこともしばしば,体に気をつけないといけないなあと思います。
さて,9月に続き,10月も私達にとって商売よりもきき酒会や吟醸酒のパーティーなどで忙しい月でした。
地酒屋さんのきき酒会が数回,篠田先生主催の「幻の日本酒を飲む会」,そして高瀬先生のマンガ家生活39周年記念大パーティー,そして日本吟醸酒協会の「吟醸酒を味わう会」と毎週のように出ておりました。(2人が留守をしている時にお店に来てくださった方々,すみません)
中でも,高瀬先生の30周年記念パーティーはすごかった。
各県から,たくさんの蔵元が参加されており,300人強の出席者のうち約100名が蔵元という事でした。
ふだんは聞けない様なお酒の面白話を聞くことができ,また,お会いしたかった蔵元に会えたりと,なにかと充実感のあるパーティーでした。集まったお酒の種類もすごかった。
これも高瀬先生のお人柄が成せる結果なのでしょう。
高瀬先生,これからも,なお一層ガンバッテ下さい。そして益々の辛口コメントをお願いします。
高瀬先生が,新まんが日本酒教室「清酒は日本酒か」という本を出版されました。当店でもサイン入りで販売しています。みなさn読んでみて下さいねっ。
つづいて,27日の「吟醸酒を味わう会」。
会の前に,吟醸酒教養講座を受ける。今回は「酵母」のお話で講師は新潟県酒造学校の吉田清先生(日本醸造協会上席技師)で,とても参考になる話でした。
講座の後,いざ「吟醸酒を味わう会」会場へ,「どひゃ〜」今年は昨年にも増して会場はギッシリ,グラスに吟醸酒を入れてもらうのもちょっと大変。若い人の日本酒離れが言われて久しいが,この会場でそんな事はみじんも感じない。かえって楽しんでいる若い女性の姿が思ったよりも多い。
旨いものは確実に飲み手に伝わっているんだなぁと強く実感できました。
今日の私たちは,吟醸酒に酔うよりも,歩くのもままならぬ混雑ぶりに人に酔ってしまった様でした。
「吟醸酒を味わう会」もいよいよ東京ドームに進出か・・・て。
もっと,もっとおいしい日本酒のファンが増えてくれますように・・。
おいしい日本酒は、いつも私たちに人のぬくもりと心のゆとりをあたえてくれますよね。
寒い酒蔵の中で,麹室だけは暖かい部屋の中です
寒い蔵の中から麹室に入ると、眼鏡やカメラに露が付きます。ほとんどの人は,麹室は暖かく湿った部屋だと思っています。
さて,その常識は正しいでしょうか。
麹づくりは丸2日掛かります。大まかにいって,前半の24時間は,床(とこ)台の上にまとめられ毛布にくるまっています。これは麹が冷めないように,乾かないようにしているのです。後半の24時間は,60×35×5cmの木の角盆に小分けされます。このお盆は,柾目の杉で作られたもので,麹蓋(こうじぶた)または室蓋(むろふた)と呼ばれます。
麹蓋に小分けされるころから,麹は活発に発熱します。放っておくと,40度を越してしまい,自分の熱で自滅してしまいます。
麹づくりの技は,この麹の温度と水分(湿り気)を理想的な経過に導くことにあります。そのためには,麹室の部屋の温度と湿度を麹の成育に都合がいいように整えてやらねばなりません。
冬の一番寒いとき,麹室の温度は27度を保ちます。ときには35度まで上げることもあります。
いわば高温恒湿の部屋ということになります。
麹室は,しっかり断熱されています。高温を保つには,外の寒気で冷やされた分を加温すればいい。今はほとんどが電気ヒーターを使っていますが,かつては火鉢を麹室に入れ,炭火で暖を取りました。
電気ヒーターを使うようになって,サーモスタットで自動制御できるようになりました。
麹室の湿度はどうやっているのでしょうか。麹は繁殖するとき発熱します。その熱を,自分の水分を蒸発させることによって発散し,過度に温度が上がらないようにします。
そのためには,室内湿度を調節しなければなりません。麹からは,水分が蒸発してきます。放っておけば室内の空気の湿度は飽和点まで上がります。麹は水分を蒸発できなくなり,高温で自滅してしまいます。麹が放出した水分を麹室の外に追い出さなければならないのです。どうしたらいいのでしょうか。
そうです。麹室の中の,水分をいっぱい含んだ空気を外に出して,外から水分の少ない空気を室内に取り入れるのです。
つまり,適切な寒気をすればいいのです。
でも,問題があります。外の空気は冷たい冬の空気ですから,いっぺんに多量に取り入れると室温が下がり過ぎ,麹の成育が止まります。
室温を下げすぎ過ぎぬように,余分な水分を室外へ排出するよう換気する。
その仕掛が麹室の天井に付いている天窓なのです。
