とよたま愛読会122回
   
霊主体従 3巻 48章 〜 4巻 6」  
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            記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp


日 時  平成18年11月26(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
      連絡先 03-3321-3896、  03-3321-8644
物 語   霊主体従 3巻(寅の巻) 第48章 〜 4巻 卯の巻 第 6章

★ 報告
 師走の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。

*今年もまた、恒例の忘年会を、拝読会の後に予定しております。特に事前のお申し込みは必要ありません。また、忘年会のみの御参加も可能です。忘年会のみご参加の方は、十七時半ごろまでに豊玉分苑にお越しいただければと思います。 皆様のご参加をお待ちしております。

今回の拝読は、第三巻の後半から始まりました。
突然地の高天原から国直姫命が天上に帰還してしまったため、地上は混乱します。しかし国直姫命はひそかに、モスコーの従神・大道別と、南高山の姫・八島姫に邪神の計略を密かに探る使命を与え、高倉・旭という白狐の加護を与えます。  
地の高天原と竜宮城は、度重なる八王大神軍の攻撃を受け、各地の八王・八頭もほとんどが八王大神の影響を受けることになります。

八王大神の激しい攻撃に対して反撃した大八洲彦命以下の天使、真澄姫らの女神たちも、天地の律法に違反したと悪神によって訴えられてしまいます。国祖も律法を楯にした訴えをどうすることもできず、天使たちはそれぞれ、万寿山とエデンの園に押し込められてしまいました。
  
国祖は次に、天上から金神の長である大将軍・沢田彦命らの一派を降し、地の高天原の統治者に据えました。しかし沢田彦命には統治者たる力はありませんでした。  
沢田彦命の妻・沢田姫命や、一派の重臣・真心彦の息子たちは、なんとか神政を元に返そうと奮闘しますが、桃上彦らが聖地の混乱に拍車をかけます。  

八王大神の勢いはすさまじく、ついに八王・八頭らを糾合して、反国祖の連合を作り、常世城で自分たちの意見を押し通すための会議を開きます。  

聖地の執政となった真心彦の長男・広宗彦は八王大神の脅迫的な会議招集への対応に悩みますが、そこへ大道別からの信書が届きます。常世城には大道別らがすでに深く潜入し、必ず邪神のたくらみは覆されるであろう、との知らせでした。広宗彦は意を決して、弟・行成彦を常世会議に派遣します。  

果たして常世会議は始まるやいなや、怪事の続出で、強圧的に神々を屈服させようとした八王大神らの演出は、ことごとく茶化されてしまうことになります。

 第三巻の四十三章で、大八洲彦命、言霊別命、神国別命、大足彦命ら四天使たちが、国大立之命の四魂であることが明かされます。国大立之命は、天神から大海原の統治を任命された神である、と説明があります。  

次の四十四章では、万寿山に蟄居した四天使の祈りによるご守護を、「須佐之男大神のご守護」と表現しています。大海原をしろしめす神、ということを考え合わせても、国大立之命とは、須佐之男大神の別名であるのでしょうか。  
国大立之命は、第二巻の総説で稚桜姫命と並んで、人間姿で活動された最初の神である、と登場しています。そして第三巻の第一章では、国大立之命は豊国姫命が月天使となったときの名である、とあります。  

豊国姫命は国祖の補佐神である豊雲野命にほかなりません(第二巻総説の註)。豊国姫命は律法の制定意外に目立ったご活動が記されていませんでしたが、四天使たちのお働きが豊国姫命の四魂であるとしますと、逆に非常に重要なご活動をされていたということがわかるかと思います。

 

★ 拝読箇所で気のついたこと
霊主体従 寅の巻
第九篇 隠神の活動
第38章 四十八滝(138)

* 長高山を出た道彦は、白狐・高倉の後を追って東北に進み、氷の張り詰めた開教を渡ってアラスカの高白山の谷間にやってきた。

* すると、高白山の主将である荒熊彦(長白山の清照彦の実父)が谷底に落ちて重傷を負っているところに出くわした。

* 道彦は高倉の助けによって荒熊彦を谷から救い上げた。この功により、荒熊彦から信頼されて、聾唖痴呆の従僕となって高白山に仕えることになった。

* 高白山の重臣・八十熊別は実は、常世姫の間者で、長い間密かに高白山に潜んで機会をうかがっていた。

* ときしも、ローマの戦いに敗れた言霊別命が、高白山に忍んできた。言霊別命は常世の国に捕虜として送られたが、言代別命によって救われ、密かに高白山に身を隠したのである(言霊別命の妹は、荒熊彦の実の息子・清照彦に嫁いでいるため、荒熊彦とは縁戚にあたる)。

