2019/07/13
アナログの音はすごかった!!
7月8日(月)ウエスタンスピリッツのお宅を友人と二人で訪問しました。
さてその感想ですが、その前にどのようなシステムなのか?
メモしてきたので、ちょっと紹介しておきたいと思います。
システム構成というより、
ウエスタンスピリッツのマルチシステムは、
全てイシノラボというところからの別注品でした。
スピーカーから言うと、◎ウーハーがJBL130A
◎ドライバーがJBLLE85
(但し、ダイヤフラムはUSAラジアンに交換してあるそうです。)
振動版は同じアルミだそうですが、へら絞りのため、
真ん中が薄く、外側になるほど分厚くなっているため、
振動板のたわみが少なくレスポンスが正確なんだそうです。
◎ツイーターはテクニクスのEAS-9HH42です。
◎ウーハーボックスはJBL4560BKオリジナルです。
◎ホーンはコーラルのAH-500です。
◎プリアンプ-パッシブ型でボリュームではなく、
セイデンのスイッチタイプです。
余計な付帯音の少ないのが特徴で、ピュアな音が出るそうです。
MCトランス内臓で、電源トランスを合わせて特注品だそうです。
チャンネルデバイダーもイシノラボで、
左右独立したモノラル構成です。
カットオフ周波数もレベル調整も、
総じて高級クラスのセイデンのスイッチタイプです。
◎パワーアンプもイシノラボで、
ツイーターとドライバー用は同じで、
電源トランスがEIコアの出力30ワット×2です。
ウーハーもイシノラボで、
同じEIコアで出力は50ワット×2です。
EIコアとはガッツのある音が特量なんだそうです。
◎アナログターンテーブルは、
テクニクスSP-10R、キャビネットやはりテクニクスのSH-10B3
(黒曜石で作られているが、ターンテーブルやトーンアームベースは、
黒曜石と一切の接触はないそうです。
◎トーンアームはSAECのWE-308SXで、
SAECの最上位モデルです。
ターンテーブルマットもSAECのSS-300で、
今でもかなり人気があり、
血眼になって探しているマニアが多いそうです。
◎カートリッジは、オルトファンカデンザブルーです。
ヘッドシェルもシェルリード線もオルトフォンです。
モノラルは、カデンザモノやアメリカGE社のバリレラも、
全ての針の形状を揃え所有しています。
そして、全てを繋ぐケーブルは、
ウエスタンスピリッツです。
それにしても、揃えにそろえたものです。感心します。
というよりもアンプ類などは、
マッキントッシュだマークレビンソンだのといった、
値段ばかり高いようなものを使うのではなく、
長年の経験から、
音の確かなイシノラボで揃えたところに意味があるみたいです。
ターンテーブルやトーンアーム、カートリッジは、
やはりハイエンドの製品になるんでしょうね。
ウーハーは拘りの38センチ、
ビンテージ物のフロントロードホンです。
長くなりました。
それでは本題のどのような音だったかに入りたいと思います。
先ず、伺って三階のリスニングルームから聴こえてきた音は、
既にかけてあったエモーティバのCDでした。
何とも肉厚の柔らかい奥行きのあるコントラバスの音が、
先ず私の耳に入って来ました。
ハイエンドのエソテリックを手放してまで買い替えた訳が、
この最初に聴いた音から納得のいくものを感じました。
私の知っているCDの音とは、ただクリアなだけで、
なんとも薄っぺらく平坦で、
奥行きの無い音楽を感じないものです。
300万もするエソテリックのCDプレーヤーより、
実売価格で6万円ちょっとで買えるエモーティバの方が、
音がいいというのは、価格じゃないんですね。
確かな耳は、値段に左右されることが無いんですね。
さて、この三階の部屋。キャンプ場のログハウスのように、
床から天井から壁面まで、全て木材で埋め尽くされていました。
勿論、アンプ類のラックからスピーカーの下まで、
全て木製の手作り品だそうです。
この部屋、見ただけでいい音が聴こえて来そうです。
部屋自体がエンクロージャーって感じです。
それでは今日一番聴きたかったアナログの音色です。
一言で言って、ビックリするほど素晴らしい音でした。
何が素晴らしいって、
私はこのようなレコードの音を聴いた事が有りません。
レコードの管理がいいのか、スクラッチノイズ一つありません。
まるでCDでもかけているかのようで、
聴こえてくる音楽は、どの楽器やボーカル等が強調されるわけでもなく、
至って自然で奥行きのある柔らかく分厚く空気感のある、
限りなく澄み切った透明度100%の音楽でした。
改めて、レコードに魅了されて止まない、
そんなスピリッツの気持ちがわかるような気がしました。
まだまだ先が有る・・
といったスピリッツの気持ちが、やっと分かったような気がします。
百聞は一聴にしかずです。
あなたも是非一度訪問して、聴かれたらいいと思います。
いや、この音を音楽を聴かない手は有りません。
私は音の良し悪しを見分ける事は多少できますが、
所詮素人なので、どのような表現をしたらいいのか分かりません。
が、何とも抽象的な言い方ですが、至って自然な音とは、
長年の努力と経験の蓄積と、挫折や発見の中から生まれる、
人生観に似たもののような気がします。
スピリッツは妖怪人間で少し変わり者かと思っていましたが、
リスニングルームに充満したその音楽は、
何とも素直で明るく澄み切った音でした。
この音、聴かせていただいたレコード、
性格のゆがんだ人が作り出せる音ではないと、
つくづく直感した一日でした。
またうかがえる機会が有ったら、
今度は泊りがけで行きたい気持ちです。


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