1964年1月から「主婦と生活」に2年間24編書いたものに、それ以前に発表した随筆3編を足してまとめました。作者は「人間の運命」という大伽藍を創るに当たって、すべての原稿依頼を断りましたが、大伽藍も先の見通しが立ってくると、短編小説を書きたい欲求が起こりはじめ、それを実行すれば大伽藍に支障が出るので、代わりに随筆を書くことにしたようです。その為、本作は作者の精神衛生上書かれた意味合いが濃いのですが、読者に直接話しかけるような調子が珍しく、とても良い作品に仕上がっています。

こころの窓
全204頁
1966年1月10日 発行
定価 300円
新潮社
絶版


【 掲載作品 】

野の花  フランス人の生活の知恵  一日を生涯として生きる
一足の靴の話  三十数年間大切にしたハンカチ 他