/// 上賀茂神社辺り ///  (00/09/06)

 重陽の神事に関連して、上賀茂神社を
紹介しましたが、今回はその上賀茂神社
辺りを歩いてみたいと思います。

左の写真は上賀茂神社の一の鳥居ですが、
奥に見える二の鳥居の後ろに本殿もあり
ます。その背後は御生山と呼ばれる、
深い森の山々です。

世界文化遺産にも登録された上賀茂神社は
賀茂別雷(かもわけいかづち)神社と云う
のが正式な社名です。

境内では御物忌(おものいみ)川、御手洗川、
が合流して、楢小川(ならのおがわ)と
なって社家町に流れています。
 二の鳥居を入ると立砂(たてすな)が
目に入ります。盛砂とも呼ばれたりも
しますが、「たつ」には神が出現すると
云う意味もあるとかで、祭神が降臨した
のが神山(かみやま)、この神山に
ちなんだのが立砂だそうです。

表鬼門、裏鬼門に砂を捲き清めるのも
この立砂の信仰からきているようです。

上賀茂神社といえば「やきもち」、
神馬堂と葵家が一の鳥居近くに
あります。是非ご賞味を!!
 味の話を続けると、この辺りから
深泥池(みどろがいけ)、そして
植物園辺りまでが「すぐき」の産地です。
漢字では酸茎と書きますが、乳酸発酵
させた酸い(酸っぱい)かぶら漬は
京都を代表する漬物のひとつです。

写真は社家(しゃけ)町と呼ばれる
町並み風景です。
楢小川から続く明神川の流れに小橋を
架けた土塀が特徴です。
上賀茂神社の神官を代々務めてきた
社家と地元農家でつくられる社家町です。
その内、神主になる家筋を賀茂七家と
称していたと伝わります。

この社家町を訪ねられたならば、屋敷の
二階をご覧下さい。古い社家の家屋では
二階部分が低い造りとなっています。
何でも神社の鳥居より高くすることを
禁じられていたそうです。
 上賀茂神社から社家町を抜け、大田神社
まで10分ほどでしょうか、大田神社は
上賀茂神社の境外摂社です。
歌にも残ります。”神山や大田の沢の
かきつばた ふかきたのみは色に見ゆらん”

この辺り一帯は広大な大田ノ沢と呼ばれる
湿地だったようです。
今はこの大田神社の参道の東側にテニス
コート一面ほどのカキツバタ群落が往時の
風景を伝えます。

ここ三年ほど通っているのですが、休みの
日と、見頃、天候が合わなかったりで、
紹介出来るカキツバタ群落の写真がない
のが残念です。
来年こそはと思っているのですが…

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