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続小型パワーアンプ                     小高@練馬

 

パワーTRのベース間にコンデンサを入れると、周囲のダイオードに依り、

逆電圧がチャージされ、AB級がB級に成って仕舞う現象は、 

 パワーTRの足に指で触れるとその症状が変わる事から、 

 高Hfe故のダーリントンパワーTRの単独発振と判明しました。 

対策として、20cmはあったパワーTRへの引き回しを10cm程度に短縮。 

 これに依り発振が止まり、B級になる症状が無くなりました。

その他、保険として、 

 パワーTRのBC間へ 22p 追加 と  

 出力グラウンド間へ 10Ωと0.047μのシリーズ 追加、

に依り、万全を期し、現在、安定に稼動しています。 

 又、その他に、(ジャンクトランス流用故に余儀なくされた、)

70Vから45Vを生成する定電圧部のTRが発熱気味となった為、 

 定電圧部入力に電圧ドロップ抵抗挿入の対策も行いました。

 

  最終回路図

 

この対策に依る、音質の変化は特に無かった為、本体の持参を止めた関係、 

 今回の会では音出しデモは行なわず、それ故、時間が余って仕舞ったので、 

 埋め草で、持参したLPでコンサートを行い、お茶を濁しました。

 

持参LPは発売当時、話題のPCM録音という事で購入したもので、 

 NHK/DENONの技術力をクレームする為のものだった様なのですが、 

 PCM録音機がDN−023Rとある丈で、通常のLPにクレジットされている筈の 

 録音環境、録音関係者等、の情報の類は、何故か全く書かれていませんでした。

(実は当時、針を下ろした瞬間、音の酷さに耐えられず、一寸聞いてお蔵入り、

然し、今回は年のせいか、音質が全く気にならず、聞く事が出来ました)

 

唯一判明しているPCM録音機に付いて調べてみると

 この録音機は72年発表のDENON DN−023R という8トラックディジタルMTR。

 (この録音は果敢にもその年に行われた様です)

 標本化周波数47.25kHz、量子化ビット数は13ビット。

 (13bitフルスイングで記録しませんので実質Dレンジは70dB程度でしょう)

 周波数帯域は盤のスペクトルから16kHzと推測。

 

そして、このLPに関しては、

 ラッカー盤は8トラックのディジタルMTRから、2TRトラックダウンマスターテープを経由せず

 ミクサーから直のカッティングで高音質を目指したとありました。 

 然し、55分もの長時間カッティング盤とした為に量子化ノイズの他に増大した針音ノイズも加わり、

 それが低音質化を更に決定付けてしまった可能性が高いと思われます。