今回は、ペーパークラフトの作り方を解説します。火星探査機「のぞみ」のペーパークラフトを作りますよ!
- 火星探査機「のぞみ」 -
のぞみ(PLANET-B)は、日本初の本格的な惑星探査機として1998年に打ち上げられました。コストパフォーマンスに優れた高性能な探査機で、地上のスタッフの強力な支援にも支えられて度重なるトラブルに耐え、火星へ向かいました。惑星探査のためのさまざま技術を実証し、いくつかの観測にも成功しましたが、最後は火星周回軌道へ投入することができず、運用は終了しました。
さて、
せっかく「のぞみ」のペーパークラフトを作るんですから、その作業はここでやりましょう。
↓(おいおい)
今も「のぞみ」関係の資料やマシンが残されているこの部屋は、「のぞみ」が運用されていた当時の関係者たちの魂を感じることができる空間です。現在では「はやぶさ」の運用の予備室という名目になっています。
右のドアには貼ってある写真は、上が「のぞみ」打ち上げ(M-Vロケット)、下がロケット搭載前の「のぞみ」の雄姿。
追記(2006 05/29):この部屋はその後、赤外線天文衛星「あかり」の打ち上げに伴い改装され、あかり運用室になりました。のぞみの部屋が無くなってしまうのは寂しいですが、新しい観測の幕開けに期待しましょう。
前置きはこのくらいにして、ペーパークラフト作成のコツを、「のぞみ」で実演しながらお教えします。なお、探査機や惑星のペーパークラフト作りについては、参考になる他のページもあります→(2)
Web等で入手した型紙データを自分で印刷する場合、光沢のない厚手の紙(0.2mm程度)を使うのが基本です。
前回(宇宙工房 equipments)紹介したようなさまざまな道具が揃うと理想的ですが、最低限カッター、定規、のりがあればできます。
紙をべたべた触るので、手が汚いと作品がすぐ汚れます。また、のりや接着剤で手が汚くなるので、こまめに洗いなおすか、濡れハンカチ等を用意しましょう。
厚手の紙を真っ直ぐに折るのは案外難しいので、楽に折れるように「出ないボールペン」に定規をあてて強く折り線をつけます。前回紹介した「出ないボールペン」の使いみちがわかりましたね!
定規をあててカッターを軽く入れて傷をつければパックリと奇麗に折れます(カッターをいれた面が山折り)が、折り目で表面の絵柄が切れて中の白い紙の色が出てしまうため、この方法はのりしろなど目立たないところでしか使えません。
切り抜きは定規+カッターを使うのが基本ですが、カーブのきつい曲線などはハサミの方が楽に切り取れます。
ペーパークラフト作りの基本は、計画性です。部品に折り目をつけるというさきほどの作業も、最初のうちにやらないと切り抜いてしまった後では非常にやりにくくなります。部品が紙に固定してあったほうが色々な作業が楽です。切り抜く前にできることはやっておきましょう!
切り抜く直前の型紙をウラから見ると、のりしろが折ってあったりして、ある程度の作業が既に済んでいます。
輪郭が入り組んだ部分など複雑で難しいところから先にカッターを入れ、最後に長い直線などの簡単な部分を切るようにして計画的に切り抜きます。
ここまでで切り抜きが完了。これを組み立てて探査機を完成させるのは…
次回にまわします。お楽しみに。
文量の関係で、ちょっとページ構成を変更m(_ _)m
今回の作業の様子。事前にある程度の切り抜きをしておき、ここでは1時間くらい作業して完成。
切り取った後の型紙は、このままのぞみ運用室に放置(迷惑)。後でこの部屋に来た人の話のタネになるかも…
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