* 言霊別命は名を変えて高白山の「賓客」として潜伏していたが、八十熊別は醜女の報告によってこのことを知ると、荒熊彦・言霊別命を毒殺しようと企んだ。

* しかし道彦がその計略を暴くと、八十熊別は部下の邪軍に荒熊彦・言霊別命を襲わせた。道彦は高倉の術の助けを借りて、邪軍をさんざんに打ち負かした。そして逃げようとする八十熊別を倒した。

* 言霊別命はしばらく地の高天原にも居所を隠し、高白山の主将となった。道彦は活躍の後、またしても高白山から姿をくらました。

第39章 乗合舟(139)
* 道彦は高白山を出てから、常世の国・スペリオル湖の北岸に出で、ロッキー山に向かって渡し船に乗り合わせた。

* 船の中には、長高山で行き分かれた八島姫も乗り合わせていた。八島姫は船の中で南高山の従神に見つかり、父母兄の困窮を聞かされる。国直姫命から授かった神命と、父母兄弟への思いの間で苦しむのであった。

* 道彦は姫を認めたが、ついに正体を明かさずに船を降りた。一方、南高山の従神に国に帰るように詰め寄られた八島姫は進退窮まるが、白狐が姫の身代わりとなって現れ、本物の八島姫はその場を逃れることができた。

* 従神はそうとは知らずに姫の身代わりを南高山に連れて帰るが、身代わりの姫の帰城に安心した父・大島別は病気本復し、後日神政成就の神業に参加することになる。

* 一方、道彦は常世城に従僕となって八王大神の側近く仕え、悪神の計画を探知することになる。一方本物の八島姫も常世城に潜入して常世姫の侍女となり、邪神の計画一切を探って後に偉勲を立てることになる。

第十篇 神政の破壊
第40章 国の広宮(140)

* 国直姫命が突然昇天した後、地の高天原は混乱に陥っていた。
* 大八洲彦命らは神殿を造営し、国直姫命の神霊を奉安して神助を得、地の高天原を収拾しようとした。

* しかし竜山別一派は神殿造営に極力反対した。しかし神国別らの重臣たちも神殿造営に賛成したため、天の原という清浄の地に、国の広宮という神殿が造営された。

* 造営が終わると、たちまち神殿が鳴動して美山彦、竜山別らの一派を強烈な光線が照らし出した。すると、彼らの身体からは悪狐・悪狸らが数限りなく飛び出して、どこかへ逃げてしまった。

* 美山彦らは内なる悪を暴かれてすごすごと立ち去ったが、第二の策略をめぐらしていた。

第41章 二神の帰城(141)
* 美山彦一派は地の高天原を占領し、国の広宮を破壊するために、大国彦・常世彦と手を結んだ。大国彦・常世彦の軍勢は大挙して攻め寄せると、国の広宮を破壊してしまった。

* なおも美山彦は、大八洲彦命に代えて竜山別を天使長にしようと運動し、言霊姫命、真澄姫を説きつけて、常世姫を竜宮城に迎えれば、常世の国の捕虜となっている言霊別命(言霊姫命の夫)、大足別(真澄姫の夫)は解放されるだろう、と迫った。

* しかしそこに、大足別、言霊別命が帰還したために、美山彦らの策略は暴かれて破れたが、美山彦らは厚顔にも一向に懲りず、大国彦・常世彦らに通じて、なおも地の高天原を転覆しようと企んでいた。

第42章 常世会議(142)
* 美山彦の一派は何とかして大八洲彦命、言霊別命らを追い落とそうとして、邪神の部下たちを先導に、言霊別命・大足彦らの悪評を宣伝させた。

* また、各山の八王・八頭たちのほとんどを篭絡し、言霊別命に対して反抗的態度を取らせることに成功した。彼らを常世城に集めた常世彦は、反大八洲彦命の団体を作り上げてしまった。

* 大八洲彦命は常世彦に対して使者を送り、非道を戒めたが、八王・八頭の大多数を味方につけた常世彦はにべもなく撥ね付けた。

* ただ、万寿山の磐楠彦と、天山の斎代彦が、常世彦に組せずに神政を守っているのみであった。手撫土(=艮の金神)、足撫土(=坤の金神)が守る十二の宝座も、十までは常世彦に奪われてしまったのである。

