とよたま愛読会150回
「如意宝珠 15巻
11章 〜
18章 婆勇」
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記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp
日 時 平成21年 3月22(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先 03-3321-3896、 03-3321-8644
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。
霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
物 語 如意宝珠 15巻(寅の巻)
11章:大蛇退治の段 〜 18章:婆勇
★ 報告:
陽春の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います、第150回とよたま愛読会の報告をお送りいたします。
今回は、十五巻の第二篇と第三篇を拝読いたしました。
第二篇はたった一章から成り立っている篇です。古事記の須佐之男命の大蛇退治の段の言霊解が解説されています。
それによると、明治三十一年に聖師様が綾部に向かったのは、素盞嗚尊が憑依して神の経綸地に向かったのであり、それは正に古事記の予言が実現したことであった、とあります。
変性男子たる開祖は、古事記の足名椎・手名椎であり、その娘たる櫛名田姫とは、金勝要神のことであるとともに、天下万民のことでもある、とあります。国常立尊は素盞嗚尊の素性を知って、喜んで天下万民を素盞嗚尊に委ねた、とのことで、これが聖師様と開祖様の出会いであったというのです。
するとそもそも、人民の悪化を嘆きながら如何ともしがたく悩んでいた国常立尊が、素盞嗚尊に天下万民の化育を委ねたところから、大本教が始まった、ということになります。
そして大蛇退治の段の言霊解がさらに進められていますが、瑞の霊魂なる速須佐之男命は一大金剛力を発揮して、(人民を)本来の日本魂に立替え立直した、とあります。
その後、速須佐之男命は『斯の如く、天下の万民の身魂の改良を遊ばして、足名椎、手名椎の御魂の御渡しになるに就ては、相当の歳月を要したのである。或は神徳を以てし、或は物質力を以てし、或は自然力を以てし、或は教戒を以てし、慈愛を以てし、種々の御辛苦を嘗めさせ玉ふ其神恩を忘れては成らぬのである。』とあります。
これはまるで、素盞嗚尊の御経綸が完了して、すでにミロクの世が到来したかのような表現になっています。明治三十一年に始まった御経綸は、古事記の大蛇退治の段に託された予言のとおりに、このように成就する、というお示しなのでしょうか。それとも第二次世界大戦から今日に至る歴史の中で、聖師様の御経綸はすでにこのように完成されている、というお示しなのでしょうか。
この章は大正九年の講演筆録なのですが、いずれにしても、今から見ますと非常に大胆な内容をさらっと漏らされておられます。おそらく当時の人々は、聖師様が何をおっしゃていたか、まったくわからなかったことと思います。
★ 拝読箇所で気のついたこと
霊界物語 第十五巻 如意宝珠 寅の巻
第二篇 古事記言霊解
第十一章 大蛇退治の段(五七八)
- 追放された素盞嗚尊が降られた出雲国とは、いづくもの国、という意味で、地上一切の国土のことである。
- 肥河上は、万世一系の皇統を保ち、完全無欠の神政を樹立する日本国、という意味である。
- また鳥髪の地とは、十(たり)の神の顕現地、ということである。厳の御魂・瑞の御魂が神業に従事する世界経綸の地という意味である。
- 素盞嗚尊は世界を大改良するためにあまねく天下を経歴した後、ついに地質学上の中心である、日本国の高天原である至聖地に降臨し給うた。
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自分が明治三十一年の八月に、瑞の御魂の神代として高座山より退われて、綾部の聖地に降ったのは、即ち素盞嗚尊が一人の選ばれた神主に憑依して、神世開基の出現地に参り上って神の経綸地であることを感知された、という古事記の予言が実現したのである。
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肥の河上より箸が流れてきたのを見つけた、という尊の故事は、箸も橋も渡すという意味があり、悪を去って善に遷らしめる神教の意味である。神諭にも、綾部の大本は世界の大橋である、とある。
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しかしこのような立派な教えも、邪神のために流し捨てられて日に日に神威が落ちて行くことが、ここに暗示されている。設立当時に某教会が開祖の教えを隠し、瑞霊を追い返して自分の教会を開設したような状態が、『ハシ』が川から流れた、ということである。
