たばちゃんバンド第1回コンサート
〜 大阪高槻教会・風の会との出会い 〜
たばちゃんバンド結成初公演(曲目:砂上の足跡・歌:木下泰一)

コンベンツアル聖フランシスコ会助祭、田端孝之神父は当時併設の仁川学院中・高等学校にも宗教科の教諭として勤務していた。同僚の私(南哲哉=音楽科教諭)とは同校の卒業式式歌創作など同じ仕事をすることが多かった。1992年11月のある日、田端神父は私に翌月23日にカトリック大阪高槻教会でのクリスマスコンサートにギターでゲスト出演することを話し、一緒にやらないかと誘った。私はクラシック畑に育った自分がバンドをやる自信などなかったが、仲間を集めてゲスト出演を盛り上げようと考えた。自分たちが作った曲をよりよく演奏するためでもあった。さっそく田端神父は教会関係者からベースに神崎宏、ギターを木下泰一を、私は仁川学院高等学校から岡崎充良(ドラム)油井誠志(キーボード)を誘い、バンドができた。そして3度の練習ののち、田端神父と購入した音響機材をトラックに積み込みメンバーと共に高槻に向かった。

風の会のメンバー

戦国時代の武将、高山右近ゆかりの高槻教会ではここを本拠地とする「風の会」というバンドのメンバーが迎えてくれた。彼らは数多くのコンサートを重ねており、作品の数もレパートリーも多かった。演奏はもちろん、アレンジやMCのレベルが高く、初めてバンド演奏をする我々とはまったく違った。無我夢中で演奏をし、「これでこのバンドは解散になるかもしれません」という言葉を残して演奏を終わった。この時点ではたばちゃんバンドが10年間以上も活動することになろうとは誰も想像できなかった。たくさんの我々のお客さんもわざわざ来てくれていた。坪山健一氏をリーダーとする風の会は我々を旧知の友のように迎えてくれた。2曲の打ち合わせだけの本番セッションと演奏会後の自由セッション、そしてその後の近くのロイヤルホストでの歓談と、どれもこれも楽しく温かく、我々に至福の時を与えてくれた。私自身もバンド演奏が、そして人との出会いがこんなに感動的なものかと初めて知った。たばちゃんバンドが人との出会いを求めて、北海道から沖縄まで走りまわったのはこの演奏での体験が大きかった。このクリスマスコンサートでもチャリティコンサートだったがトラックで 機材を運んで自分たちでコンサートを作り上げる方法は初回にして確立していたのだ。細かいノーハウについては回を重ねていかなければ得ることが出来なかったが・・・こうして記念すべきたばちゃんバンドの第1回目のコンサートが終わった。

 ・曲目

1、信じていこう 2、マリア 3、砂上の足跡 4、船出 5、夢を求めて