* 八乙女(万寿山・天山の八王神夫妻・八頭神夫妻ら八名)のみが、国大立命の加護によって、邪神の難を免れたのである。古書にある「八乙女」とは、この八王(やお)と女神のことである。

第43章 配所の月(143)
* 世界の八王のほとんどを支配下に置いた八王大神は、竜宮城・エルサレムに対して総攻撃を開始した。

* 敵軍の勢いはすさまじく、大八洲彦命、神国別命、大足彦、八島別らの奮戦もむなしく、落城の瀬戸際に陥ってしまった。大八洲彦命は国祖の前に畏まり、敵を撃退するために、神器の使用を願い出た。

* 国祖はあくまで律法によって敵を言向け和すことを命じ、神器の使用を許さなかった。地の高天原の内部は分裂し、美山彦一派が八王大神と内通して敵を招きいれた。

* ここに及んで大八洲彦命は国祖の禁を破って、破軍の剣を抜き放った。剣より神光が現れて雷鳴・電光・疾風がすさび、敵軍は壊滅した。

* 美山彦一派はここぞとばかり、大八洲彦命が国祖の禁を犯したことを訴え出た。国祖も律法を楯にした美山彦らの訴えを退けることができず、やむを得ずに大八洲彦命、言霊別命、神国別命、大足彦らを万寿山に蟄居させることになった。

* この四柱は元来、国大立之命の四魂である。国大立之命は、天神から大海原の国を治めるように命じられ、その四魂を分かち、神界の守護に当たらせていたのであった。大八洲彦命は和魂、言霊別命は幸魂、大足彦命は荒魂、神国別命は奇魂である。

第十一篇 新規蒔直し
第44章 可賀天下(144)

* 国祖は地の高天原の役職について、天上より高照姫命を降して宰相とし、天使長とした。また真澄姫、言霊姫、竜世姫らを天使と定めた。

* この新体制により、八王たちは八王大神の支配を離れて高照姫命に帰順したため、一時は世界は前にもまして平和に治まることとなった。加えて、竜宮城の三重の金殿から顕国の御玉の霊光が発揮して邪神を照らし、地の高天原と竜宮城に神威をますます加えた。

* 顕国の御玉の霊威は、万寿山に退去した四神の祈念の力によるものであった。しかし高照姫命以下地の高天原・竜宮城の神々は、須佐之男大神のご守護の賜物であることを悟らず、慢心したために、徐々に世界には不平不満の声が満ちてくるようになった。

* ここにいたって八王大神は、大国彦とはかって各地の八王・八頭に邪霊を憑依させ、再び聖地に反逆させることに成功した。八王大神らが再度聖地に攻め寄せると、高照姫命らは軍事力でこれに対抗し、国祖の戒めを無視して戦いを続けたために、聖地は戦乱によって悲惨を極めた。

* 激しい戦いの末、神器の威力もあって地の高天原軍が勝利するが、東北から強風が突如として吹き起こり、聖地聖城を倒壊させ、甚大な被害が生じた。また洪水が氾濫して竜宮城は水没するほどになってしまった。

 * 神々は国祖の神勅をないがしろにした報いであろうと謝罪の天津祝詞を必死で称えたが、天変地異は一向に収まる気配がなかった。

第45章 猿猴と渋柿(145)
* 聖地の天変地異が一向に収まらない中、国照姫らは国祖に高照姫命らを律法違反で訴えた。国祖はまたしても、自ら定めた律法に背くわけにもいかず、四柱の天使たちをエデンの園に追放した。これにより、聖地の天変地異はぴたりと収まった。

* ちなみに高照姫命は金勝要神の和魂であり、真澄姫命は幸魂、言霊姫命は荒魂、竜世姫命は奇魂である。金勝要神は大地神界の根神であったが、自我心が頑強であったためにエデンの園に押し込められ、次いで地底の穢き国に墜落して、三千年の辛苦を嘗めることになった。

* 邪神たちは、跡継ぎの天使長は八王大神・常世彦が任命されるであろうと期待していたが、国祖は天から沢田彦命を降し、天使長に任命した。沢田彦命は金神の首領にして、大将軍と称せられる神である。

* 天使には、同じく天より降した沢田彦命一派の真心彦らを任じた。

 * 真心彦の部下、百照彦は、主人を慰めようと日夜焦慮していた。

第46章 探湯の神事(146)
* 百照彦の妻・春子姫は天上界で天人の舞曲に通じた芸能神であった。百照彦・春子姫は、主人・真心彦を慰めるために天人の舞曲を披露したが、真心彦は春子姫の舞曲に心をとろかし、神務をないがしろにするほどになった。

