とよたま愛読会146回
「如意宝珠 13巻
14章 〜 信天翁(三)」
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記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp
日 時 平成20年 11月23(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先 03-3321-3896、 03-3321-8644
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
物 語 如意宝珠 13巻(子の巻)14章:蛙船 〜 信天翁(三)
★ 報告:
お知らせ
12月の拝読会の後に、恒例の忘年会を開催いたします。事前のお申し込みは不要です。また、忘年会のみの御参加も可能です。当日の十七時半ごろまでに、豊玉分苑においでください。会費は通例約三千円前後です。どうか奮って御参加ください。
六人の宣伝使が探検をしていた「醜の岩窟」は、実は高照姫命が鎮まって三十三相に身を変じて教えを明かすという「聖地」であることが明かされます。
高照姫命は、その昔(第二巻)国祖の治下で、エルサレムの四天使と常世城の常世彦・常世姫の争いの最中に、言霊別命が天上界から迎えた天神です(第二巻三十五章)。高照姫命は言霊別命に、南高山の秘宝を授けます。
その後、四天使らが失脚して引退させられた後、国祖は再び高照姫命を天上から迎え入れ、天使長とします。高照姫命は真澄姫、言霊姫、竜世姫を従えて、女神四天使として世を治めます(第三巻四十四章)。
そして国祖のご退隠の際に、女神四天使らも地汐の世界に追い落とされ、そこで「大地中の守護神となり、四魂合同して金勝要之神となった」とあります(第四巻四十四章)。
国祖と妻神・豊国姫命が大洪水に先立って、野立彦命・野立姫命となり天教山・地教山に現れて、始めて宣伝使隊を組織した際には、高照姫命が地教山の宮居の祭司として、野立姫命の代理を務めています(第五巻二十七章)。
第三巻四十五章で、高照姫命は、金勝要神の和魂であるとされています。本巻では、醜の岩窟の女神は、自ら「木花姫命の和魂」と名乗ります。霊界物語では明示されていないのですが、もし、醜の岩窟の女神が高照姫命であるとしますと、高照姫命すなわち金勝要神の「和魂」です。
するとこれは暗に、木花姫命とは金勝要神のことであると示されているのではないか、とも受け取れます。地汐の世界に落とされた女神四天使が四魂となって、金勝要神となられた。その金勝要神が再び天教山より地上に現れて、三十三相に身を変じて三五教を守護されている。そのお働きが、木花姫命と現れている、ということでしょうか。
さて、醜の岩窟で身魂を絞られた元ウラル教宣伝使たちは、身魂磨きの末に本守護神を現して、立派な宣伝使と現れ、フサの都に向かって進んで行きます。
★ 拝読箇所で気のついたこと
霊界物語 第十三巻 如意宝珠 子の巻
第四篇 奇窟怪巌
第十四章 蛙船(540)
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高照姫命が鎮まり、三十三相に身を変じて教えを明かすのが醜の巌であった。しかし未だ信仰の弱い音彦、亀彦、駒彦は鳥船に救われたのも束の間、気がつくと身は雨の降る布留野ヶ原に放り出されていた。
- 三人は仕方なくタカオ山脈を越えて徒歩で都に向かおうとするが、夜になってしまう。そして、沼の手前で巨大な大蛙に出くわす。
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音彦は呑気にも、乗り物ができたと喜んで蛙に乗る。蛙は人語を話し、この先の行く手をふさいでいる古池を泳いで渡ってあげよう、というが、亀彦と駒彦は気味悪がって乗らない。
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大きな古池は断崖に囲まれているが、蛙は音彦を乗せたまま、下に飛び込んだ。音彦は助けを求めるが、亀彦・駒彦は音彦の軽率を責めるばかりで喧嘩している。蛙が仲裁しようとするが、三人は言い争いをやめない。
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蛙は向こう岸にさっさと上がって池を越えてしまった。今度は亀彦と駒彦が慌て出すが、よくよく見れば大道が続いていて、苦もなく池の向こう岸に行くことができた。
第十五章 蓮花開(541)
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三人が荒れ野の道を行くと、四五人の荒男が行く手をふさいだ。中でも頭目の男はうわばみの野呂公と名乗った。音彦は、荒男たちの脅しもどこ吹く風で、喧嘩腰に応対している。
