/// 鏡開きから七草粥  ///  (02/01/03)

// 鏡開き //

 鏡開きは11日におこなう地域が多いですが、京都の旧家では4日に
おこなう家もあります。そして、すまし仕立てのお椀を作ります。
開いたお餅を焼いて入れ、京野菜のひとつ壬生菜(みぶな)を入れた、
すまし仕立てのお椀です。壬生菜とお餅以外は何も入れません。
白みそ仕立てのお雑煮に少し飽きが来て、しゃきとした壬生菜が
美味しいのです。

その昔、壬生菜はその名の通り中京区壬生寺付近で多く栽培されて
いました。葉が細長くヘラのような形をしています。煮物、サラダなど
にも使われます。そう千枚漬けに添えられている青物もこの壬生菜です。


///平安時代の粥と七草粥 //

 今ではお粥と云えば、汁気のある胃に優しい食べ物を連想しますが、
平安時代の書物に「粥」と記されている場合は、「カタカユ」、
「シルカユ」の区別があるそうです。シルカユが普通に想像する
お粥に当たります。カタカユは器に盛ることも出来たと云うから
今のお粥ではなさそうです。

そのような粥ですが、その粥の中にも白粥と赤粥があったそうな。
白粥は普通の米の粥だけれど、赤粥は小豆を入れた粥のこと。
平安時代の朝廷の儀式細則を定めた延喜式には正月の望粥は七種の粥と
記述されているそうです。

また正月の御粥は「あづきの粥」と記されている書物もあるとかで、
この場合、望月は満月のことを意味するので、十五日粥とも云われ、
全国的には望日、小正月の行事として小豆粥の行事が残るようです。
これを考えると旧暦との話が入り交じるので、話はややこしくなります。
この十五日粥が今の七草粥の起源とする説もあるようです。

起源はともかくお正月のおせち料理でちょっともたれ気味のお腹を
いたわる七草粥は理に適っているのでしょうか。
平安時代では旧暦ですが、冬を過ごしビタミンCも不足がちな
春先に若菜を摘んでの養生の意味合いもあったのかなと思います。

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