とよたま愛読会140回
    「
霊主体従 11巻 言霊反 〜 13」    [前回 レポートへ] [次回レポートへ]
     記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp


日 時  平成20年 5月25(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
     連絡先 03-3321-3896、  03-3321-8644
     
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
物 語   霊主体従 11巻(戌の巻) 言霊反 〜 13章
:転覆

★ 報告
初夏の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。第百四十回とよたま愛読会の報告をお送りいたします。

 物語は第十一巻に入りました。第十一巻の冒頭は、「言霊反」という小論で始まっています。
第七巻の総説で、「開祖は大正五年まで未顕真実」と表したことについて、当時から反対や批判があったようです。

ここでは顕・未顕というのは、優劣を比較したのではなく、神格と神業のありようを表現したということのようですが、聖師様の真意としては、霊界物語は、「開祖と聖師どちらがエライ」といった小さな教団内のことを述べた書物ではない、七巻の総説も宇宙の一大神業という観点から読まなければならない、というお示しなのではないでしょうか。

総説歌には、諾冊の二神による修理固成・黄泉比良坂の戦いの勝利後の世界が、どのようになったか簡単に語られています。それによると、残念ながら諾冊の二神のご昇天後、再び世界は次第に悪化して邪神がはびこってしまったようです。

総説歌には、国大立大神(かつては豊国姫神として現れていた)が、神素盞嗚大神として現れた、とあります。第十巻の二十六章では、『豊国姫の身魂を神格化して、神素盞鳴尊(またの名を国大立命)とした。大海原を司らしめた。国大立命の四魂は、月照彦神、足真彦神、少彦名神、弘子彦神』という記述がありました。

豊国姫神は、国祖の妻神(坤の金神)です。「月天使・国大立命」は、豊国姫命の別名でした(第三巻第一章)。また、月照彦神、足真彦神、少彦名神、弘子彦神の全身である四大天使は、豊国姫命の四魂でした。

御神名の記述には、細かな違いがあるので注意しなくてはなりませんが、これらのことを総合しますと、豊国姫神、豊国姫命、国大立神、国大立大神はみな、同じ神様の顕現であるのではないでしょうか。そして、本巻の総説歌では「神素盞嗚の大神」と顕現された、とあります。

黄泉比良坂以降の世界で、伊弉諾大神によって三五教の教えを任されたのが、神素盞嗚大神であったということになります。

 

★ 拝読箇所で気のついたこと
霊主体従 戌の巻
言霊反

  • 第七巻の総説で、王仁は明治三十三年以降、顕真実の神業であったのに対し、開祖は大正五年まで未顕真実であった、と書いた。それを批判をする信者があるようだ。

  • しかし、開祖は未顕真実の「境遇」にあったと書いたのである。それは経のお役として、世の中が曇っていて時機が至らなかったために、大正五年までは、やむを得ず経の御用を十分に顕すことができなかった、という意味である。

  • また、神諭に「緯はサトクが落ちる」「緯はいろいろのことがある」とあるので、緯の役目の意義を疑う人がある。緯の役は千変万化の神業であるから、かえって神的活動、大苦心の様を現したのである。

  • 霊界物語も、神道とか大本といった小さな世界のことだけを扱っているのではない。宇宙の外に立って神示のままを口述したものなのである。いかなる法難や一部信徒の無理解も意に介せず、ただ自己自身の体験と神示によって忌憚なく述べただけである。

  • 凡例

  • 本巻の言霊解「大気津姫の段」は、大正十年二月号の『神霊界』誌上に「皇典と現代」と題して掲載されたものを、多少添削したものです。

  • 第七巻の総説が発表されたとき、かなりの批評・反対が起こりましたが、それに対して瑞月大先生の解釈を得ましたので、特に「言霊反」として本巻の冒頭に掲げました。

  • 霊界物語の編集上に不備な点がいくつかありますが、これについては機会を見てまとめたいと考えています。

  • 信天翁(二)

  • 『天地の元の大神を祭った五六七殿に来て見れば、教えの庭にふさわしくない不都合なことをやっている。仮設劇場を設置して、野卑な三味線で節面白く婆や娘が歌っている。おかげでかかあどもは、夫の言うことをきかずに変性女子の言を重んじ、女権が拡大しつつある。さすが悪の写った変性女子のほざいた物語だ。こんなことは止めておかねばならない』

  • とねじり鉢巻の人がいるが、良妻賢母にしてあげるから、ご心配は無用である。

  • どうせ阿呆の瑞霊のすることだから、神審をするような賢いお方のお気に召さないのは仕方がない。しかしどう罵られようとも、大化け物の瑞月は、金輪際初心は変えません。