- しかし不思議にも野呂公を名乗る男は、昨晩三人が大蛙の背に乗って喧嘩していたことを知っていた。そして、自分は昨日の蛙の化身だと言う。
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音彦は野呂公の正体を問いただすが、逆に醜の岩窟での修行が足りないと言われてしまう。気がつくと、布留野ヶ原の荒野にいたと思った三人は、不思議にも岩窟の中をまださまよっていた。
- 岩窟の中に丸い光が現れると、そこから美女が現れた。三人は好い気になって、女が差し招くほうに歩を進めていった。岩窟の道はほのかに明るくなってきた。
第十六章 玉遊(541)
- 三人が進んで行くと、赤白のゴム毬のようなものが上下左右に浮動していた。毬はどんどん増えていく。
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音彦が毬に向かって怒鳴りたてると、玉の中でもっとも大きなものに、目鼻口が現れて、笑い出した。玉は、三人に天の声を聞け、と諭すが、三人は聞く耳を持たずに玉の言うことを非難したり嘲笑したりしている。
- 玉はついに手足を伸ばし、他の小玉と一緒になって、いっせいに三人に打ってかかった。頭をしたたかに打たれたと思った瞬間、三人は夢から覚めた。
第十七章 臥竜姫(543)
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三人は引き続き岩窟の中を進んで行くと、どこからともなく琵琶の音が聞こえてきた。三人は、琵琶を弾いているのは先ほど光の中から現れた美人ではないかと無駄話をしながら、三叉路までやってきた。
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すると曲がり角から一人の男が勢い余ってやってきて、音彦とぶつかった。男は弥次彦と名乗り、醜の岩窟の主人だとうそぶく。後から連れの与太彦も現れた。音彦は例によって喧嘩口調で対している。
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弥次彦と与太彦は、三人が宣伝使と見ると喧嘩をやめて、美人のところへ案内しましょう、と言う。琵琶を弾いている美人は、臥竜姫と言って、エルサレムの高貴な神の娘であるという。
- 弥次彦と与太彦は、三人を臥竜姫の館の前まで案内した。
第十八章 石門開(544)
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一行は、立派な石壁で築かれた館の前にやってきた。音彦は大音声に門を開けと呼ばわるが、何も起こらない。ただ門内よりかすかに琵琶の音が聞こえてくるのみである。
- 弥次彦と音彦が問答をしていると、門内から大声で一同を誰何する者がある。声は、門を開こう開こうと焦って教えを忘れていた宣伝使たちに注意を促した。
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音彦は亀彦、駒彦に促して、慌てて神言を奏上する。すると門は易々と開いた。そこに居た巨大な男は、うわばみの野呂公だった。野呂公は臥竜姫に取り次ぐといって奥に入るが、なかなか戻ってこない。
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いぶかる亀彦に、弥次彦は、門は開いたが、まだお前たちの心が開いていないのだ、と説教をする。亀彦が口答えすると、弥次彦と与太彦は一同に気をつけると、赤白の玉になって飛んでいってしまった。
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一同はしびれを切らし、館の中にどかどかと進み入った。すると突然、上空が開け、日の出別の乗った天の鳥船が航行しているのが見えた。一同はいつの間にか、野天の野原に出ていた。
- そこへ、出雲姫と名乗る三五教の女宣伝使が現れ、日の出別一行が、峠で待っていると言って道案内を始めた。
第十九章 馳走の幕(545)
- 一行は出雲姫の案内で、タカオ山脈のコシの峠に着いた。日の出別命、岩彦、鷹彦、梅彦らが岩石の上に体を伸ばして寝ている。
- 出雲姫は、日の出別らは休息中なので、一同はここで日の出別らが起きるまで待っているように、と言って素早くどこかへ行ってしまった。
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三人は寝ている宣伝使らに、何とかしていたずらしてやろう、と相談を始めた。岩彦にいたずらしようと足を引っ張ると、岩彦も鷹彦も起きていて、三人を叱り付ける。
