激走!日本一周そのG
楽しい屋久島が終わって、フェリーで鹿児島に着き桜島に渡る。鹿児島から桜島はフェリーが20分に1本の割合で出ている。それだけ需要あるんだろう。桜島のユースに向かう。このユースは桜島の温泉を引いている。マグマ温泉。強そうな名前だ。有馬温泉ほどではないが、鉄分たっぷり(赤い)の温泉といったイメージ。一日に全く違う温泉に入れるとは、なかなかだね〜!少しユース人たちと飲んで明日に備えて寝よう。
しかし、明日からは自転車三昧。まずは、宮崎まで走る。今まででも、移動もあり235Km走っている。明日は宮崎まで120Kmは走らねばならない。更にあさっては、大分まで200Km。考えると大変だ!
朝起きると、少し寒いが晴れていた。朝食を取り出発!桜島は思ったよりも起伏があった。さすがに、山側は活火山だけありゴツゴツした溶岩的な岩が多い。海は鹿児島の向こう岸が見えて、海だけとは違った景観が楽しめる。ところどころには、噴火した時の溶岩を流すための溶岩用の道が出来ており、それなりに見ごたえがあった。
場所それぞれの顔があり、日本は本当にすばらしい!どこに行っても飽きないな〜!
海沿いから一気に内陸に入り込む。10Km以上の登り坂。ゆっくりしていたツケで、体が悲鳴をあげる。今迄ゆっくりしてきたけど、俺の本題は日本一周である。自転車が苦しいのは当たり前。でも、この苦しさを乗り越えてこそ達成感と体の充実した気持ちよさを体験できる。どんな道でも、登りっ放しの道はないし、下りっぱなしの道も無い。雨も永遠に降り続けないし、ずっと晴れということも無い。全く人生そのものだ。本当に自転車には多くを体験として教えてくれる先生である。苦しさを体験する度に、それを思い出させてくれる。
天気も良く走りやすい。道の駅で休んでいると、たくさんの人が話しかけてくれ、そして「頑張って!」と、言ってくれる。苦しいけど本当に元気付けられる。
夕方には宮崎に着いた。今日はゆっくり寝たいし、駅前の東横インに泊まることにした。本日は宮崎まで126Km走行した。久しぶりに本格的に走ったので、少し筋肉痛。
「居酒屋で、少し飲んで寝るかな?」
着替えて駅前を探す。あかちょうちんで、ビールを飲んだ。
「うまいな〜!」
店のおやじが、いろいろ話しかけてくる。
「どんな仕事?」
どう見えるかと聞くと、イラク帰りのフリーライター、カメラマン・・・など。綺麗な職業に見えないほどヒゲはのびていた(浮浪者じゃなくて良かった!)。
「今何してんの〜?」
「自転車。明日は大分まで行く!」
今まで横で聞いていた店の客が、握手を求めてきた。
「すげーな!頑張れよ〜!」
本当にどこに行っても自転車には、いいイメージがある。何故かみんな応援してくれる。ありがたい事だ。何でだろう?人力だからかな〜?
部屋に戻って人力車を引き旅をする人の本を思い出した。彼の名は永瀬忠志。彼は徒歩にこだわり、その為に多くの荷物が必要な為人力車を引いて歩く事を考え付く。彼はそれを使って日本縦断、オーストラリア横断、アフリカ横断、サハラ縦断などを行っている。彼の凄いのは、アフリカ横断だ。アフリカを横断終了間際に人力車を盗まれてしまう。そして日本に帰国し、3年後資金をためて再チャレンジをする。そこで彼は前回のスタート地点ケニアからはじめる。俺だったら続きから行う。凄い!凄い精神力。俺には絶対出来ない決断。
さらに、彼はサハラ砂漠を横断する。サハラ砂漠ではリアカーは当然タイヤが埋まって進まない。そこで彼が考えたのが180cmの2枚の木の板だった。タイヤの前に木の板を敷いて、180cm進む。そしてまた板を敷きなおして180cm進む。その繰り返しだ。それで、サハラを縦断してしまったのだ!そして彼はそのままパリにまで行ってしまうのだ。彼こそ最強の冒険家である。
※残念ながら今はこの本は廃刊になっています。
現在の高度化した社会の中でエンジンを使わない人力は、確かに人をひきつける物がが存在する(残念だが女性はひきつけられない!?)。
明日は3年ぶりに200Km越えを目指して走る。緊張するが、彼に比べれば何て楽な事だろう。明日も頑張るぞ!!