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老夫・老女が童女を中に置いて泣いていた、という故事は、変性男子(国常立尊と開祖の身魂)がすべての人民を心配している、ということを表す。またオトメの言霊解は、「日本固有の大和魂の本能、花も実もある神人」の意である。
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明治三十一年秋に、瑞の御魂に須佐之男神が懸かって、老夫と老女の合体神である開祖に面会した。そして櫛名田姫は本守護神金勝要神である。これはこの古事記の一節が実現したということである。
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遠い外国の地は、数千年来悪神の企みによって混乱を来たし、またその悪思想によって日本魂が絶滅しつつある。ただひとつ、神国固有の日本魂たるオトメが残ったのみである。変性男子はこれをなんとかお守りしなくてはならない、と天下を嘆き、しかしその方法がわからずに天に向かって号泣されていた。
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悪神の本体はひとつであるが、その意を汲んで世界覆滅の陰謀に参加しているのは、八人の頭株である。その下には無数の手下があって活動している。これが「身一つに頭八つ尾八つあり」ということである。
- 八つ頭とは、英、米、露、仏、独、伊などの強国に潜伏している現代的大勢力の巨魁のことである。地球上の各国は、みなこの悪神蛇神のために苦悶している。
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ここに天より降った須佐之男命は、老夫なる国常立尊の神霊に対して、万民の救済を一任して欲しいと宣した。国常立尊は、あなたのご職掌をお教えください、とお尋ねになったので、須佐之男大神は、自分は天照大御神の実弟で大海原をしろしめす職掌である、とお答えになった。
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変性男子の御魂はそれを聞いて大変喜び、自分の人民を貴神にお預けする、とおおせられた。これが明治三十一年の秋に、変性男子と変性女子の身魂に神懸かりがあったときの御言である。
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瑞の霊魂である速須佐之男命は、二霊一体である神政開祖の神人より、人民の守護化育を一任され、一大金剛力を発揮して本来の日本魂に立替へ立直しをなし、更に進んでその実行者とし賜うた。
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天下万民の身魂を改良して、足名椎・手名椎なる変性男子の御魂にお渡しするには、相当の歳月を要した。あるいは神徳、物質力、自然力、教戒、慈愛をもって導かれたそのご神恩を忘れてはならない。
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速須佐之男命は変性男子の御魂に対して、立派に日本魂を作り上げられたことを神々に報謝するため、瑞垣を巡らして祭壇を設け、清らかな酒を捧げるべきである、と述べられた。
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しかし八岐大蛇に憑依された悪神の眷属どもが、大神酒を飲んでしまった。瑞の御魂の大神は、世界人民の不行跡を見るに忍びず、神軍を起こしてこの悪鬼蛇神の憑依した身魂を切り散らし、亡ぼされた。
- 「肥の河」なる世界の祖国日本の上下人民は、心から改心して血の赤い真心となり、世界の人民と同じ血族のごとくなり、永遠無窮に天下が治まったのである。
- また、大蛇の尾から都牟刈之太刀を発見した、という故事は、葦原の中津国の下層社会の人民の中に、立派な金剛力の神人を見つけた、ということである。
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都牟刈之太刀とは言霊学上から言うと、伊都能売の身魂であり、三千世界の大救世主のことである。徳をもって人民を悦服せしめる一大真人、日本国の柱石にして世界治平の基となるべき神器的神人をして、草薙剣というのである。
- また草薙剣とは、日本国全体のことでもある。この神国を背負う真人は、草薙神剣の霊魂の活用者である。
第三篇 神山霊水
第十二章 一人旅(五七九)
- 追放された素盞嗚尊は、母神に会おうと地教山にやってきた。しかし、バラモン教の鬼掴の一団に囲まれてしまう。
- 尊が鬼掴を放り投げると、その勢いに辟易したバラモン教の一団は逃げてしまう。尊が山を登っていくと、大蛇に道をさえぎられた。
- 困惑している尊の前に、母神・伊邪冊命が現れ、世界を遍歴して八岐大蛇を退治し、叢雲の剣を得て天照大御神に奉るように、と命じた。
- 尊は母神の命を奉じることとし、山を降った。降る途中、帰順した鬼掴を共とし、西南指して進んでいった。
第十三章 神女出現(五八〇)