* その結果、真心彦と春子姫の間柄に面白からぬ噂が立つことになった。国祖は真心彦・春子姫を呼んで事の真偽を詰問した。すると春子姫に稚桜姫命が降臨し、探湯の神事を行って潔白を証明するように、と託宣した。

* 探湯の結果、二人の潔白が証明されたが、真心彦は舞曲に耽溺して神事をおろそかにした罪を恥じて、天使の職を辞することになった。

第47章 夫婦の大道(147)
* 辞職した真心彦は謹慎していたが、やがて精神に異常をきたして自刃して果てた。

* 神々らは真心彦の長子・広宗彦を天使に推し、国祖に承認された。広宗彦は仁慈をもって下に臨んだため、神界はこれまでにないほどよく平和に治まった。

* 真心彦の未亡人・事足姫は後添えを迎え、桃上彦をもうけた。桃上彦も仁慈深い神であったため、広宗彦はこの父違いの弟を自分の補佐として抜擢した。

* しかし時が経つにつれて桃上彦は邪神に魅入られ、兄の地位を奪おうと画策するにいたった。桃上彦は民には偽りの慈悲を施し、自分に反対するものは容赦なく排除した。そのために次第に神人らは律法を軽んずるようになり、たちまち世は乱れてしまった。

* これは八王大神が邪神を桃上彦に憑依させ、国祖の治世を足元から転覆させようという企みであった。しかし桃上彦の母・事足姫も、不貞によって桃上彦を生んだために、桃上彦の精神に邪悪な影響を及ぼしたことも原因であった。

* これはげに、律法を軽んじて体主霊従の心持・行いをなした結果である。

* 桃上彦は八十猛彦、百猛彦を寵愛して野心をますますたくましくしていた。後に神界では、桃上彦を大曲津神と呼ぶに至ることになる。

第48章 常世の闇(148)
* そのほかにも、真心彦が帰幽した後に従者・国比古の態度が一変し、広宗彦や事足姫を軽んじて自由行動を取り、そのために神々を混乱に陥れた。国比古の三人の息子はなんとかして父を正道に帰そうと努力を続け、その魂は生き変わり死に変わり、神界にて神政成就のための大活動を今も続けているという。

* 一方広宗彦は弟・桃上彦の悪行に悩まされることになるが、広宗彦は温柔な性質で、弟を戒めることができなかった。

* 天使長・沢田彦命の妻・沢田姫命は、部下の出雲姫とともに神業に奉仕し、現在に至るまで苦難をなめながらも、必死の活動を続けているという。

第49章 袖手傍観(149)
* 天地の律法が崩壊した後も、天使長・沢田彦命は事態を傍観し、妻に態度を改めて神業に奉仕するよう諫言されると、妻子・役職を捨てて、勝手に天上に帰還してしまった。

* 沢田彦命は最後は天の八衝に現れて、猛悪な魔神となってしまった。

第十二篇 霊力体
第50章 安息日(150)

* 天地の剖判に先立って、宇宙の大元霊である無声・無形の一神があった。これを神典では天之御中主大神という。神界では、大六合常立尊と称える。

* 西洋ではゴッド、仏教では阿弥陀如来、中国では天帝・天主というも、みな同じである。

* ここでは仮に、天主という言葉を使う。

* 天主は過去現在未来に一貫して、無限絶対無始無終の大神霊である。そして、その絶対の霊威を発揮することによって、宇宙の一切万有を創造したのである。

* 大宇宙の太初、きわめて不完全な霊素が出現し、それが次第に発達して霊の活用を発生するまでの歳月は、ほとんど十億年を費やしている。これを神界ではヒツカ(一日)という。

* 次に霊の発動力である霊体(幽体)なるものが、宇宙間に出現した。これをチカラと称える。チは霊または火、カラは元素である。この宇宙に元素が活用するまでにいたる歳月は、また十億年を費やしている。神界ではこの十億年をフツカ(二日)という。

* 次にこの元素に霊気が発生して、現顕の物体を形成するに至るまでの歳月は、また大略十億年を要している。これがミツカ(三日)である。つまりミツカまでの間に、霊、力、体の三大勢力が発揮して、無数の固形体や液体が出現したのである。

