12月21日
 今日発売の「週刊文春」12/28号に載っている「街物語」で最終回。今回はジャカルタとカイロ、ふたつのイスラムの街について書いています。

12月18日
 現在「別冊文藝春秋」で『夜想』を連載中ではありますが、よんどころない事情があって「本の話」でも新連載を始めることになりました。そういうわけで今月は「週刊文春」「別冊文藝春秋」「本の話」と、文春のエンターテインメント小説が載る雑誌三誌に原稿を書いたことになる。これで「オール讀物」にも書いていれば完全制覇だったのにな(「オール」には来月載ります)。
 新連載のタイトルは『氷の明日』。『空白の叫び』は上巻の心理描写が好評だったのに対し、下巻のミステリー的展開に否定的な人が多かったので、ならばミステリー的趣向は抜きの話を書いてやるよと思い構想しました。『空白の叫び』を自分で弁護するなら、ミステリーの仕掛けを通してしか語れないテーマというのは厳然とあるわけで、『空白の叫び』はまさにそういう作品だったと思っています。上巻の心理描写だけを誉める人は、単に刺激を楽しんだだけです。『空白の叫び』の評価には本当に頭に来たので、しばらくミステリーは書かないかもしれません。

12月14日
 今日発売の「週刊文春」12/21号に、「街物語」第三回が掲載されています。今回の街はバルセロナとストックホルムと香港。

12月7日
 今日発売の「週刊文春」12/14号に、「街物語」第二回が掲載されています。今回はストックホルムとサンフランシスコの話。

 それと、9日には『追憶のかけら』のノベルス版が出ます。元旦に今年は六冊本を出すと言ったけど、これで六冊目(『空白の叫び』は二冊とカウント)。次の本は来年二月発売の『ミハスの落日』になります。

11月30日
 ここ最近は小説以外の仕事をお断りしていたのですが、よんどころない事情があって久しぶりにエッセイを書きました。今日発売の「週刊文春」から、四週連続で「街物語」というコーナーに原稿を書きます。テーマが街なら、『ミハスの落日』収録作品の取材のためにあちこちに行ったのでネタはたくさんあるから、お引き受けした次第。第一回目はコペンハーゲンとストックホルム、それと東京との比較について語っています。目次に載ってないから見つけにくいけど、37ページ辺りだったはずです。

11月25日
 今日発行の日本経済新聞朝刊に、『空白の叫び』に関するインタビューが載っています。

 それと、今月発行の「ポンツーン」から、新作『後悔と真実の色』の連載を開始します。「ポンツーン」って発行日いつ?
 この新作は久々の警察小説です。捜査一課の刑事を主人公にした警察小説ということだと、なんと『慟哭』以来。デビュー以降、いつかまた警察小説を書くだろうと思って資料を溜め込んできたので、それらを駆使してリアルな小説に仕上げるつもりです。
 警察小説などというと今の流行に乗っかったかのようですが、構想はずいぶん前からあったものです。それに実は本当に書きたいのは●●小説なんだけど、いきなりそんなものを書いたら読者に引かれると思って、警察小説の皮を被せただけです。なので、途中から話がおかしな方向にねじ曲がっていく予定なので、楽しみにしてください。

10月31日
 昨日発行の無料求人情報誌「job aidem」10/30号に、仕事に関してのインタビューが載っています。この情報誌、けっこう街角のあちこちで見かけるので、簡単に見つかると思います。

10月21日
 「夕刊フジ」に掲載されたインタビューが、ネットで読めます。こちら
 それと、有隣堂の社内誌「有鄰」(一般の人も店頭でもらえるようですが)に載った『空白の叫び』に関するインタビューが、やはりここで読めます。
 今日発売の「オール讀物」11月号に、『空白の叫び』のインタビューが載っています。

