テレビ好きの人間というのは、要はバラエティ番組好きではないかと思う今日この頃。バラエティ番組にもいろいろありますが、私はテレビ東京のバラエティ番組が妙に好きで、とくに「大食い選手権」には以前から目をつけていました。 参加者はただ食べる、ひたすらたくさん食べる、残さず平らげる。どこにでもありそうな街の食堂で、そば屋で、ラーメン屋で、ごく普通のメニューを飽きることなく食べつづける。そして、より多く食べた者が勝者となり次の店でまた食べる。勝ったところでまた食べなければならないだけなのに、なぜか参加者は勝とうとする。次の店に行けない敗者は心底残念そうで、かつ勝者に対して素直にその勝利を称える。なんという不思議な番組なのだろう・・・面白い。 さて、この面白さに他局が気がついたのかどうか、似たような番組が現れました。それが「フードバトルクラブ」という番組。そういえば数年前、スマップの剛君が主演していたドラマに「フードバトル」というのがありましたっけ。剛君は大食いチャンピオンで、賞金稼ぎのために大食いをしている、というドラマでした。そのドラマ同様、この「フードバトルクラブ」はスタジオで撮影し街に出ることはありません。また、チャンピオンには多額の賞金が出るようです。 「大食い選手権」「フードバトルクラブ」どちらにも出ている参加者がいます。どちらかにしか出でない人もいます。そして、2002年最初のチャンピオンはどちらの番組にも出ている白田君でした。 ある意味、これも面白い現象です。と言うのも、後発の「フードバトルクラブ」は、明らかにジャニーズ系アイドル顔の小林君をスターにしたがっているのが見ていてありありとわかるのですが、この小林君、以前は「大食い選手権」に出てチャンピオンになったものの、その後に行なわれた同番組にはディフェンディングチャンピオンにもかかわらず不参加を表明し、その数日後に放映された「フードバトルクラブ」には参加していたという経過があるんです。 明らかな「人材の引き抜き」、これを知っているのはテレビ好きな一部の人間だけでしょう。(私が大食い番組を欠かさず見ているのがバレバレです。) さて、テレビ番組評論家諸氏もこの2つの番組に言及した人は多かったようでが、新聞の投書欄で大食い番組は不愉快だという意見が相次ぎました。この競技の面白さが理解できない人にそう思われるのも無理はないでしょう。また、フードバトルクラブに出演していた司会者やゲストたちの中にも、理解していないと思われる人がいたのではなかったのか・・・そんな気がします。 ところで、あなたがもし偶然この番組をご覧になって不愉快に思ったとしたら、ちょっとお話したいことがあります。 大食いバトラー(大食い競技参加者のことをこう呼びます)たちは、食べ物を粗末にはしていません。肘をついてつまんなそうに食事をする世の中の多くの人たちや、テレビを見ながら新聞を読みながら何を食べているのかの自覚もないままダラダラと食事をする多くの人たちに比べ、彼らのなんといきいきと熱心に食べることか。とくに、チャンピオン白田君のなんとお行儀のいいことか。 そういえば、今回のフードバトルクラブでは、手首を骨折した大食い番組常連の高橋君がギブスをしながらフォークを使って不自由そうに食べていましたが、これは、箸またはフォークの使用が義務付けられたためです。前回放映された同番組でアイドル小林君がステーキを手づかみして食べたことへの反省からでしょう。アレを見たときはさすがの私も「それはやっちゃダメだよー」と思いましたモン。もちろん、老舗の「大食い選手権」ではそんな悪態は見たことがありません。 大食いの面白さをよくわかってない「フードバトルクラブ」も、さすがにお行儀が悪いのはNGということに気がついたようで、そんな発見もテレビ番組を見る面白さです。 |