とよたま愛読会137回
    「
霊主体従 10巻 4章 〜 15」    [前回 レポートへ] [次回レポートへ]
     記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp


日 時  平成20年 2月24(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
     連絡先 03-3321-3896、  03-3321-8644
     
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
物 語   霊主体従 10巻
(酉の巻) 4章:
鬼鼻団子 〜 15章:言霊別

★ 報告
 春一番の荒れた天候の中でしたが、愛読会は第十巻の十一章分を拝読しました。

 ロッキー山に偽伊弉冊命・偽日の出神と現れた、大自在天大国彦・大国姫らは、自らの野心を実現するために、黄泉島の制圧を狙っていました。
それを阻止しようとする伊弉諾命は、黄泉比良坂に向かって進軍します。
黄泉比良坂の戦いには、桃上彦の娘である松・竹・梅の三姉妹が重要な役割を担うと知った大国姫は、三人を捕らえようとしますが、鬼武彦らの活躍で失敗します。
常世国には、照彦、淤藤山津見が進んで来ます。
三五教に改心した部将・固虎と淤藤山津見は、ロッキー山の場内に潜入して行きます。

第一五章では、国治立命による地上神界の創造から、ここまでに至る物語が要約されています。
そして、霊界物語が時空・現幽を超越した視点から語られているものであることに、注意が喚起されています。
 

★ 拝読箇所で気のついたこと           
霊主体従 酉の巻
第一篇 千軍万馬
第四章 鬼鼻団子(434)

* 松、竹、梅の三姉妹は、常世神王(広国別による影武者)の覚えめでたく、側近く仕えることになった。
 竹山彦も昇格し、鷹取別と同列の大臣扱いとなった。

* 松代姫は、ロッキー山に現れた伊弉冊命様を慕って常世国へ宣伝にやってきた、と言うと、常世神王は、伊弉冊命はロッキー山でウラル教を開いたのだ、としたり顔に偽りを言う。

* そこへ、ロッキー山の使いとして、美山別と国玉姫がやってきた、という報せが届いた。
 常世神王は、鷹取別に神使と面会するよう命じると、自分は三姉妹を従えて寝殿に下がって休んだ。

* 鷹取別、竹山彦、遠山別の三人は神使に面会したが、ロッキー山の伊弉冊命の命令は、松・竹・梅の三姉妹をロッキー山に差し出せ、というものであった。
 

第五章 狐々怪々(435)
* ロッキー山の命令を聞いた常世神王は、お気に入りの三姉妹を差し出すのに忍びず、身代わりとして、間の国の春山彦の三人娘を差し出そうとする。
 早速遠山別が三人娘を迎えに間の国へと出立した。

* そこへ、間の国で捕らえた三五教の宣伝使・照彦が護送されてきた。
 照彦は護送の駕籠からでると、座敷にどっかと座して常世城の没落を不適にも予言すると、笑い声と共にどこかへ消えてしまった。

* 一同はあっけに取られたが、竹山彦は狐のいたずらであろう、と笑っている。

* そこへ門番の蟹彦が、照彦が門前で現れて暴れている、と注進があった。
 急いで駆けつけると、そこには誰もおらず、ただ月が皓皓と照っているのみであった。

* 彼方の森からは狐の鳴き声が聞こえてくる。
 

第六章 額の裏(436)
* 一同が照彦が消えてしまったことを不審に思っていると、欄間にかかっている額の裏から、唸り声が聞こえてきた。

* 一同が驚いていると、声は照彦を取り逃がした中依別の失態をあげつらい出した。
 照山彦が木刀で額を打つと、声は今度は別の方角から聞こえてきた。

* そして、ロッキー山の偽伊弉冊命の計略や、常世神王も広国別の影武者であることを暴露して、声は消えてしまった。

* 固虎、蟹彦は声に馬鹿にされて、常世城への不満をひそひそと語り合っている。
 それを聞きつけた竹山彦ら上役が、二人をしかりつけているところへ、間の国から春山彦の三人娘を送り届けてきたという使いが返ってきた。