- 鷹彦が三人の前に立って、霧水を吹きかけた。すると不思議にも、またしても三人は岩窟の中で、臥竜姫の館に居るのであった。
- 琵琶を抱えた美人が現れ、三人に蛇や虫や蛙の料理を勧める。そして美人は、自分はうわばみの野呂公の妻である、と告げた。
- 音彦は女を化け物と思い、退治しようといきり立つが、逆に身魂が磨けていないことを女に指摘されて、馬鹿にされてしまう。
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亀彦は怒って剣を抜いて立ち上がろうとするが、体の自由がきかない。駒彦も音彦も動けなくなってしまっていた。祝詞を唱えようとするが、脱線してまともに唱えることができなくなっている。
- 女は、三人が宣伝使の証である被面布を紛失していることを指摘した。ここに至って音彦はついに観念し、すべてを相手に任せる気持ちになった。
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すると女は、ようやく三人の心の岩戸が開けたことを告げた。そして、ここは岩窟の中心点であり、この岩窟は木花咲耶姫命の経綸の聖場にして、高照姫神が鎮まる御舎であることを明かした。
- そして執着心を捨てた心であれば、岩窟の探検を無事に終えられるであろうことを告げ、姿を隠した。
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音彦、亀彦、駒彦は今まで自分の心の中に迷い・曇りがあったことを悟り、神言を奏上した。三人は打って変わって野卑な言葉使いを改め、探検を続けることとなった。
第二十章 宣替(546)
- 三人は臥竜姫の館を後にして、宣伝歌を歌いながら九十九折の岩窟内を進んで行った。
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岩窟内の十字路で、岩彦一行にばったりと出くわした。岩彦は三人に今までどこに行っていたのかと尋ねるが、三人の言葉使いが丁寧になっていることに気づく。岩彦は、物言いが女々しいといって、三人を責める。
- 岩彦はひとしきり三人の丁寧な様子をけなすが、鷹彦と梅彦は、岩彦の方こそ魂が落ち着いていないのだ、と諭し始める。
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岩彦は他の宣伝使たちを腰抜けと言って罵るが、そこへ突然、大音響と共に火光が落下して爆発した。岩彦はあっと驚いてその場に昏倒してしまったが、他の五人は両手を合わせ、神言を唱えている。
第二十一章 本霊(547)
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巨大な火弾は、以前の女神の姿になった。女神は五人の宣伝使の御魂が開けたことを宣言し、フサの都に進むようにと命じた。そして、岩彦は心は固いがまだ開けていないので、よくなごめるように、と諭した。
- 女神は、自分は木花姫の和魂であると名乗って消えた。
- 五人は感謝に天津祝詞を唱えていると、気絶していた岩彦が起き出した。岩彦は今の爆発で、五人が死んでしまったと思い、遺体を探し始めた。
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しかし髪の毛一本見つからないので、てっきり大蛇が五人を飲んでしまったと早合点して、敵を取ろうといきんでいる。五人の宣伝使が岩彦に話しかけるが、岩彦は大蛇と会話していると思って、けんか腰で応対している。
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このとき、闇の中に六個の光の玉が現れた。そして五柱の女神と、一柱の鬼になった。各々名札がついており、女神には五人の宣伝使の名が、鬼には岩彦の名がついていた。
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自分自身の副守護神の姿を見て思い知らされ、ようやく鬼を追い払った岩彦は、五人と同じように正しい言葉を使うようになった。すると岩彦の本守護神が立派な神となって現れた。
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ここに六人の宣伝使と六柱の本守護神は、宣伝歌を歌った。やがて各自の本守護神は五色の玉となって宣伝使らの頭上に留まった。そして次第に宣伝使の体内にしみこんでしまった。
- 一行は岩窟を出て、コシノ峠を指して進んで行く。
第五篇 膝栗毛
第二十二章 高加索詣(548)
