とよたま愛読会141回
    「
霊主体従 11巻 14章 〜 25」    [前回 レポートへ] [次回レポートへ]
     記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp


日 時  平成20年 6月22(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
     連絡先 03-3321-3896、  03-3321-8644
     
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
物 語   霊主体従 11巻(戌の巻)14章:鏡丸 〜 25章:巫の舞

★ 報告
 盛夏の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。第141回とよたま愛読会報告をお送りいたします。
今回は真鉄さん、高木さん、私望月の三名を集めまして行われました。

物語は、松代姫・梅ヶ香姫一行がコーカス山の魔神を言向け和すために、琵琶の湖を渡るところから始まります。
一行は、船中で竹野姫がコーカス山の大気津姫のために捕まったと聞きます。

ウラル教の目付けを改心させて、コーカス山の道案内として登っていった一行は、石凝姥神らと合流します。
体主霊従の大気津姫となったウラル姫は、コーカス山の神殿完成の祭りで酒に酔って部下と共に大騒ぎを始めます。
そこにやってきた宣伝使一行の宣伝歌により、魔神たちはアーメニヤに逃げ帰ります。

コーカス山とその宮居(顕国の宮)は、三五教の勢力下に入りました。
そして地教山から神素盞嗚大神が移ってきて、宣伝使たちを各役割に任命します。
瑞の御魂・三葉彦こと広道別は、コーカス山の宮の卜部となり、神素盞嗚大神のよさしによって松代姫をめとります。
青雲別命が梅ヶ香姫を、北光神が竹野姫をめとりました。
北光神らは大神の命により、魔神の武器製造地・アルプス山に向かい、銅・鉄を掘り出して、鏡や剣を鍛えます。
両刃の剣は、顕国の宮に神実として納められ、祝祭が執り行われました。
最後に秋月姫の歌った祝歌には、神素盞嗚大神の御出自とお役目が歌われています。
神素盞嗚大神が実は主神であったことは、第四十七巻の総説を待って明かされることになります。

 

★ 拝読箇所で気のついたこと

第二篇 意気揚々
第十四章 鏡丸(481)
* 松代姫、梅ヶ香姫の一行は、時公らを引き連れて、琵琶の湖のほとりに着いた。
 風を避けて二三日逗留したのち、湖を渡るために鏡丸の客となった。
* 船中の客は、コーカス山の大気津姫についての噂をしていた。
 それによると、コーカス山の山奥に豪勢な宮殿を建てて、民を絞り、自分の眷属だけが栄華に暮らしている、という。
* 大気津姫を言向け和しに行った、竹野姫という素盞嗚命の御使いも、行ったきり帰ってこないという。
 一行はコーカス山に登って、大気津姫を言向け和すことにした。

第十五章 大気津姫の段(一) (482)
* 古事記において、天の真奈井の誓約において、素尊の御魂の清明無垢が証明されたため、素尊の部下たちの不満が勃発し、そのために天の岩戸の大事件が発生したのであった。
* 素尊はその責任を負って、「千位の置戸を負わせられ」て追放されたのであった。
 千位の置戸とは、一天万乗の位、群臣の上に立つ位を放棄させられて、という意味である。
* 素尊は万神万有のいっさいの罪科を一身に負って、自ら罪人となって天地の神明に潔白な心性を表示されたのである。
 世界一切の万類を救うために身を犠牲に供することを、千位の置戸というのである。
* 「髭を切り」とは、社会的な重要な役職をすべて放擲させられた、ということである。
* 「手足の爪を抜かしめて」とある手足の爪は、私有財産一切のことである。
* 「神追い(カムヤラヒ)」とは、ヤは天地自然の大道に帰って万民を教え導くことである。
 ラは寸暇なき神業奉仕者となることである。
 ヒとは、天地経綸の司宰者である人の本霊を顕して無上の尊厳を保つことである。
 すなわち、神追いとは単に神様を追放するということではないのである。
* 世の中には絶対的な平等もなければ絶対的な差別もない。
 差別的平等なる天理天則を悟り、もって自らの髭を切り、手足の爪を抜いて天下のために真に意義のある生活に入るべきである。
* 「食物(おしもの)」とは、衣食住の三種を総称したものである。
  大気津姫とは、物質文明の極点で、みなこぞってあらゆる贅沢をなし始めたことを言うのである。
* それにたいして素尊は、八百万の神々に対して正衣正食することをお諭しになったのである。
* 世の中が進むについて、国風に合致しない悪風習が現れてきたのである。

