/// 節分と壬生狂言 ///  (02/01/27)

 節分が近づくと魚屋、スーパーの店頭
には鰯が並びます。柊(ひいらぎ)の
枝に鰯の頭を刺したものをかざす光景は
さすがに滅多に見かけなくなりましたが、
近郊農村部、元は農村であった地域など
では、ふいに目に飛び込んでくることが
あります。この習慣は商家地域より
農村部に色濃く残るようです。

また、鰯を焼き、その煙で鬼を追い出す
とも伝わりますが、昨今の住宅事情、
マンションでは火災報知器が鳴り出し
たり、火事と間違われたりで大変です。
それより最近は煙の出ないグリルとかが
一般的だらか、煙がモウモウには
ならないか…
鬼にとっては好都合???
昔、節分には米、麦、粟、豆、黍または
稗の五穀で粽を作ったとも云われます。
今は大豆の豆となっていますが、鰯といい、
五穀、大豆と云い、節分行事も季節の
変わり目の養生の意味合いも大きいのかな
と思ってしまいます。

今では節分と云えば、この時期の立春の
節目を指すようになっていますが、
季節の変わり目だらか節分なので、節分は
年に四回あるんですよね。この時期の
節分行事にこのように重きをおかれるのは、
旧暦での追儺式と微妙に絡まっているよう
です。

京都では節分行事が行われる社寺は多いの
ですが、その中で特に有名なのは吉田神社、
壬生寺になります。
壬生寺では節分に合わせて、壬生狂言の
演目の一つ「節分」が上演されます。
壬生狂言は正しくは「壬生大念仏狂言」と
云われますが、庶民の間では「壬生さんの
カンデンデン」と親しまれます。
壬生狂言は壬生寺の開祖、円覚上人が
仏教の教えを庶民に判りやすく伝える
目的で始まった無言劇がその始まりと
云われます。

この為、現在三十曲が受け継がれて
いますが、狂言と云う娯楽的な側面の
中にも勧善懲悪、因果応報の理を教える
仏教的側面も見て取れます。
節分にはその壬生狂言の「節分」が上演
されますが、これは春の大念仏会に先立ち
壬生寺節分会の参詣者の厄除け、開運を
祈願して行われます。この狂言は昭和51年
には国の重要無形文化財としての登録を
受けています。

また狂言が演じられる狂言堂は綱渡りの
芸をする「獣台」や鬼などが飛び込んでは
消える「飛び込み」など、他の狂言舞台
とは異なる構造となっており、こちらも
昭和55年には国の重要文化財に指定されて
います。
一日に八回、毎正時に上演されます。
節分詣りと共に見て下さい。
この節分狂言は無料だしね。。

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