9月25日
 明日発売の「夕刊フジ」9/27号に『空白の叫び』に関するインタビューが載ります。

9月22日
 小説新潮10月号に短編「カイロの残照」が載っています。これでようやく一冊分。大変だった。この本一冊を書くために、いったい地球何周分の距離を移動したことやら。こんな馬鹿な労力の使い方をする小説家は他にいないね。原稿料も取材費でほぼ相殺なので、単行本が売れてくれないことには黒字になりません。本になったらぜひ買ってくださいね。来年早々に本にします。

9月16日
 インタビュー二件。「週刊ポスト」9/29号に『空白の叫び』に関するインタビュー。「AERA」9/25号に『カポーティ』に関するインタビューがそれぞれ掲載されています。

9月9日
 Timebook Townに「分相応(後編)」が掲載されていました。連絡がないから知らなかった……。

9月7日
 映画『カポーティ』にコメントを寄せています。

8月30日
 有隣堂横浜ランドマークプラザ店と、横浜駅西口店で、『空白の叫び』のサイン本を作ってきました。

8月21日
 今月24日に、新刊『空白の叫び』が出ます。連載期間丸五年、構想から手直しの時間まで含めると、形になるまで足かけ七年かかりました。
 数年前に『殺人症候群』を書いたとき、裁かれない犯罪というテーマをあらゆる角度から描いたつもりでしたが、ひとつだけ盛り込めない視点がありました。犯罪者側からの視点です。それは連載中からわかっていたので、次は裁かれない犯罪を犯す人を主人公にした話を書かなければならないと思い、構想したのがこの『空白の叫び』です。ですから連載がスタートしたのは、まだ『殺人症候群』連載中のことでした。
 三人の少年が人を殺し、少年院で出会い、卒院後にふたたび犯罪に手を染めるまでの過程を描いたところ、2100枚を超えるボリュームになってしまいました。でも、担当編集者には「まったく無駄がない」と言ってもらっています。それだけ大きなテーマだったのでしょう。この作品を書き上げたことで、『殺人症候群』以来のテーマをようやく完結させることができました。『殺人』を読んで何かを感じてくださった方には、ぜひ手に取っていただきたいです。
 『愚行録』ではエロも暴力もないとここに書きましたが、この『空白の叫び』にはエロも暴力もあります。これまでぼくは、性描写を意図的に避けてきましたが、今回はあえて逃げずに書きました。もちろんそれは読者サービスではなく、必然性があってのことです。そうした描写が嫌いな方には少し辛いシーンがあるかもしれませんが、最後まで読んでいただければ必ず読者の胸に何かが残るはずです。
 これまでぼくの代表作といえば、『慟哭』や『殺人症候群』、『追憶のかけら』などのタイトルが挙がっていましたが、今後は間違いなくこの『空白の叫び』も代表作のひとつと言われるようになると思います。今はひとりでも多くの人の許に、この作品が届くことを願っています。

8月4日
 Timebook Townに書き下ろし短編、「分相応(前編)」が掲載されています。今月中は無料で読めるようです。これも「オール讀物」でやっている短編と同傾向で、ノンミステリーです。惹句でも書かれているように、完全に男性読者しか視野に入れていないストーリーなので、女性が読んでも面白くないかも。

7月18日
 「ダ・ヴィンチ」8月号に、『気分は名探偵』巻末覆面座談会の解答と、補足の座談会が載っています。

6月28日
 7月1日放送の「王様のブランチ」(TBS系)で『愚行録』が取り上げられます。9:35過ぎからとのことです。

6月22日
 「オール讀物」7月号に、短編「あと一歩」が載っています。ミステリー特集に入っていますが、これはノンミステリーですね。

6月8日
 「別冊文藝春秋」7月号に、『愚行録』に関するインタビューが載っています。連載中の『夜想』第四回も載っています。『夜想』はあと三回くらいかな。

6月6日
 7月発売を予定していた新作『空白の叫び』は、制作進行の遅れから8月発売に延期になりました。やっぱり2100枚は長い。

5月29日
 e-NOVELS編集の新アンソロジー『川に死体のある風景』が東京創元社から発売されました。ハイレベルの作品集ですし、参加作家全員のあとがきもあります。ぜひお買い求めください。

