アメリカ旅行C

旅行行程のほぼ全部にバスを利用する(グレイハウンドバス・・・アメリカの全土を走る高速バス)。アメリカでの旅行手段としては、飛行機、電車、バスの順で利用者の格差が現れるとのこと。結果、低所得層が多くなる。それでもバスにはいろんな国・人種の人が同乗し、いろいろな話をする。これも、英会話の勉強にもなるし、これから行く場所の情報源にもなる。時折つらいのは、2人の席に曙のような人が隣に座るとき。はっきり言って、満員電車!

乗っているとたまに、握手を求められることがある。似ているかは別として、度々香港のカンフースターと間違えられるのだ。一度調子に乗って、休憩場でバック転(体操部でした)して「YES」と、言ったこともある。その時は、バスの乗客が全員集まってきてしまったので、説明が大変になってしまった。なかなか、バスでのコミュニケーションも面白い!

その他社内で過ごす為に、折り紙を持っていった。隣に座った人、何か貰った時など、貧乏な俺ができる贈り物。折鶴と手裏剣をメインとして、折り紙がバス道中の人間関係を和ませる。ちなみに折り紙は、英語でも「ORIGAMI」である。つまり日本独自の文化でもあるのだ!!折り紙はいつも大人気!こんな旅行を計画する人にはお勧めです!

※手裏剣は「NINJA STAR」と言う。やはり男性に人気!

折り紙を作っていると、「neat-handed」(手先が器用)の意味で「you're neat」と良くいわれる。現在日本で言われている「ニート」という言葉を聴くと、いつもこの事を思い出す。でも、こっちのNEETは(Not in Employment, Education or Training)で、つまり何もしてないやつ。この頃はそうではなかったが、そういう意味で現在の俺は、6月まで仕事しないNEETとも言えるかも?(前置きが長げ〜)

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真夜中バスはOMAHAに向っていた。深夜なので、車内の電気は消え車の音しか聞こえない。このころは、すっかり車で寝ることに何の抵抗も感じていなかった。むしろ、荷物も預かってもらっていて、安全さすら感じる。幸い隣が誰もいなかったので、広々ゆったり寝ていた。

全席後部の足元には折りたたみの足置きがある。大体ここに足を置いて寝ているのだが、その夜は何だかおかしかった。

なんと足置きが、こっちに向けて押されるのである。

「・・夢かな〜」

しばらくすると、また寝てしまう。

また、押される

だんだん頭がはっきりしてきた。

確実に押されている!?

バスの椅子の下には、狭すぎて人が入れるはずもない。心霊現象としか考えられなかった。

恐怖で凍り付きながら、連続するその感触に背筋がぞっとした!

車内は車の音しか聞こえないし、全員寝ている。

「アメリカだけにエクソシストみたいなのがいたらドウシヨ〜〜!

それでも、確認する衝動に駆られる。

そして思い切って、足元を覗いて見る。

「両手を伸ばした恐ろしい顔がこちらを覗いているのでは・・・・??」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

なんと、赤ちゃんが座席の下にもぐって押していたのだ。

「・・・・・」

赤ちゃんはニコニコしながら、足置きを押していた。

とっとと寝ろ!!

・・・続く

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