* 一同は、遠山別がそんなに早く間の国へ行って往復してこれるはずがない、と不審に思い、門を開けると、そこには誰もいなかった。
 

第七章 思はぬ光栄(437)
* わけのわからない事態がつぎつぎに起こり、中依別は、照彦がいなくなってしまった失態を、門番の固虎、赤熊に着せようとして詰問し始めた。

* 竹山彦は、照彦を逃がした失態の責任は、中依別が取るべきである、として、中依別に辞職を促した。

* 蟹彦は竹山彦の審判に喝采し、馬鹿口をたたいて中依別を罵り始めた。
 竹山彦は蟹彦をたしなめ、罰として門番を罷免し、常世神王の側付きに任命する、とおかしなことを言い出した。

* その場はひとまず、蟹彦・赤熊の二人は門番として戻ることになった。
 すると、間の国から本物の遠山別が、月・雪・花の三人娘を連れて帰って来た。
 

第八章 善悪不可解(438)
* 蟹彦は遠山別の到着を注進に行き、上司たちを相手に馬鹿口を叩いている。

* 常世神王は奥の間から出てきて、遠山別の労をねぎらった。するとどこからともなく声が響き、一同に、足元に注意せよ、と呼ばわった。

* 常世神王はじめ一同が気がつくと、みな常世城の馬場にへたりこんで、泥にまみれている。
 

第九章 尻藍(439)
* 松・竹・梅の宣伝使は、間の国を立ち出でて、目の国を宣伝しながら、常世の国へ向かって北上していた。

* 川田の町の十字街で、ばったりと淤藤山津見に出くわした。
 一同は森の中に行って休息し、そこでこれまでの宣伝の旅について話をしようということになった。

* すると、騒々しい物音が聞こえてきた。見ると、宣伝歌を歌う人物が、数百人に取り囲まれている。
 三姉妹と淤藤山津見は、群集に紛れて様子を見ると、一人の男が小高い巌の上に立って、説教をしている。

* 群集の中から色黒の大男が現れて、常世城の牛雲別と名乗ると、宣伝使に降伏しろ、と怒鳴りつけた。

* 宣伝使は牛雲別を上回る大声で、ウラル教徒をしかりつけ、三五教への改心を迫った。
 その言霊に、牛雲別の手下らは肝をひしがれて、しゃがみこんでしまった。

* 牛雲別が宣伝使に打ってかかると、宣伝使はひらりとかわして、牛雲別の足をさらえた。
 牛雲別はもんどりうって倒れてしまった。
 群集の中から、蟹雲別と名乗るもう一人が宣伝使に打ちかかると、宣伝使は蟹雲別をひっつかんで、牛雲別の上に吊り下げてしまった。
 

第十章 注目国(440)
* 牛雲別と蟹雲別は、群集をかきわけてこそこそと逃げてしまった。

* 宣伝使は蚊ヶ虎(珍山彦)であった。
 蚊ヶ虎は声を張り上げて、常世城内の失態を暴露し、群集に目を覚まして三五教に改心せよ、と説教を続けている。

* 淤藤山津見が宣伝歌を歌うと、群集の中の牛雲別の手下どもは縮み上がってしまった。
 蚊ヶ虎は淤藤山津見に気づいて声をかけた。
 そして、五人の宣伝使は合わせて宣伝歌を歌い始めた。

* 群集たちはその言霊に打たれてつられて宣伝歌を歌い始めた。
 縮み上がっていた者らも立ち上がり、嬉し涙に歌い舞い踊る。

* これより、この国の神人は三五教に改心することとなった。
 この国には、今に至るまで珍山彦の血縁が伝わると聞く。
 

第一一章 狐火(441)
* 一同は、常世の国の南東のカリガネ半島に上陸した。
 一同がこれまでの旅程を話し合っていると、前方より人馬の物音が聞こえてきた。

* 常世城が宣伝使捕縛のために使わした軍隊であった。
 この軍を指揮していたのは、固虎であった。
 固虎は一同を取り囲み、上空からは天の鳥船で天を覆い、宣伝使たちを威嚇した。

* 珍山彦は吹き出して、爆弾を投下するならやってみよ、と怒鳴り返すと、懐から火打ちを出して、枯れ葉につけた。
 珍山彦の焚き火は、常世城の爆撃の合図と同じであった。

