第3部



☆土佐のカツオは最高だ!


その後、高知駅付近の観光案内所で又安ホテル無料で紹介してもらった。貧乏学生自転車旅行者も板についてきたようだ。

ホテルで風呂入ってから安くておいしい店ということで、近くの居酒屋を紹介してもらった。大角情報の居酒屋を探すほど、元気が無かったのでここでいいやといった感じだ。中に入ってカウンターに座る。カツオのタタキと、お勧めの煮込みと、鳥カラサラダみたいなのを注文する(鳥カラサラダはほとんどの人知らないか?)。ガイド見ながらビールを飲んでいると、マスターが話し掛けてきた。

「どこから来た?」

「ガイド貸しちゃる。」

色々話しながらビールを飲む。

「桂浜は、絶対行かにゃーならんなー。」

やはり一番行かねばならないのは、桂浜のよう。明日は早朝から行って銅像の横で缶ビールでも飲むか。


カツオのタタキが出てくる。カツオの刺身を藁で焼き、焦げ目が付いてる。またその
部分がまだ暖かい。

「すげーうめー。」

思わず声を出してしまった。店員がニコニコしながら話し掛けてくる。

「東京のタタキはどんなんだ?」

店員とも、いろいろ話を咲かせた。行き先々の情報を、そこの出身の店員を呼んでは、説明してくれた。いつのまにかたくさん飲んでいた。うまかったし楽しかった。

「どうもありがとう。又来るよ。」「名刺やる。」とてもいい人たちだった。

ホテルに帰ってからOさんにメールする。Oさんは、毎年奥さんの実家の三重に帰っているので返事は返ってこないと思っていたが、タタキのお礼を送った。

「次はブンタン探してみろ。」

しばらくするとメールかえってきた。

「あれ???PCノートでも買ったのかなー?」

どうやってメールしてるかメールでたずねた。

「パソコン一式ごと三重に来ている。CRTは重かった。」


なんちゅー人だ!でも連絡取れることは、とても心強かった。明日はブンタン探さねば・・・。




☆竜馬との感激の出会い!

5月3日

朝6時に起きてしまった。目覚ましかけ忘れていたのだが、妙に目覚めが良い。いざ桂浜へ出発!約15キロぐらいあったが逆風にもめげずに30キロで飛ばしていた。忘れちゃならない缶ビールを購入する。冷たいまま飲みたかったので、そのままタオルに包んで、フロントバックにしまった。

桂浜が見えてきた。西から周っていったため桂浜に朝日がさして輝いている。

「なんか神々しいな。」

この浜には、幕末土佐の勤王志士が集った歴史的な場所。急に上り坂になったけど、ものともせず乗り越えた。駐車場有料だったので、手前に自転車を止め小走りに銅像に向かう。時計は、8時を指していた。いろんな店は、10時ごろから始まるところが多かったので、てっきり銅像のところには、一人で立っているイメージができていた。


しかし、たくさんの人が銅像に向かっているのが分かった。

小高い丘を登ると、突然銅像が建っていた。

「すげーでけー」

                        Ryoma.jpg

台座の高さ約10m銅像は約5m

でけー!でかすぎるー。

自分は、龍馬の横で写真を撮るつもりだったけど、足元になってしまった。このままだと、人で一杯になってしまう。とりあえず近くの人に頼んでデジカメで写真を撮る。なんか満足しながら、近くのベンチに座り、龍馬の顔を見ながらビールの缶を開ける。

「うまい!」

最高の気持ちだった。デジカメの写真を再生してみると、自分がちっちゃく写っていた。

「自分との人間の差が大きさになってるかなー」

と勝手に一人で納得していた。彼は33歳でここまでなったんだなー

と感動していた。高校時代から読んで感激していたころを思い出した。でも伊代は、龍馬をよく知るより早くから知っていた。(かんけーないか・・・。)