  • この世を御造りになった元の大神の目から見れば、娑婆世界はそもそもめくらとつんぼばかりである。ぐずぐずいわずによく味わってお聞きなさい。それがいやならどうぞ去ってください。

  • 楽屋一同を代表して、愚痴をだらだら述べておきます。かなわぬからたまちはえませ、かなわぬならたちかえりませ。

  • 総説歌

  • 久方の天津御空の八重雲をかきわけて、天降りました諾冊の二柱の大神は、五六七の御代を建てんと天教山の阿波岐原に現れた。

  • 国大立大神(=豊国姫神)は、神素盞嗚と現れた。そして月照彦、大足彦、少彦名神、弘子彦の四柱を国々の守りの神となした。

  • このように、神素盞嗚大神は、神伊弉諾大神のご命令のままに、生き魂を四方に配らせたのだが、再び邪神邪霊がはびこって、世界を乱し始めた。

  • 神素盞嗚大神は、天教山、地教山、黄金山、万寿山、霊鷲山に集まった神司たちを各方面に遣わして、醜の雲霧を払い行く物語である。

  • 第一篇 長躯進撃
    第一章 クス野ヶ原(468)

  • 青雲の別の宣伝使こと天児屋根神司は、高彦と名を改めて、ウラル教の本拠であるアーメニヤに宣伝をなそうと、アルタイ山のふもとのクス野ヶ原にやってきた。

  • 日も暮れてきて、ここで一夜を明かそうとした高彦の前に、巨大な一つ目の怪物が襲いかかろうとしていた。

  • 高彦は心静かに宣伝歌を歌い始め、次第に高唱すると、怪物は小さくなっていき、消えてしまった。見れば、怪しい影が雲別けて空に逃げていくのが見えた。

  • 高彦は怪物を追い払って改めて寝ようとすると、何者か杖で体を打つ者がある。驚いて一喝すると、それは鉄谷村の時公だった。

  • 鉄谷村の村長・鉄彦は、三五教の宣伝使となってアーメニヤに宣伝に赴いたが、村では鉄彦の奥方が病気になってしまい、時公はそのことを主人の鉄彦に伝えに、後を追いかけてきたのであった。

  • 高彦は東彦と名乗り、時公と一緒にアーメニヤに向かうことになった。

  • 第二章 一目お化け(469)

  • 東彦は時公とともにアーメニヤに通じる野を進んで行く。時公ははかない命の人間だから、ちょっと休憩しましょう、と宣伝使に話しかけるが、東彦は人間は千万年も生き通しだから心配するな、と取り合わない。

  • 時公は、人間は死なないなどというのは化け物だ、と本気で東彦を疑い出す。その様を見て東彦は面白がりつつ、これが神の教えだと時公をたしなめた。

  • そうしているうちに、芳香が四辺に満ち、美しい音楽がどこからともなく響いてきた。

  • 第三章 死生観(470)

  • この吉兆に、時公も東彦を疑う心はやや晴れ、宣伝使の話を聞かせて欲しいと願い出た。

  • 東彦は、人間とは神様の水火(いき)から生まれたもので、神の御子たるはたらきをするために、肉体に入って生まれてきたのだ、と説いた。

  • 時公は、何千万年も前から自分が生き通しであるとは信じられない、と返すが、東彦は、それは一日も長く現世に留まって、つらい現世の勤めを果たすために、死を恐れる精神を与えられてあるからだ、と答えた。

  • さらに東彦は、人間と生まれた本分を尽くし、神様のために御用を勤めて、霊界から天使のお迎えがあるまでは、何ほど自分が死にたいと思っても、神様がお許しにならなければ死ぬことはできない、と説いた。

  • 時公は、子供のときは何もわからないのはどうしてでしょう、と質問した。東彦は答えて、子供は身体がまだ弱いので、霊魂が肉体に全部移って働くのは、一人前の体になってからだからだ、と答えた。

  • 続けて、しかし現世で悪事ばかりをなした人間は、結構な霊界に帰ることができず、根の国底の国に落ちてしまうのだ、と注意を促した。

  • 暗くなってきたので、二人はその場で野宿することになった。東彦は、人間の霊魂は生き通しであり、この世に肉体を持って何度も生まれ変わってくるのは、神様の御用を現世で行うためである、という宣伝歌を歌った。

  • 時公は続けて、人間の霊魂が生き通しであることを聞いた喜びを、滑稽な宣伝歌に歌った。

  • 第四章 梅の花(471)

