敗戦後の混乱期に、頼まれれば原稿を書いていましたが、そんな時代の切り抜きが短編集「忘れがたき日々に」を出版した後にまた見つかりました。それらをまとめた作品集です。女を書けないとか素人の小説だと文壇から冷たく扱われたことに反発し、女のデッサンや文章の修練をするのだと書いたもので、作風は稚拙でも戦後の混乱期にこれだけの精神を持って書かれていることにただ目を見張るばかりです。
全320頁
1979年7月30日 発行
定価 1,300円
広論社
絶版
【 掲載作品 】
あじさいの女 乳房 都鳥の女 雨の囁き むすめごころ
小説に登場しない女 街の幽霊 高原の出来事 独り心中
つたない反抗 善意 閉ざされた扉