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日の出別の神がコーカス山に現れて以来、コーカス山の御宮には参詣者がたくさん参るようになった。弥次彦と与太彦は、御宮参りの道中、コーカス山に程近い町で、かつて弥次彦の下女であったお竹の家に泊まることになった。
- お竹の家も、参詣者の宿泊でいっぱいのため、お竹の家の二階の柴屋に泊まることになった。
第二十三章 和解(549)
- 夜、トイレに行きたくなった二人は、梯子を取られてしまったので、お茶を汲む土瓶の中に小便をして、それを返した。
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怒ったお竹の母は、小便入りのお茶を二人に出した。このことで、二人はお竹の父母と喧嘩を始めてしまう。見物人が集まって大騒ぎになるが、そこへ六人の宣伝使がやってきて、宣伝歌を歌った。
- 一同は宣伝歌にあわせて踊り舞い、喧嘩は収まった。そして一行はコーカス山に向かって進んで行った。
第二十四章 大活躍(550)
- 六人の宣伝使と弥次彦、与太彦は、途中林の中で野宿をした。しかし起きてみると、音彦、弥次彦、与太彦を残して五人の宣伝使の姿が消えてしまった。
- 弥次彦と与太彦は騒ぎ出すが、音彦は慌てず、追ってフサの都に歩いて行こう、と先を促す。弥次彦と与太彦はおかしなやり取りをしている。
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すると、にわかに人馬の物音が聞こえ、三人はウラル教の捕り手たちに囲まれてしまった。弥次彦と与太彦はものすごい勢いで拳をふるって血路を開き、駆け出した。音彦はその後を宣伝歌を歌いながらゆうゆうと進んで行く。
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ウラル教の捕り手頭は、三人を捕らえるように下知するが、捕り手たちは口ごたえして動かない。捕り手頭は一人で追いかけようとするが、馬に振り落とされて帰幽してしまった。
- 捕り手の一人・八公は仕方なく、一人で峠を下って宣伝使らを追いかける。
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音彦らは丸木橋を渡って逃げるが、さらにウラル教徒らに囲まれてしまい、逃げ出す。荒男の館に迷い込んでまたそこから逃げ、泥田にはまりこんでまたそこから逃げる。
- 最後に小鹿峠に追い込まれ、数百人の捕り手に囲まれた三人は、決死の覚悟で断崖の谷間に飛び降りた。
信天翁(三)
- 顕幽神の三界を説き明かす霊界物語は、神の御言をかしこみて朝夕に述べているものである。
- しかし智者学者と自認する人たちは、「瑞月は百科全書を読破して、それを種に書いているのだ」と中傷するのである。
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いったい、何を根拠にそんなことを言っているのか。百科全書を全部暗記して、それを種にして著作しているというなら、それはそれで、人間業を超えてたいしたものであろうが。そもそも、三日で千二百五十ページを口述する、この大著述が、人間業でできるものではないのだ。
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「神諭は、大開祖の書いた錦の糸である。それを変性女子が手を入れて劣等糸にしてしまったのだ」などと言って、元の筆先を調べてみたら、錦の糸どころか元は桑葉のようなものであったことにアフンとして、今度は神諭はさっぱり当てにならないと、自己の不明を触れ歩くような人が、そのようなことを言うのだ。
- 一日も早く迷いの雲を晴らして、真如の日月を、迷える人の心天に照らさせたまえ。惟神お願い奉る。
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「今の大本の変性女子は偽者で、やがて本物が現れる」「女子の御魂を根本改造しなくては、誠の道はいつまでも開けない」といって他に候補者を探しても、見当たらない。
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「時節を待てば、みのか尾張の国の中で、変性女子がわかってくる。そうしたらもう大本も駄目だろう。一足先に行っているので、皆様あとからゆっくり来なさい。盲目千人の中の一人の目明きが気をつけるぞよ」などと慢心している、王仁はこのような言葉を聞くにつけて、気の毒でたまらない。
- こんなわからぬ奴ばかり。盲目ばかりが物を言う。
以上
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