  • 二人の横を千匹の狼が走り抜けていった。その物音に目を覚まし、東彦は次は大蛇が出てくるぞ、と時公をおどかした。

  • そこへ突然美しい女が現れ、梅ヶ香姫だと名乗った。時公は大蛇が化けているのではないかと、えらい権幕で疑ってかかる。梅ヶ香姫は時公をからかって、人間の肉が食いたい、と大蛇のふりをする。

  • 時公は覚悟を決めて、東彦と一緒に大蛇に飲まれよう、と言うが、梅ヶ香姫は冗談であることを明かす。そして、石凝姥宣伝使と、鉄彦も一緒にいると明かすと、二人は草の中から現れた。

  • 一行五人は夜が明けるのを待って、クス野ヶ原の大蛇を言向け和すことになった。

  • 第五章 大風呂敷(472)

  • 時公は用事を思い出して、鉄彦に、鉄姫の言付けを伝えて村に帰るようにと促した。しかし鉄彦は、宣伝使となった以上は目的を果たすまでは何があろうと家へは帰れないから、そう鉄姫に伝えてくれ、と答えた。

  • 時公は、それでは伝言のついでに大蛇を退治してから帰ろう、と大風呂敷を広げる。

  • 第六章 奇の都(483)

  • 一行は冬の荒れ野原を進んで行く。クス野ヶ原には巨大な長方形の岩があり、その下に巨大な穴があって、そこが大蛇の住処だという。

  • 岩の近くまで来た一同は、神言を奏上し、宣伝歌を歌い始めた。宣伝歌を歌い終わると、大音響が響き、岩が唸り始めた。時公は岩に向かって、許してやるから気の済むまで騒げ、と言うと、大音響はぴたりと止まった。

  • このとき、岩の下の穴からは紫の煙が立ち上っていた。見れば、岩上には三人の美しい娘が扇を片手に舞を舞っている。それは月・雪・花の三姉妹の宣伝使であった。

  • 月・雪・花の宣伝使は、宣伝の途中このクス野ヶ原に大蛇のあることを聞き、大蛇を言向け和そうと宣伝歌を歌ったところ、大蛇は今後は地上には出ないと誓い、今その穴を封印したところである、と語った。

  • また三姉妹の宣伝使は、この原野に火を放って耕せば、非常に収穫があるでしょう、と語った。東彦はさっそく原野に火をかけた。

  • 宣伝使一行は、鉄彦と時彦に、この原野の開墾を命じた。後にここは肥沃な土地に五穀が実り、非常に栄え、クスの都と呼ばれるまでになった。

  • 宣伝使一行は別れを告げ、西へ西へと進んでいった。

  • 第七章 露の宿(474

  • 一行は新玉原を湖に向かって進んでいった。日も暮れてきたので、森の中で一夜の宿を取ることになった。

  • 一行は神言を奏上し、宣伝歌を歌って眠りについた。そこへ付近の村人がやってきて、宣伝使たちの様子を伺っている。三五教の宣伝使を見つけたら捕えようと、待ち構えていたのであった。

  • 男たちがどうやって捕えようか相談をしているときに、梅ヶ香姫は目を覚まし、幽霊の振りをして男たちを追い払った。梅ヶ香姫を一同を起こした。

  • すると向こうのほうから数十の松明がやってくるのが見える。群集は遠巻きに恐々と宣伝使たちの方にやってきた。群衆の中から、酒に酔った風の男が一人、宣伝使の前に現れた。

  • この男、鴨公は最初は威勢のいいことを言っていたが、やがて恐れをなして腰が抜けてへたってしまった。群集の中からさらに、鉄棒を携えた男が現れ、高彦、東彦に打ってかかった。

  • 高彦、東彦は鉄棒をよけながら霊をかけると、鉄棒は葱のようにやわらかくなってしまった。逃げようとする男・勝公に対して、東彦の宣伝使は霊縛をかけた。村人たちは驚いて、てんでに逃げてしまった。

  • 宣伝使たちはゆうゆうと西へ進んでいった。

  • 第二篇 意気揚々
    第八章 明志丸(475)

  • 六人の宣伝使は、それぞれ別れて宣伝に行くこととし、梅ヶ香姫は明志の湖のほとりに一人たどり着いた。そして船に乗り込み船中の客となった。

  • 船中には、さいぜんの捕り手・勝公が乗り込んでおり、ウラル彦の命で三五教の宣伝使を捕えようと画策をめぐらしていた。しかし勝公は新玉原の森での失態を、仲間の八公に責められている。