第十六章 大気津姫の段(二) (483)
* 生存競争の悪風が窮まると、近年の欧州大戦のような惨状を表して、万民が苦しむことになる。
 吾が皇国にもその世界の悪風が迫りつつある。
* 今の惨状は、生活上の貧苦が根底にあるのである。
 この生活問題を改善するためには、大気津姫の改心を待たなければならない。
* 素尊が大気津姫を殺したのは、食性改革のためにやむを得ずそうしたのである。
 肉食尊重を改めて、皇祖の御遺訓に沿った美風良俗に帰らなければならない。
 肉食を廃して社会改良の第一義をしなければならないのである。

第十七章 大気津姫の段(三) (484)
* 素尊が大気津姫を殺した段は、大神の御法則に違反していた衣食住の方法を、根本的に改められた、ということである。
* 殺された大気津姫の頭に蚕が生ったということは、天地経綸の大道に奉仕する政治が行われた、ということである。
* 二つの目に稲種が生った、というのは、社会の上下階級という「二つの目」に、穀食がなされ、正食に還ったということである。
* また宗教家であれば、顕幽一本の真理を達観して、万民を教化するに到ることを言うのである。
* 二つの耳に粟生り、というのは、耳とは生産機関のことである。
 粟生りとは、物質、霊界ともに円満に発達した、ということである。
* 鼻に小豆生り、というのは華美な衣服を改め、実務に適した制服を定めた、ということである。
* 陰に麦生り、とは、西洋は西に位置し、陰の位置にあるため、陰の穀物である麦を食する、という意味である。尻に豆生り、というのは、日本でも北海道のような寒い地方は、脂肪が豊富な豆を食する必要がある、ということである。
* そして、これらの素尊の衣食改革のご提案を、神産巣日御祖神がただちに採用された、というのである。これらの素尊のご提案をもとに、天地改良の神策を樹立されたのである。
* 人間は、この天則に反して暴飲暴食するときは、神の宮居である身体を損なうことになるので、日々の食物には気をつけるべきである。
 

第四篇 満目荒寥
第十八章 琵琶の湖(485)

* 琵琶の湖には、かなり大きな松島、竹島、梅島という島があった。
 船は梅島に着いた。ここでまた嵐が起こり、船は島に三日三晩逗留することになった。
 船中の客はそのほとんどが、大工道具を持っている。
* 時公は船客にわけを聞くと、コーカス山の大気津姫が、ぜいたくをして、しきりに普請をしている。
 そのために各地から大工が駆り集められている、という。
* また、大気津姫の部下たちは八王(ヤッコス)を名乗っているが、これは昔の八王ではなく、単に利己主義の財産持ちに過ぎない、という。
* 大工たちの話によれば、竹野姫という宣伝使が大気津姫に捕らえられ、岩屋に監禁されているという。
 また、竹野姫の姉妹の宣伝使を捕らえようと、各地に捕り手を派遣しているという。
* 松代姫は自ら、竹野姫の姉妹宣伝使であることを明かし、船中の大工たちに、自分たちを捕らえて大気津姫のところに引き出し、手柄にするように、と言った。
 時公は松代姫の大胆さに驚いて引き止めるが、梅ヶ香姫も気にせず、逆に時公の臆病さを笑う。
* そうこうするうちに船は島を出て、波の上を進んで行く。

