激走!日本一周そのE

フェリーは鹿児島8:30発で、宮之浦(屋久島)12:30着。往復8000円である。

屋久島での滞在予定日数は3日間。考えたコースは、初日宮之浦港から屋久島ユースまで自転車で(60Km)。2日目縄文杉へ徒歩で。3日目にはユースから宮之浦まで(40Km)走り鹿児島へ。

漠然とした計画だが、メインは樹齢7200年の縄文杉を見に行くこと。もちろん、こんなに長い間人工的な建造物で残っているものは無い。生物の中でも、これほどのものは、世界中探してもありえないだろう。まさに、現存していることが奇跡としか言いようが無い。また、そこに達するまでの道中にも多くの屋久杉があり、これらもじかに見てみたい。屋久島は、かなり前から行きたかった場所ながら機会に恵まれなかった。その割には、まったく調べていなかった事、石垣島のユースに来ていた体験者のアドバイスから屋久島のガイドつきが良いとの結論で、ガイドつきの「縄文杉ツアー」を予約することにした。

yakumap.gif

宮之浦港に着くと、かなり強風ではあるが、屋久島を時計と反対周りで走り始める。天気は晴天だが、強風の中風と戦いながら前に進む。

「進まね〜!」

風が強く、こいでも押し戻される。更には下り坂であっても、こがないと前に進まない。

「縄文杉に着くまでの試練だな〜!」

インターネットでは、縄文杉まで往復8時間から10時間歩くとあったが、実は山歩きには自信があった。毎年何かしらの山歩きはしていた。毎回本などで表示されている時間の約半分ぐらいで、たいてい歩ける。老人から子供まで歩くところなら、問題を感じなかった。しかも今回はツアーである。それよりも、強風で到着が遅れて更に急いで昼食とったものの、午後2時から港を出ている。夕食を予約していたので6時までに来て欲しいと言われていた。つまり休憩含めて4時間でユースに向かう。更に島の南側には温泉が2箇所ある。ここのどちらかに、寄りたいのだ。温泉寄るのに1時間見ると、正味3時間。しかもこの強風!試練である。

あとで聞いたが、この日のトッピー(高速船)は強風で欠航。フェリーもダメとのうわさなので、鹿児島から飛行機で来た人もいたようだ。俺の乗った便のみが屋久島に着く唯一の船だった(らっきー!)。

風は西風だったので、西に向かう最初はきつかったが、南下することで徐々に走りやすくなった。景色はすごい!木々もそうだが、強風のため波が高く、迫力満点なのだ!交通量も殆ど無く、走りやすい。海がギラギラ光っている。

DSC00749.jpg   DSC00752.jpg

「すげー!!」

永田いなか浜の景色があまりにも凄かったので、足を止めた。

大迫力の波!太陽!砂浜!

ここは、もう少し時期がずれていれば、海ガメが産卵に来る保護されている浜らしい。本当に美しくて素晴らしい!!!産卵期にも来てみたいな〜。

「いかん!早く走んなきゃ!!」

西部林道地区に入ると、急に道が狭くなる。更に交通量はまったく無い。そこに男性と子供が2人で自転車で走っていた。

「こんにちは。頑張って〜!」

声を掛けると、登り坂のせいかうなずいていた。

DSC00755.jpg屋久鹿!

凄い自然に囲まれている。鹿がたまに横切り、サルがこちらを睨み付ける。

「先住者は俺たちだ〜!!」

まったく人間は勝手なもんだ。こんな秘境にまで道路を作り動物達に迷惑を掛けている。

「おじゃましま〜す!」

あとで聞いたけど、屋久島は全体が世界遺産な訳ではない。部分部分で登録されているらしい。この西部林道は世界遺産の中で唯一自動車や自転車が走ることが許可されている地域ということだった。行く前に調べておけばよかった!

南下は横風だが大きな影響を受けず何とか先に進める。一方からの風だけなので南下後は追い風になるはず。少しぐらいの風は気にせず期待いっぱいに走る。目指すは温泉だ!温泉は2つある。今日2つ入るのは時間的にも不可能。どちらにしても、ユースに近いほうを残すのが賢明と判断して近いほうの湯泊(ゆどまり)温泉を目指すことにした。永田浜以外では休んでいないので、かなりのハイペース。このまま一気に行ってしまおう!

ついに湯泊温泉の案内板が出てきた。幹線道路から右に折れる。どんどん海岸に向かって下がる。

「いったいどこだ?」

「・・・」

「すごい!」

実は、「日本一周」のトップページの写真は湯泊の写真。海のすぐ脇で本当に大自然の中にあるのだ!こんな温泉初めてだ!もちろん無人。箱に100円お金を入れれば入ってよし!と言う形式。

温泉は写真のように、つい立がはあるが、気持ち程度ということか。着替える場所とトイレはあった。わずかな硫黄臭がしており、温度も丁度良い。本当に良い温泉だ。

DSC00758.JPG   060420_1634~0001.jpg

良くこれらの写真どうやってとるか聞かれるのだが、基本はセルフタイマー。あとは、人に撮って貰う。ここでは入っているときに、旅行者が車でやってきた。この人も会社辞めて現在無職。宿泊は車でずっと周っているらしい。屋久島の良さをこの人にも語られた。あと一週間はいるらしい。後ろが詰まっていないのは、うらやましい。良い仕事見つけてください。

6時前にユースに着いた。凄く綺麗なユースだ。

「自転車で40Kmか、よく間に合ったな〜」と言われたけど、そうじゃなくて反対周りの60Kmとは説明が面倒なので言わなかった。

明日は待望の縄文杉!歩くぞ〜!

icon2099.gificon2097.gificon2098.gif