  • そのうちに、八公は船の隅に梅ヶ香姫を見つけた。勝公は名誉挽回とばかりに、梅ヶ香姫をなんとか捕えようとしきりに様子を伺っている。

  • 梅ヶ香姫は先にすっくと立ち上がり、新玉原での勝公や鴨公の失敗を宣伝歌に歌い始めた。怒った勝公が梅ヶ香姫に殴りかかろうとすると、大力の男が勝公の襟首をぐっと掴んで持ち上げてしまった。

  • この様を見て、八公、鴨公は勝公を見捨てて、大力の男の方についてしまう。この大力の男は時公であった。

  • 第九章 虎猫(476)

  • 時公は、鉄彦の命で梅ヶ香姫の護衛をするべく、後を追って来て船中でやっとめぐり合えたところ、勝公が梅ヶ香姫に襲い掛かろうとしたので、助けたのであった。

  • 時公に捕まった勝公は、あべこべに三五教の教えを楯にして、許しを請う。梅ヶ香姫も時公も、勝公のちゃっかりした物言いに思わず笑ってしまう。

  • 八公、鴨公も時公の強さに恐れ入って降参するが、勝公は軽口をたたいて皆を笑わせている。そして船中にわかに一同は三五教に改心し、コーカス山に魔神を言向け和しに乗り込むこととなった。

  • おりしも、船は西岸のタカオに到着した。

  • 第一〇章 立聞き(477)

  • 船を降りた一行は、寒風吹きすさぶ荒野を進んで行く。勝公は、この先に白野ヶ原というところがあり、そこには孔雀姫という美しい女の姿をした化け物がおり、人を捕えて食らうのだ、と話し出した。

  • その話を肴に、時公と勝公は馬鹿話をやっている。一行は孔雀姫の館を訪ねて、言向け和そうとやってきた。

  • 梅ヶ香姫が孔雀姫の館の門に耳を当てて中の様子を探っていると、ウラル教の宣伝歌を歌っているようである。時公、勝公、八公、鴨公は門外で馬鹿話を始めている。

  • 第一一章 表教(478)

  • 扉を開けて館から出てきた孔雀姫は、満面に笑みをたたえて一同を招きいれた。男たちは孔雀姫の美しさに見とれているが、梅ヶ香姫はなにやら合点した様子で、泰然とニコニコ笑っている。

  • 館の中からは、女の涼しい声で、ウラル教の宣伝歌が聞こえてきた。勝公、八公、鴨公はウラル教の仲間と勘違いして、にわかに元気付いている。一行はどんどん屋敷の奥へと入っていった。

  • 奥の間にいる孔雀姫に、勝公は、あなたはウラル教でしょう、と問いかけるが、孔雀姫は、自分はオモテ教だ、と答える。勝公はにわかに、それなら心機一転オモテ教に改心する、と宣言する。

  • 時公は、なんとなく孔雀姫が梅ヶ香姫に似ていることに気づいた。梅ヶ香姫はなにやら孔雀姫と相通じているようなので、みな孔雀姫は三五教ではないかと気づき始めた。

  • 梅ヶ香姫はすっくと立って宣伝歌を歌い始めた。

  • 第一二章 松と梅(479)

  • 梅ヶ香姫は、この場で姉の松代姫に出会えた嬉しさを歌い、自分の今までの宣伝の遍歴を姉に報告した。

  • この歌を聞いて一行は、孔雀姫が梅ヶ香姫の姉・松代姫であることを知った。松代姫は、竹野姫はコーカス山に宣伝に向かったこと、自分はここにしばらく居を構えて、道行く人に宣伝していたことを歌で明かした。

  • ここに、勝公はこの館に留まって、松代姫の代わりに旅人に宣伝することとなり、松代姫と梅ヶ香姫は、時公、八公、鴨公を従えて、竹野姫の加勢にコーカス山に向かうこととなった。

  • 第一三章 転覆(480)

  • 松代姫が宣伝歌を歌っている折しも、館の門前には十手を持ったウラル彦の捕り手たちが五人、中をうかがっていた。

  • 孔雀姫を捕らえに来た様子だが、案に相違して館内には多くの人がいるので、中に踏み込むのをためらって、馬鹿話をしている。

  • 時公は中から出て行って、捕り手たちに啖呵を切ると、四人を一度に掴んで館の中に引き入れてしまった。勝公、八公、鴨公の三人も、残りの一人を担いでくる。

  • 時公は捕り手たちをお神酒でもてなした。そして、三五教への改心を説いた。捕り手たちは以外の饗応に感じて、熱心な三五教の信者となった。

  • 松代姫一行は、雪の中を竹野姫を追って出発して行った。

  • 以上    [前回 レポートへ] [次回レポートへ]


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