第十九章 汐干丸(486)
* 松代姫はすっくと立って宣伝歌を歌い、その中に自らの素性を歌いこんだ。
* 大工たちは、その歌を聞いて、大気津姫が手配している姉妹の宣伝使であることを悟り、何とか捕まえて褒美にあずかろうとしきりに相談している。
* 時公、鴨公、八公の三人の従者は、それを聞いて大工たちを責め立てた。
 時公は、コーカス山側の人々に対して、宣伝歌を歌い改心を促した。

第二十章 醜の窟(487)
* 梅ヶ香姫は、コーカス山に進んで大気津姫を言向け和す決意を宣伝歌に歌った。
* 船中では、コーカス山側だった大工の馬公、牛公、鹿公、虎公が、宣伝使たちの共になって一緒にコーカス山に進んで行くことになった。
* 雪深い山道の途中で日が暮れたため、牛公の提案で、近くの岩窟に宿を取ることになった。
* 牛公の話によると、竹野姫の前にも於縢山津見という宣伝使がやってきたが、やはり大気津姫の部下に捕まって、岩窟の中に閉じ込められてすでに百日以上になる、とのことであった。
* 牛公は自分がウラル教の目付けであることを口走ってしまう。
 一同が休んでいる岩窟の外には、ウラル教の捕り手の足音が聞こえてきた。
 時公はとっさに牛公に当身をくわせて気絶させた。

第二十一章 俄改心(488)
* 時公が問い詰めると、四人の大工たちは、ウラル教の目付けであったことを白状した。
 牛公は牛雲別であることを見破られ、大気津姫は実はウラル姫であることを明かした。
* コーカス山は、アーメニヤが陥落したときの避難場所として建築しているのだという。
 また、於縢山津見、竹野姫のほかにも、北光宣伝使も岩窟に捕まえて監禁してしまったと白状した。
* おりしも、岩窟の外に雪を踏んでざくざくと進んでくる足音が聞こえた。

第二十二章 征矢の雨(489)
* 時公が岩窟の扉をがらりを開けると、それは石凝姥宣伝使・東彦であった。
 東彦は、岩窟から漏れ聞こえる三五教の歌を聞きつけて、やってきたのであった。
* 一同が再開を懐かしんでいると、またもや岩窟の外から、ウラル教の捕り手たちの足音が聞こえてきた。
 時公と東彦が矢面に立って、迎え撃つ。
* 捕り手の中から大男が現れて、熊と名乗り、宣伝使たちに降伏を促した。
 東彦は朗々と改心を促す宣伝歌を歌うと、矢はぴたりと止み、捕り手たちは雪の中にうずくまってしまった。
* 松代姫、梅ヶ香姫は、おのおの三五教の教理と説き諭して回った。
 そのためいずれも改心して、宣伝使たちに従うこととなった。
* 神の誠を知って四魂の活用がまったくなった神人の言霊には、いかなる悪鬼邪神といえども帰順せざるものはない。
 故に宣伝使たるものはまず己の身魂を磨き、すべての神人に対して我が身と同様の心で対さなければならない。