* 次の十億年で、太陽、太陰、大地、諸星が発生した。これがヨツカ(四日)である。

* 次の十億年で、動植物の種(生命?)が天地の間に現出した。これがイツカ(五日)である。

* さらに六億年を経て、宇宙一切の万物に水火の活用が加わり、森羅万象の大根源が確立した。この六億年間をムユカ(六日)という。

* こうして、天主は宇宙一切をムユカのうちに創造された(五十六億年間)。そのあと天主は一大金剛力を発揮して世界を修理固成し、完全無欠の理想世界である五六七の神代・松の世を建設される。その工程が七千万年であり、これがナナカ(七日)である。

* ナナカの神霊の活用が完了した暁には、至善至美至真の宇宙が完成する。これが安息日(ナナカ)である。安息日の七千万年は、宇宙の創造が終わった後に、それを修理固成するために活動する時代のことである。

* 幸いなことに、五六七の歳月もほとんど満期に近づいている。現代はその過渡的な時代である。

* ナナカメ(七日目)の言霊:
  ・ナは宇宙万有一切を兼ねて統一する、ということ。
    ◎(ス)の凝る形であり、行き届く言霊、天国の経綸を地上に移すこと。
    ◎(ス)の確定、調理、成就。水素の形。押し鎮める言霊の活用。
  ・カは乾かし固める活用。晴れて見る。一切の物の発生の神力。巧妙となる活用。
  ・メは世界を見るの活用。起こり初める。本性を移し、女子を生み、天岩戸を開き、草木の芽、眼目となる活用。

「あとがき」
* 本巻の前半は、亀岡の瑞祥閣で口述された。後半は綾部の竜宮館である。

* 谷口正治氏が第二巻完了とともに、出口教祖伝編集のために、筆録者から抜けている。

* 盤古大神は、支那の人民が天王聖母として尊崇する盤古大神のことである。盤古大神は体主霊従(われよし)、国常立命は霊主体従(ひのもと)である。本書では国常立尊は、「国治立命」と申し上げている。

* 大自在天は力主体霊(つよいものがち)である。バラモン教徒が言う世界の造物主である。仏教で大自在天と命名された神である。

* 常世の国は、海外の絶域を指している。日本から見ればアメリカが常世であり、アメリカから見れば日本が常世である。

 

霊主体従 卯の巻
序文

* 本巻は主として、常世会議の結末と、国祖御退隠の大略を述べている。
* 第五巻以降で、盤古大神の神政となり、天の三柱の大神が地上に降臨して淤能碁呂島から神業を始め、国魂の神を生みたもうた経緯になる。
* そのため、第四巻までは、我が日の本を中心とする霊界の物語ではない。

総説
* 神言にあるように、古来神々は天の八洲の河原に集って神界の一大事を協議された。その際、神の第一の生命というべき言霊を極力応用されたのである。
* 本巻は主として、常世城における太古の神人の会議について述べている。神々は言葉を持って生命としているので、議論が延々と続いているのも不思議はない。
* 宇宙中にも、大神の言霊が常に鳴り響いていて、止まないのである。ただ常人の耳に聞こえていないだけである。
* ゆえに、神々の会議である常世会議で、議論が百出したとしてもやむをえない次第である。ここにはただ、そのうちの一部を述べたに過ぎない。人知ではとうてい神々の行為を完全にうかがい知ることは不可能であることを知るべきである。

第一篇 八州の川浪
第1章 常世会議(151)
* 国治立命は何度も聖地の主任の神を変えたが、ことごとく失敗していた。しかし剛直な国治立命は、天地の律法を厳守することを部下に命じ続けた。

* 八王大神・常世彦は世界の八王・八頭を常世城に招集し、聯合を作った。また、大自在天・大国彦とはかって世界神人の国魂会議を開き、国治立命を糾弾しようとした。

* 八王・八頭のうち、八王大神に屈しなかったのは万寿山だけであった。八王大神は万寿山に使者を送って脅迫した。曰く、常世会議に参加しなければ、万寿山を総攻撃する、と。

* 八王である磐楠彦や万寿山に蟄居していた大八洲彦命らは、万寿山が常世会議に代表を出席させることに反対した。一方、八頭の瑞穂別は万寿山安泰のために、参加を主張した。

* 万寿山の八王・磐楠彦は瑞穂別に命じて、神示を請うことにした。結果は参加すべきではない、との厳命であった。瑞穂別は神慮に反する主張をした前非を悔い、万寿山は一致して常世会議への反対を表明し、八王大神に不参加を通告した。

