/// ひなまつり、味しめて ///  (02/02/25)

 三月三日はひなまつり。
京都の旧家では一ヶ月遅れの四月三日にひな祭りを飾るところも
少なくないです。ここにも新暦との季節感のづれを感じます。
京都では新暦四月に桃の花は咲きます。

桃の節句と云うからには四月三日の方が似合うひな祭りです。
でも、最近は四月では菱餅もなかなか手に入らなかったりする
ようです。何でも新暦の三月三日にひな飾りをしつらえ、四月三日
までひな飾りを楽しむ「長祭り」として楽しむところもあるとか。
おひな様はあまり長く飾ると婚期が遅れるとかの言い伝えは京都
では気にしない???

灯りをつけましょ ぼんぼりに、お花をあげましょ 桃の花♪
その三月三日の献立。。。
一の善は鯛の造り、身シジミの炊いたもの、赤貝と鳥貝の鉄砲あえ、
小豆ご飯、白酒。
二の膳はばら寿司、小さな巻きずし、生カレイ。
こんなご馳走でしょうか。
家庭の味としては、ちらし寿司にハマグリのお吸い物が定番かな。

そしてひな祭りに切っても切れないのは菱餅に引千切(ひちぎり)。
菱餅は三角三色が多いのでしょうか、紅は桃を表し、白は神への
畏敬の念、緑は春の芽吹きを表しているとか…。
神社のお供えで巨大な菱餅を見たことがあります。ただし彩りは
なく、白い長さは30cmもあろうかと云う三段の巨大菱餅でした。
元々は神への捧げものの意味合いがあるのでしょうね。
紅色、緑色に彩られるのは明治以降のことと云います。
緑の色はよもぎを使うことが多いようで、よもぎには邪気を祓う
意味合いがあって、まじないの意味があると云います。
春の芽吹きを表す色といい、女の子の成長を祝い祈る節句には
合っていたのでしょうか。

一方の引千切(ひちぎり)はひっちぎりとも云うようで、だんごの
生地をひっちぎって型を作ることから、そう云われるそうです。
こちらはもっと歴史は新しいようで、戴餅(いただきもち)と
云うのがその由来だとか。誕生日や御着帯の祝いに宮中で用い
られた、小戴(こいただき)と云うお菓子に由来しているようです。
引きちぎった餅に餡玉をちょこんと載せる小さな和菓子ですが、
そのデザインは店によって多少異なるようではありますが…

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