5月25日
 「月刊プレイボーイ」7月号に、『愚行録』に関するインタビューが載っています。写真も載ってるんだけど、こういう角度から撮ったものは初めてで自分でもちょっと驚き。

5月23日
 去年の一月に予告していたリニューアルがようやく完了しました。といっても変わったのは見かけだけで、コンテンツはほとんど変わってませんが。今後もよろしくお願いします。

5月19日
 まだ店頭確認はしてないんだけど、徳間書店の犯人当てアンソロジー『気分は名探偵』はもう発売されているようですね。巻末のおまけ企画とは覆面座談会で、名前を伏せて語っている執筆者六名はそれぞれ誰に該当するかを当てると、全員のサインが入った色紙がもらえます。奮ってご応募ください。
 収録されている作品は吉祥院ものなので、ほぼ同時に『被害者は誰?』の文庫が出たのは絶妙のタイミングだった。どちらかを読んで面白いと思ってくださった方は、ぜひもう一方もお手に取ってみてください。

5月11日
 忙しくてすっかり忘れていたけど、『被害者は誰?』の文庫が出るんだった(笑)。でもいつ出るんだか聞いてないや。たぶん16日頃。解説はこの人しかいないでしょう。葉山響さんです。わかる人だけ笑ってください。

5月9日
 北村薫さんの『街の灯』(文春文庫)に解説を書かせていただきました。これも文春の仕事なので、今年は見事に文春と新潮にしか原稿を書いてない。今後もしばらくこの二社としか仕事しないし。長くやってるとたまにはこういう年もあるということだね。

4月22日
「オール讀物」5月号に、短編「窃視症」が載っています。これまで「オール」では、単行本にすることを前提に短編を掲載していながら二度も挫折しているので、今度こそ一冊分になるまで続けて書こうと思ってます。
 それと、夕刊フジ連載をまとめたアンソロジー、タイトルは『気分は名探偵』となったようです。発売は5月16日頃。こちらもよろしく。

4月19日
 ポップを立ててベストセラーを作り出すことで有名な有隣堂ランドマークプラザ店の梅原潤一さんの、これまで書いたポップをまとめた本が出版されます。『書店ポップ術』というタイトルで、試論社から25日頃に出ます。ぼくも梅原さんにはお世話になっているので(『殺人症候群』の文庫解説も書いていただきました)、この本に推薦の言葉を寄せております。書店員さんにとっては参考書として読まれるのでしょうが、一般読者が読んでも充分に面白い本になっていますので、店頭で見かけたらぜひ手に取ってください。

 それと、久しぶりに映像メディアに出ました。『安楽椅子探偵と笛吹家の一族』DVDにゲスト回答者として登場しています。以前にテレビに出たとき、早口だったせいで緊張しているように見えたみたいだったので(本当は緊張していなかった。知り合いには「まったくふだんどおりだったので驚いた」と言われたくらい)、今度はわざとゆっくり喋ってみたら、これはこれで緊張しているように見えてしまうのね(緊張して訥弁になっているように見える)。喋るのは難しいなぁ。
 DVDの発売は28日です。

3月23日
「小説新潮」4月号に、短編「ジャカルタの黎明」が載っています。「小説新潮」で書いている海外を舞台にした短編も、あと一本で一冊分になる。南欧、北欧、北米、東南アジアと来たので、最後はアフリカにしようと思っている。取材が大変だ。

