明かされなかったリスク情報

※このページの内容に対するコメント(H19.3.7掲載)


今年もハワイで体験ダイビングをしたり講習を受けたり、またファンダイビングを行う人たちがたくさんいると思います。

実はハワイでは3月の大雨で下水が氾濫したり壊れ、ビーチや港がひどく汚染されました。
事実、現地の若くて健康な白人男性が、汚染された(見た目にはきれい)港に落ちてこの汚染水にさらされたことでなんと死亡しています。これは現地の新聞でも大きく取り上げられています。
私は全てのダイビング雑誌などを見ている訳ではないので、もしこの情報がこれらで大きくダイバーに報道・解説などされていればここに私の無知を深くお詫びいたします。

地元の新聞(Hawaii Hochi)記事(06年4月11日)によると、オアフ島では3月の6週間による雨や洪水などで海岸や臨海公園(ビーチパーク)にはいろいろなゴミが散乱し、それを多数のボランティアが清掃にあったていると報道しています。(※4月末にはワイキキやカイルアではゴミは除去されていた。)
またこの当時、汚染警告が掲示されている海岸では、バクテリア感染の危険があるので清掃作業が停止されていると報じています。(ただ砂にたまったバクテリアは日光や海水の消毒作用で、時間の経過と共に消滅していくという。)
同日の同紙では、3月30日に下水で汚染されたアラワイ・ハーバーに転落して1週間後に死亡した男性(34)の記事がAP配信の大きな写真入りで紹介されています。
記事では同氏は、4月6日夜に起こった喧嘩で、アラワイ運河に放出された4800万ガロンの未処理下水が流れ込んだハーバーに落とされたと見られていると紹介。
市検死局によると、同氏はヴィブリオ・ヴァルニフィーカスというバクテリアに感染したために臓器の機能が停止(アルコール中毒で慢性の肝臓障害も患っていたそうである。)したことが紹介されている。
同紙4月22日号では、ワイキキの下水管破裂の件の修理の大変さを紹介し、またアラワイ運河への未処理汚水放出によってワイキキなどの海水に大量の病原菌が発生、海岸を数日間にわたって閉鎖したことを紹介しています。
同日同紙ではまた、ハワイの環境団体「ヘリシー・ハワイ同盟」が独自に実施した海岸の砂のバクテリア検査結果が21日に公開され、あの美しいカイルア海岸の砂に高濃度のバクテリアが検出されたということを紹介しています。この検査ではワイキキは受容限度内となっていましたが、カイルア海岸が高濃度であったということです。ただ同記事では、州衛生局はこの検査方法自体が適切さを欠いていると批判していると報じています。

ワイキキの沖や、その近くのヨットハーバー、またすぐ近くのアラモアナビーチパークでは日本人客向けの体験・講習・ファンダイビングが行われており、この場合、こういった情報はマスコミ報道(少なくともダイビングマスコミや商品ダイビングを販売している旅行会社などによる積極的な警告)ないしはネットでの報告があってもよかったのではと思います。当時ここでダイビングやマリンスポーツをした方々はこのリスク情報を教えられていたのでしょうか。

私はこのことをハワイの地元の方から教えてもらうまで知りませんでした。私も以前、ワイキキ沖でダイビングをしたことがあり、初めて聞いてびっくりしました。

もしかして、ハワイで3月末から4月中旬までの期間中にダイビングをして(特にワイキキやその近くので)、お腹の調子が悪くなったり、熱が出たり、頭痛などがした人がいた場合には、念のため早めに病院に行かれることを検討されることをお勧めします。
何もなかったなら、それはそれで安心できるのではと思います。


平成18年4月25日のワイキキビーチ

平成18年4月28日のカイルアビーチ

なお4月25日(現地時間)のワイキキビーチと28日のカイルアビーチには、もう多くの人々が泳いでいましたので、月末には両海岸はOKになっていたのでしょう。良かったと思います。


平成18年5月3日

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