酒蔵を見学した人,麹室に立ち入った人でも,杜氏や麹室が天窓を操作するところは見せてもらえません。麹室に入れてもらっても天窓換気孔がどうなっているか説明を受けたことがないでしょう。
これが秘法,こんど麹室に入ったら,天井をよく見てください。
お待ちどうさまでした。入荷していますヨ。
今さらくどい説明はいらないかもしれませんが,純米酒造りの先駆者,喜久泉の西田酒造が田から生まれた酒として純米酒造りにチャレンジして生まれた酒が,純米酒「田酒」。
その研かれた腕前をいかんあく発揮し醸されているのが「田酒純米大吟醸」です。
黄金色に輝く田んぼの風景を思いながら,ぜひじっくりと味わってください。
720ml・・・3,693円
年に一度,10月に発売になる浦霞の限定純米吟醸です。やわらかな口当たり,ストロベリーを想う様な吟醸香とクリーミィな味わいがなんとも言えません。
720ml・・・2,910円
待ちにまったやまとしずくの純米大吟醸が今秋やっと発売になりました。
地元,秋田県産米「美山錦」にこだわって「美山錦」で最高の品質をと考えて生まれた吟醸酒です。今年は蔵元がこれで秋の鑑評会へと考えるほどの自信作です。
冷えすぎよりも少し瓶に汗をかき始める頃が飲み頃です。
高い吟醸香ではありませんが,口に含むと引き締まった緊張感を感じ,そして舌全体に広がってゆきます。ハツラツとした中にも深い味わいのあるお酒です。
720ml・・・2,600円
今年の田酒純米吟醸は雑味のないふくらみの良さ,口中に広がるしっとりとした味わいと,静かに静かに切れてゆく後味の良さなどびっくりするほどいい感じでバランスしています。
お料理との相性もバツグンです。
ただ単に料理の引き立て役にまわるのではなく,そのポジションは付かず離れずと言った感じです。
時間をかけてゆっくりと味わってください。ご贈答にもすばらしいお酒ですが,ぜひご自分で楽しむ1本としても選んで下さい。
1.8リットル・・・4,955円
当店にはなくてはならない吟醸酒です。
能登の天才杜氏とうたわれる三盃幸一さんが,全神経をそそぎこんで生まれてくる大吟醸たちです。”香りが良く”,”味もあり”,”きれの良い”とまさに三拍子そろった大吟醸です。
多くの満寿泉ファンは,毎年必ずこの限定吟醸の味を確かめます。
初めて吟醸酒にチャレンジする方から,通のかたまで絶対のオススメ品です。今年は満寿泉さんのご好意もありビンテージも少し手持ちがあります。年代ごとの飲みくらべも楽しめますヨ。
寿 ・・・ 10月の発売の時より,どんどんと味わいがのってきます。お正月前後には,その実力を発揮し,うならされるハズ。
限定純米大吟 ・・・ 9月の試飲の時には限定大吟の方がまろやかな口当たりでしたが,先月の吟醸酒協会出品の時は限定大吟をうわまわる旨さに変身していました。飲みあきせず,また他の吟醸酒とのくらべ飲みでも「キラッ」と光1本です。
限定大吟 ・・・ 満寿泉の大吟醸のすばらしさを知っていただくためにもぜひ飲んでみて下さい。「あ〜おいしい」とくちずさんでしまいます。”日本酒ってこんあにおいしかったんだ”という越えが聞こえてくる様です。
寿 720ml・・・5,000円, 1.8リットル・・・10,000円
限定純米大吟 720ml・・・3,750円, 1.8リットル・・・8,050円
限定大吟醸 720ml・・・3,250円, 1.8リットル・・・7,050円
雪国,越後を思わせるお酒です。一口含むと私はいつも雪の中,初めてマスカガミの門を叩いた時を想い出す。
決して派手さはないが,しみじみと旨いな〜と感じます。しっかりとした酒です。
720ml・・・3,935円, 1.8リットル・・・9,815円
今年もやっと入荷してまいりました。
菊姫ファン待望の黒吟です。菊姫が頂点を模索して生まれた酒です。「吟」のしずく取りの吟醸酒をさらに菊姫の貯蔵マジックで3年ねかせて出荷されます。力強くて,繊細,口中に広がる菊姫の酒がもっている菊姫吟香,どうぞ腹の底までひたって下さい。
予算のある方は「吟」とのくらべ飲みをおすすめします。
完成度の高さが実感できます。
1.8リットル・・・28,672円
「行く先に我家ありけ里かたつむり」 現代の名工,田村杜氏が春,酒造りを終えてふる里へ帰る。そして但馬で自らが作る酒米「兵庫・北錦」。秋,収穫したこの北錦と共に田村杜氏は酒一筋に戻ってまいります。
自らの作った酒で酒一筋で最初に仕込むお酒がこの「かたつむり」です。
720ml・・・1,500円, 1.8リットル・・・3,000円