* 固虎は自分たちが爆撃されてしまうのを恐れて、慌てて珍山彦の焚き火を消すように部下たちに下知した。
 しかし三姉妹たちが、向かってくる兵士たちを掴んでカリガネ湾にどんどん放り込む。

* 上空の鳥船は、珍山彦の焚き火を合図と勘違いし、次々に爆弾を投下し始めた。
 味方の爆弾で、固虎の兵士たちは死傷して、惨憺たる光景を表した。

* 固虎軍の兵士たちは、口々に降参と改心を申し出る。宣伝使たちが宣伝歌を歌い始めると、固虎をはじめとする兵士たちも歌い舞い始めた。
 知らず知らずに、爆弾で破れた体も元に戻り、負傷の跡形もなくなっていた。

* 固虎は翻然として悟り、三五教に改心して、ロッキー山への道案内を務めることとなった。
 固虎は後に、固山津見という神名をいただき、大活躍をすることになる。
 

第一二章 山上瞰下(442)
* 一行は固虎の案内で、シラ山山脈を越えている。ロッキー山は西にそびえている。

* 珍山彦は淤藤山津見に、ロッキー山の伊弉冊命が本物かどうか、問いかけている。
 淤藤山津見は竜宮城で別れるときに、伊弉冊命が「ロッキー山に行く」と言っていたことを信じていた。

* 固虎も常世の国の人民一般は、ロッキー山に現れたのが真の伊弉冊命であると信じている、と言う。

* 珍山彦は、神様の経綸は表もあり裏もある、と言って、注意を促す。
 また、ロッキー山に行ってみて、現実が思っていたとおりと違っていても、信仰をぐらつかせることがあってはならない、と諭した。

* 固虎は、昨冬にここにいる松・竹・梅と同じ名前の宣伝使が常世城に囚われてきて、そのときの騒動で自分は門番から上役に変えられた、とこれまでの経緯を語った。

* すると、ロッキー山の方から鬨の声が聞こえてきた。
 一行はシラ山の山頂でそれぞれ袂を分かち、各自行動することになった。
 

第一三章 蟹の将軍(443)
* 淤藤山津見は固虎を案内者としてロッキー山に向かった。
 ロッキー山に着いてみると、多数の魔軍は武装を整え、今や出陣せんとする真っ最中であった。

* 淤藤山津見は固虎を偵察に使わした。
 偵察に赴いた固虎は、城門で蟹彦にばったりと出くわした。

* 蟹彦はやはり門番から上役に変えられて、将軍となっていたのであった。
 蟹彦は、出陣の理由を語って聞かせた。

* 天教山から伊弉諾命が黄泉島に現れ、黄泉比良坂に向かって軍勢を率いて出陣してきたので、常世の国にとって重要な地点である黄泉比良坂を守るために、ロッキー山の「伊弉冊命」が出陣を命じたのだ、と語った。

* さらに蟹彦は、ロッキー山の伊弉冊命は実は、大自在天の妻・大国姫命であり、ロッキー山の日の出神は、大自在天・大国彦命が化けているのだ、と明かした。
 そうして、広国別が常世城で常世神王に化けているのだ、と語った。

* そして、蟹彦は、実は聖地エルサレムの家来・竹島彦命であり、大自在天常世神王の命によって、わざと横歩きをして門番と化けていたのだ、と素性を明かした。

* 蟹彦の竹島彦命は、今回の出陣の総大将を命じられている、という。
 そして、今回の戦いには松・竹・梅の三宣伝使が三個の桃の実としてどうしても必要であり、三個の桃の実がなければ、この戦いは勝ち目がないのだ、と秘密を明かし、出陣の準備に行ってしまった。

* 固虎は淤藤山津見のところへ戻って、委細を詳しく報告した。
 淤藤山津見は、ロッキー山の秘密が珍山彦の神懸りで託宣されたとおりであるので、驚き、かつ託宣を疑っていた自分を恥じた。