第二十三章 保食神(490)
* 黄泉比良坂の戦いで、大自在天陣営は日の出神に言向け和されて、御神業に使えることとなった。
* そのため、悪鬼邪神たちは集結してウラル彦一派にますます憑依した。
 ウラル山、コーカス山、アーメニヤに根拠を構えて体主霊従の限りを尽くした。
 体主霊従人種のことを、大気津姫というのである。
* ウラル彦一派は、コーカス山に荘厳な宮殿を建設した。
 これを顕国の宮という。
* その落成に際して、さすがのウラル彦も天地の神明を恐れ、大地の霊魂である金勝要神、大地の霊力である国治立命、大地の霊体である素盞嗚命の神霊を祭ることになった。
* 三日三晩もの祭典が始まり、八王、ヒッコス、クスの神らは酒におぼれて歌い踊り狂った。
 宮や踏み荒らされてしまったが、邪神に惑わされた神人らはまったく気がつかなかった。
* 祭典が始まると、顕国の宮は恐ろしい大音響をたてて鳴動を始めた。
 ウラル姫は神が喜んでいるものとして、泥まみれのまま神殿に拝し、祝詞を上げた。
* 数千の群集は酒を飲んで酔いつぶれ、そこらじゅうを騒ぎまわっている。
* そこに、悠然として現れた三五教の松竹梅の宣伝使、石凝姥神、天之目一箇神、於縢山津見神、時置師神、八彦神、鴨彦神らは口をそろえて一同に改心を促す宣伝歌を歌った。
 すると、神殿の鳴動はぴたりと止んだ。
* ウラル姫はたちまち鬼女と化し、部下を引き連れて鳥船に乗り、アーメニヤを指して逃げていった。
* 一同は改めて神殿に拝して感謝を捧げると、鬼武彦を始めとする五柱の白狐神らが現れた。
 石凝姥神、天之目一箇神、天之児屋根神は、神殿に捧げてあった五穀を白狐にくわえさせ、世界の各地に種を蒔かしめた。
* この神殿に国治立命、素盞嗚命、金勝要神を祭り、飯成(いひなり)の宮と称えることになった。
* 神殿が鳴動したのは、邪神の供物に神が怒りを表したのであった。
* 白狐が世界各地に蒔いた種は、これまでの穀物よりも優れたものになった。
 これ以降、白狐を稲荷の神と称えるようになった。

第五篇 乾坤清明
第二十四章 顕国宮(491)

* コーカス山の宮に主として現われたもうた神須佐之男大神は、瑞の御魂である三つ葉彦(=広道別、のちに太玉命)を松代姫とめあわせた。そして卜部の神として顕国の宮の宮司に任命した。
* 青雲別命を天之児屋根命と名を改めて、梅ヶ香姫にめあわせ、大宮の祝の神に任命した。
* 白雲別宣伝使(=北光神)を天之目一箇神と改めて、竹野姫とめあわした。
 そして石凝姥神をアルプス山に遣わして、鏡や剣を鍛えさせた。
* 雲路別命を大歳神司とし、五穀の種を四方の国々に広めた。
 高倉や旭の白狐たちは、それらの田畑や作物を守った。
* 神須佐之男命は地教山を後にして、コーカス山の顕国の宮に入った。
 邪神たちの武器製造の根拠地であったアルプス山に天之目一箇神・竹野姫、石凝姥神らを派遣して銅・鋼鉄を掘らせ、邪神の来襲に備えて十柄の剣を作らせた。
* 縢山津見神、正鹿山津見神、月雪花の三姉妹の宣伝使らは、大神の命によってアーメニヤの神都に進んでいった。
* 後にこのことが天照皇大神の嫌疑を招き、須佐之男命が追放される悲境を招くことになったのである。

第二十五章 巫の舞(492)
* コーカス山の曲神らを追い払った神素盞嗚大神は、両刃の剣を神実として神殿に鎮祭し、大地の霊力・金勝要神、大地の霊力・国治立大神の二柱を祭った。
* 祭典に際して、秋月姫は舞い、祝歌を歌った。

 ・この世を作った元津神である、国治立大神が根底の国に現れて、百の悩みを身に受け、闇に隠れてこの世を守ってくださっている。
 ・その勲功を助けようと、天津神の御言により、天教山には神伊弉諾大神、神伊弉冊大神が現れた。
  その御霊幸いて、神素盞嗚大神の身体がなり出でました。
 ・また神伊弉諾大神の鼻より、神素盞嗚大神の霊魂が生り出でた。
  そして、神伊弉諾大神は神素盞嗚大神に、大海原を治めるようにと任命された。
 ・曲津神たちが大海原をかき乱したが、今日コーカス山は開けることになった。
 ・深雪姫はまた、神素盞嗚大神の御偉勲を祝歌に歌いこんだ。

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