3月17日
『愚行録』の見本ができました。装幀はこちら。基本的に装幀はお任せにするのですが、今回は珍しく文字の色から紙の質まで細かく指定しました。だから期待どおりであれば文句はなかったのに、こちらの期待以上のものを岩郷重力さんが創ってくれました。さすがです。この写真だけでは良さがよくわからないでしょうから、店頭でご確認ください。
 店頭に並ぶのは、早いところで23日になります。その日に有隣堂ランドマークプラザ店でサイン本を作りますので、おそらく24日には買えるようになるはずです。どうせならサイン付きを、とお考えの方は、ぜひ有隣堂ランドマークプラザ店にお越しください。
 ここのところ明るい話が続いていましたが、今回は最悪の読後感を残す話を目指しました。これまでも読後感が悪いと言われてきましたけど、過去の作品がほのぼのしていたと思えるほどひどい話ですので、そういう小説を読みたくない人は絶対に手に取らないでください。後で文句を言われても知りません。ただ、エロも暴力もありませんから、その点はご心配なく。
 次は5月に『被害者は誰?』の文庫が出ます。さらにその次は7月に『空白の叫び(上・下)』です。ちなみに、今月発売と予告されていた夕刊フジ連載をまとめたアンソロジーは発売延期になりました。単に作品をまとめるだけでなく、ある趣向をつける予定なのですが、そのために六人で集まる時間が作れずに(もっぱらぼくひとりのせいのような気がしますが)延期になってしまったのです。発売が決まったらここで発表します。

2月25日
 相談したその日に告知が載って驚いていますが(笑)、TRICK+TRAPにて3月25日に、新刊『愚行録』のサイン会を行います。まだ東京創元社に話を通してないんだけど、元社長の店だからいいのかな。
 この後しばらくサイン会をやるつもりはないので、当面これが最後となります。貫井の顔を見てやろうかという方は、どうぞお越しください。

2月13日
「公募ガイド」(公募ガイド社)3月号に、デビューに至るまでの経緯に関するインタビューが載っています。

1月31日
 新潮文庫オリジナルのアンソロジー『決断』に、「ストックホルムの埋み火」が収録されています。

1月26日
 今日発売の「週刊新潮」から、四回だけの短期連載が始まります。タイトルは「着信音」。警察小説競作ということで、ぼくも含めた四人の小説家が順番に連載をしています。ぼくはその三番目。でも、毎回主人公が捜査一課の刑事で、「マルガイ」とか「ゲンチャク」とか言ってるのも読者にしてみれば飽きるかなと思ったので、かなり変化球にしてみました。変化球過ぎてぜんぜん警察小説じゃなくなっちゃったけど。

 それと、『さよならの代わりに』のノベルスは、早いところでは今日店頭に並ぶはずです。もうお読みいただいている人ならご存じのとおり、この作品はSFミステリです。ただ四六判発売時は、版元の意向もあってSFであることを伏せて売りました。でもそれはぼくの意図したことではなく、心配していたとおり「最後まで読んだらSFだったのでがっかりした」という声も聞こえてきましたし、「こういう話なんだ」と人に説明しにくい作品にもなってしまいました。
 そこで、このノベルス版からはSFであることを公開します。最初にぼくが書いた形にプロローグも改めました。タイムトラベルを絡めたミステリだと説明してもネタバレになりませんから、四六判で読んで面白いと思ってくださった方はどんどん人に薦めてください。

1月1日
 明けましておめでとうございます。
 去年は文庫本一冊、単行本一冊しか出せませんでしたが、今年はたくさん本が出ます。予定しているだけで六冊、ちょっと気が向いて久しぶりに短編集を出そうかとも思っているので、もしかしたら七冊(出してくれる版元があればだけど)出せるかもしれません。取りあえず手始めに、今月下旬に『さよならの代わりに』をノベルズで出し直します。自作をノベルズにするのは初めてだけど、単行本が品切れ状態で、でもまだ文庫にするのは早いので、一度ノベルズにすることにしました。親本にちょっとだけ手を入れて(というか雑誌掲載バージョンに戻した)、その修正で全体の印象がずいぶん変わっているはずです。詳しいことは発売日が決まったら報告します。
 その次は三月に『愚行録』が出ます。その次は……、なんだろう、ともかくぽんぽんと出していくつもりなので、どうぞ今年もよろしくお願いします。

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