第2章 聖地の会議(152)
* 一方、地の高天原も八王大神より会議招集の使者を受けて、広宗彦命らは協議を行った。広宗彦命は、地の高天原が荒れ果てて機能しなくなっており、世界の再統一に心を砕いていた折から、常世会議に賛成の意を表した。

* 広宗彦は常世会議出席にあたり、神々を大々的に集めて神前会議を開いた。広宗彦の母・事足姫は、常世彦がこれまで聖地に対して犯してきた罪悪を考慮し、常世会議に反対の意を表明した。

* 広宗彦は板ばさみになりつつも、弟・行成彦をどうしても会議に出席させようと決心したが、常世の国から「大道別の使者」として現れた霊鷹の信書を見て、一時議席を退出してしまった。

第3章 使臣の派遣(153)
* 広宗彦に送られてきた大道別の信書には、大道別一行が常世城に潜入しており、白狐の加護をもって邪神の計画を転覆させるつもりなので、安心して会議に使者を派遣するべし、とあった。

* 広宗彦はその意を汲んで、弟・行成彦を地の高天原代表として、会議に派遣することを決定した。

第4章 乱暴な提案(154)
 * 常世城の大広間に、世界中の勢力の代表者を集めた常世会議が開会した。常世彦は美山彦を従えて壇上に現れ、根本的な世界の改造がこの会議の目的であると宣言し、また唯一不参加の万寿山の非を責め立てた。

* 大国彦の重臣・大鷹彦は、神界の争乱を根絶するためにはまず、八王・八頭を廃止するべし、と述べ立てた。あまりの提案に一同はしんとなったが、場外には八王大神配下の猛獣の声や鳥船の音がやかましく鳴り響き、強圧的な雰囲気があった。

* 八王大神の威勢を恐れて誰も発言しない中、聖地の使者・行成彦が悠々と登壇した。

第5章 議場の混乱(155)
* 行成彦は国祖が選定した八王・八頭を廃するなどという意見には絶対反対である、と憤然と述べ立てた。
* 八王大神は怒りに駆られて怒号し、行成彦を怒鳴りたてた。行成彦が反対意見を述べようと再び登壇するのを、八王大神は蹴り落とそうとした。

* すると従者の道彦(大道別)が八王大神の腕をつかんで諌める振りをすると、八王大神は強力に締め上げられてその場に倒れてしまった。大鷹彦、美山彦はただちに駆け寄って、道彦を壇上から蹴り落とした。

* ところが道彦の姿は煙と消え、代わりに壇の下に倒れて苦しんでいるのは、行成彦であった。八王大神はやっと立ち上がると、倒れている行成彦をはねのけようとした。すると行成彦の体から数個の玉が現れて、玉は天上へ昇って消えてしまった。

* しかして、実際の行成彦は最初から自分の席に座ったままであった。また、道彦は八王大神の館の正門を守っており、会議の場にはいなかったのである。

第6章 怪また怪(156)
* 美山彦・国照姫は聖地の内情に通じていたので、壇上に上がって聖地の不祥事を暴露し、嘲笑した。

* 聖地の代表である出雲姫、猿田姫は怒って国照姫を壇上から引き摺り下ろし、また国照姫の部下たちを相手に乱闘を演じた。美山彦らは出雲姫、猿田姫を捕らえて縛り、聖地の神々の乱暴な性質を非難した。しかしよく見ると、なぜかそれは八王大神の寵女である春日姫と八島姫であった。

* 青雲山の八頭・吾妻彦は憤然として登壇し、美山彦・国照姫が聖地の神々の悪口をさんざん説きたてたが、乱暴狼藉を働いたのは八王大神側の神々ではないか、と責め立てた。そして悪神・八王大神を懲罰せよ、と呼びかけた。

* 魔我彦は怒って壇上に上ると、吾妻彦に斬りつけた。吾妻彦は頭上から斬りつけられたかと見えたが、一条の白煙が立ち上ると、吾妻彦の姿は消えうせた。魔我彦の刀は自分の足を傷つけ、その場に倒れてしまった。魔我彦は看護室に運び込まれる騒ぎとなった。

* しかし実際の吾妻彦は自分の席で居眠りをしていたのである。また、縛り上げられた春日姫、八島姫の姿もどこかに消えてしまっていた。

* かくして、第一回の会議は紛糾のうちに閉会となった。続いて第二回の会議はどのようなことが起こるのだろうか。

 

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