* ロッキー山からは、蟹彦を総大将とした軍勢が次々と出陣していく。
 ロッキー山側は、国玉姫、田糸姫、杵築姫を偽の三個の桃の実に扮して、桃の実隊を組織している。

* 二人が軍勢の様子を見ていると、木霊の中に宣伝歌が聞こえてきた。
 

第一四章 松風の音(444)
* 宣伝歌の主は、珍山彦と松・竹・梅の宣伝使であった。
 淤藤山津見は、固虎の報告を伝え、一刻も早く松・竹・梅の宣伝使を黄泉比良坂の戦いに役立てなければ、と焦りを伝えた。

* 珍山彦は泰然として、松・竹・梅の三宣伝使は、去年のうちにもう黄泉島に渡っている、と言った。
 淤藤山津見が現にここに三人とも居るではないか、と問うと、珍山彦は、この三人は化けているのだ、と答えた。
 三人は消えうせてしまった。

* 大軍勢が続々とロッキー山から出撃していく。
 淤藤山津見は、これだけ大部隊が出陣したら、後の陣営は空虚でしょうか、と問うと、珍山彦は、後にはまだ、醜女探女の魔神らが場内に充満しており、彼らは最後に黄泉比良坂に攻めかけるのだ、と注意を促した。

* そして、珍山彦の姿も煙と消えてしまった。

* この不思議に淤藤山津見と固虎はあっけに取られるが、気を取り直して、ロッキー山の城内に潜入しようとする。

* そこへ、突然照彦の姿が現れた。
 問いかける淤藤山津見に、照彦は、淤藤山津見と固虎がロッキー山にとどめおかれたのも、神界の深い経綸によるのだ、と告げて姿を消してしまう。
 

第一五章 言霊別(445)
* 国祖国治立命の時代は、黄金時代であった。
 しかし天足彦・胞場姫の体主霊従的邪念が凝って、悪鬼悪狐が地上に蔓延してしまった。
 そのために、多くの神人が利己主義に走り、大神の神政を破ったのであった。

* 遂には邪気が天変地妖を現出し、大洪水を招いた。世界は泥海と化してしまった。

* このとき高皇産霊神、神皇産霊神、大国治立神は、顕国玉の神力を活用し、天の浮橋を現して、地上の神人たちを救いかつ戒めた。

* また、諾冊二神を地の高天原である天教山に降して、天の沼矛で地を修理固成せしめた。
 国生み神生みを行い、再び地上に神政を敷こうとした。

* しかし、幾多の年月を経てまたしても地上には邪神がはびこり、再び荒んだ世の中を現出してしまった。

* 常世彦・常世姫の系統は、ウラル彦・ウラル姫と現れて、盤古神王を偽称していた。
 大国彦・大国姫はロッキー山に伊弉冊命と日の出神を僭称した。

* 伊弉冊命は自ら邪神の根源地である黄泉の国へと降りて、牽制的な神業を行った。
 次いで、海中の竜宮城に現れて、一切の神策を施した。その後一切の幽政を国治立命、稚桜姫命に託すと、ロッキー山に行くと見せかけて実は天教山にいったん帰り、そして地教山に身を忍んで修理固成の神業に就かせられたのである。

* 神人らはこの神業を知らず、ロッキー山に伊弉冊命が行かれたと思い込んだ。
 大国彦・大国姫は、その情報を利用して偽伊弉冊命と現れた。
 そして黄泉島を占領しようと企んでいた。

* ここに、伊弉諾命は黄泉比良坂の戦いを起こすこととなった。
 この戦いは、善悪正邪の勝敗の分かれる、世界の大峠である。

* 諾冊二神の修理固成以前と以後では、物語に登場する各地の位置は、大いに変わっていることを注意しなくてはならない。

* また、過去の巻に出てきた神人が、大洪水後にも現れて、以前より若くなっていたりするのは、この物語が神人の霊を主とした霊界物語だからである。
 すべて神人は現幽を往来して、神業をなすものなのである。

* 物語では、時間空間を超越した霊界の現幽一貫的な活動を、物質化・具体化して述べたものなのである。

* その他、種々今日の知識からは不可解なことがあるが、時間空間・現界幽界を脱出して、大宇宙の中心から神霊界の物語を口述したものである。

* 口述者は決して自己の憶測・推量によってなしたものではない。
 幽斎修行の際に見聞したままの物語なのである。
 

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