- 神素盞嗚大神は、天の岩戸の変の責任を一身に負って、世界漂泊の旅に出た。神素盞嗚大神は、神代における武勇絶倫の英雄である。山に囲まれた西蔵の国にお出でになった。
- 鬼掴はその昔、ペテロの都に現れた道貴彦の弟で、高国別の後身である。何度か生まれ変わった後、神命により地教山で神素盞嗚大神の登山を邪魔したが、実は大神を助けようと待ち望んでいたのである。
- 二人は雪深いラサフの都で一夜の宿を取ろうと一軒の藁屋を叩いた。この家の者によると、神素盞嗚大神がお隠れになって以来、邪神がはびこり、そのため国人のうちで心あるものは、茶断ち・塩断ちをして大神の再臨を待ち望んでいるのだ、という。
- 二人は夜中に人声で目を覚ました。神素盞嗚大神は、高国別に様子を探ってくるように命じた。高国別が忍び足で声のする方に行くと、大勢の男女が野原で祈願をしている。そして一人の幣を持った男について、丘に向かって走っていく。
- 高国別は一同の後を追っていくと、不思議にも皆、姿を消してしまった。高国別が丘の上に行くと、一人の娘がもろ手を組んでうつむいている。
- 高国別は娘に声をかけるが、返事がない。やにわに娘は高国別に紐をかけると、背負って走り出した。しかししばらくして倒れてしまった。高国別は凄んで、娘に訳を聞こうとするが、娘は高国別の素性や神素盞嗚大神のことを知っている風である。
- 高国別はてっきり邪神の化身と思って娘を問いただすが、娘ははぐらかした答えしかしない。高国別は娘の頭がおかしいと思って去ろうとするが、娘はまたしても紐で高国別を引っ掛け戻し、おかしな問答を続ける。
- 高国別は消えた村人たちの後を追ってその場を去ろうとすると、たちまち地が凹み、地の底に落ち込んでしまった。
第十四章 奇の岩窟(五八一)
- 実は娘は木花姫命の化身であり、高国別の心を固めようとして問答を仕掛けたり、引っ掛け戻しをしたりしていたのであった。
- 木花姫命は、岩窟を探検して魔神に悩まされる多数の生霊を救うように、と高国別に命じて姿を消した。
第十五章 山の神(五八二)
- 高国別は岩窟で不思議な女神を追いかけるうち、落とし穴にはまって命を落としてしまう。天国をさまよううちに、宣伝使亀彦、梅彦ら一行と出会い、活津彦根神と呼ばれる。亀彦と梅彦はそれぞれ、神素盞嗚大神の娘である菊子姫、幾代姫と夫婦となっていた。
- そして高国別は神素盞嗚大神の長女である愛子姫と契りを結ぶが、木花姫神が現れて、まだ現界に役割が残っているとして生き返る。
- 目を覚ました高国別は、深い井戸の底に落ち込んでいることに気がついた。そこへ天国で見たとおりに亀彦、梅彦、菊子姫、幾代姫、愛子姫が現れる。
- 井戸の底から石段を上ってきた高国別は、一同と合流する。夢で見たとおり、愛子姫は高国別を夫として迎え、六人で岩屋の探検に進んで行くことになった。
第十六章 水上の影(五八三)
- 亀彦、梅彦ら五人は、神素盞嗚大神のあとを追って西蔵にやってきたところ、女神の導きによって高国別を救うようにと、岩窟にやってきたのだ、と語った。
- 一行は、岩窟の中で鬼によって苦しめられていた老若男女を救った。さらに奥へ進んで行くと、岩戸の裏側に一人の女が縛められている。女は、愛子姫の従者・浅子姫であった。
- 浅子姫は、岸子姫・岩子姫らと共に愛子姫らを追って西蔵にやってきたが、ウラナイ教の蠑?別によって捉えられてしまったのだ、と語った。そして岸子姫・岩子姫の安否を気遣った。
- さらに進んで行くと池があり、岸子姫と岩子姫は、池に重りをつけられて投げ込まれ、苦しんでいた。梅彦と亀彦は池に飛び込んで二人を救出した。
第十七章 窟の酒宴(五八四)
- 岩窟の中に館があり、高姫、黒姫、蠑?別を始めとするウラナイ教の信徒たちが酒宴を張っている。
- 黒姫は、池に投げ込んでおいた岸子姫と岩子姫を連れてきて、芸をさせて慰みものにしようと案を出す。丁ン助と久助は、二人を池から連れてこようとするが、池のほとりには三男六女の宣伝使たちが立っていた。
- 丁ン助と久助は恐れをなしてへたり込んでしまう。亀彦が二人を怒鳴りつけると、二人は逃げ出してしまった。
- 丁ン助と久助が、宣伝使たちがやってきたことを知らせると、館の門前に宣伝歌が響いてきた。高姫、黒姫、蠑?別らウラナイ教の一同はたちまち苦しみを覚えてその場に倒れてしまった。
第十八章 婆勇(五八五)
- 苦しみながらも黒姫は気を取り直して立ち上がり、ウラナイ教の一同を正気づけようと演説を行う。
- それによると、変性女子の霊や肉体を散り散りばらばらにして血をすすり、骨を粉となし、再びこの世に出てこないように封じるのがウラナイ教の宗旨である、とする。そして神素盞嗚大神を罵倒するのであった。
- しかしますます激しく響いてくる宣伝歌に逆上して、高姫や蠑?別は同士討ちを始めてしまう。
- 黒姫は一人、懐剣を持って門前に走り出た。しかし宣伝使たちの勇姿を見ると、肝をつぶしてその場に泡を吹いて立ち止まってしまった。
- その様子のおかしさに、宣伝使たちは思わず吹きだした。
以上
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