落ち着いてよく見ると若い人たちから老人までいて、全然興味なさそうにしている人。銅像に見入っている人。いろんな人が銅像の周りに集まってきていた。

「皆それぞれの人生を送っていて、楽しいことや辛いことがたくさんあるんだろうなー。」
えらそうにしていたが、ビール飲んでる奴は俺一人だけだった。



チョットまずいなー


と思い、「むかしなつかしいアイスクリン」を食べた。いろんなことを考えながらゆっくりと時間が過ぎていった。


一時間ほどいただろうか。丘から桂浜に降りてみた。映画のワンシーンのようにきれいな浜。地元の人たちも大事にしている証拠だ。

ここは黒潮が流れていて、うまいカツオがとれる。

昨日のカツオのタタキもここで取れたのかなー、

など下らない事考えながら浜を歩き、石を拾った。なんか一人で感激しながら、又銅像に戻って顔を見つめた。

「迷ったら又来い!待ってるきに。」

なんとなく、「来年も来るよ。」と、誓っていた。



丘を反対側に降りると、土佐の闘犬場だ。

「あと15分で始まりますよー」

声が聞こえてきた。なんとなく入場券を買い、闘犬場に入る。尾長鳥が狭い中に入れられ展示されていた。開始が近づいたので会場に向かう。なんか尾長鳥がかわいそうに見えた。

自分も宇宙人につかまったら丈夫な地球人ですよー。とか言われて展示されちゃうような気がする。広いところに展示できないのかなー、と思いながら歩いていた。

会場には、歴代闘犬横綱の化粧まわしが飾ってあって、わくわくさせた。

闘犬てどんなすごい技が出てくるのだろう。

横綱が化粧まわしをして入場。土佐犬とブルドックを交配させた、でかい犬。80キロもあるので俺よりずっと重い。
                      Tosaken.jpg

いよいよ闘犬始まり、横綱より小兵の犬2匹が入ると同時に噛み付き合った。はじめは迫力に圧倒されながら見ていたが、唾液だらけになって噛み付き合っているのを見て、かわいそうになってきた。

俺も格闘技は好きだけど、格闘家は、自分でその職業を選んで技術を磨き体を鍛えルールの中で戦っている。もちろん辞めたければ辞められる。

闘犬は、生まれた時から人間にコントロールされて戦うことを強制されている。自分の意志は関係ない。

こんなこと人間が勝手にやってしまっていいのだろうか?

よく見ると、皮膚のあちこちが傷だらけ、これは勲章とでも言うのか?

俺も宇宙人にさらわれて、意志と関係なく戦わされたら嫌だなーと思いながら見ていた。
そして途中から直視できなくなっていた。

片方の犬が泣き声をあげて終了。動物愛護団体が見たら、大変なことになりそう。



外に出て、お土産屋を覗く。竜馬グッツだらけだ。普段なら馬鹿にしそうだけど今日の俺は欲しかった。去年鹿児島で買った西郷さんの携帯のストラップも、呪いの人形のようになっていた。ストラップと、今の気持ちを忘れぬようについに竜馬のミニュチュアの銅像まで買ってしまった。

隣の山には、ブンタンクッキー。「ん・・・ブンタン?」そうだ大角さんの指令を忘れてた。
ブンタン探さねば、ブンタンクッキーの箱には、夏みかんのような絵が・・・。

「これを見つければよいのだ!」

「あった!ブンタンだ!」

柑橘系の夏みかんのようなもの。買おうと思ったら一個450円。

「高すぎるー!」

「どうするか・・・・買うかなー。」

横を見ると、ブンタンの試食品がたくさんあった。

「これだー!」

買うふりをして、2個3個食べた。一人でうなずきながら迷ったふりをして、その場を去った。

「タダで食えたー。」

すっぱく無くて食べやすい。もう少し安ければ買っても良かった。Oさんにすぐメールした。とりあえず腹減ったのでうどんを食べに店に入る。うどん確かにあったのだが、龍馬ラーメンという表示。迷ったが、食べるしかない。注文すると、カツオのタタキ・ワカメ・山菜が入って、スープがうどんみたいなラーメン。昨日うまいタタキ食べているだけに、まあこんなもんかと言う感じだった。

落ち着いてタバコを吸いながら、どうするか考えていた。なんとなく目標達成したようで終わりの雰囲気が頭のすみによぎっていた。

メールが入った。携帯見るとまたOさんからだった。

「次は、四万十川の鮎と川えび、青海苔うどんだ!」


「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」


やっぱ行かなきゃいけねーのかなー




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