とよたま愛読会151回
「如意宝珠 15巻19章 〜 16巻03章」
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記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp
日 時 平成21年 4月26(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先 03-3321-3896、 03-3321-8644
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。
霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
物 語 如意宝珠 15巻(丑の巻)19章:第一天国
〜 16巻 3章:門番の夢
★ 報告:
新緑の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。
今回の拝読会は、MGNさん、SOTさん、IWTさん、KKUさん、SRWさん、DTCさん、そして私望月の七名でした。
言霊別命は、国祖退隠後に幽界にて少彦名命となっていたが、再びこの世に生まれてきて、言依別命と現れます。
第十五巻の後半は、言依別命が供の玉彦、厳彦、楠彦を連れて、斎苑館に神素盞嗚大神を訪ねるところから始まります。
一行は斎苑に至る中途の河鹿峠で、突然の強風に谷底に吹き落とされ、天国を探検します。
そこで国祖・国治立大神、神素盞嗚大神に面会し、現界での役割を告げられ、現界に戻ってきます。
斎苑館に着いた一行ですが、神素盞嗚大神は神業のために留守をしていました。後を守る大神の子息・八島主らに歓待されているさなか、バラモン軍が大軍を率いて襲ってきます。
八島主を始め宣伝使らは霊縛によってバラモン軍を撃退します。
その後、言依別命一行はコーカス山に詣で、社を守る松代姫に神素盞嗚大神の消息を伝えました。
跋文では、霊界の様子が簡潔ながらも明瞭に示され、十五巻は終わります。
十六巻からは、神素盞嗚大神の八人の娘らが、バラモン教の悪神に捕らえられ、舟に乗せられて海に流されてしまいますが、世界各地で冒険を繰り広げる物語が始まります。
まずは顕恩郷から流された英子姫・悦子姫主従が、日本の天の橋立に流れ着き、バラモン軍の追っ手に悩まされながら、宣伝使・亀彦と合流し、由良の港の秋山彦の館に難を逃れます。
★ 拝読箇所で気のついたこと
霊界物語 第十五巻 如意宝珠 寅の巻
第四篇 神行霊歩
第十九章 第一天国(五八六)
- 神素盞嗚大神は、西蔵を越えてフサの国を打ち渡り、ウブスナ山の山頂に隠れ家を定めて、密かに神徳を現していた。
- 瑞霊の元津祖・豊国姫神の分霊である言霊別命は、国祖御退隠の際に幽界にて少彦名神となっていたが、神素盞嗚大神が漂泊の旅に出たと聞き、貧しい身分の人の腹を借りて、再びこの世に現れて、言依別命となった。
- 玉彦、厳彦、楠彦は言依別命の供となり、月の国を越えてフサの国の都・タールへと着いた。タールの都では、吾勝命が日の出別神と現れて、神政を敷いていた。言依別命一行は日の出別神に面会し、神素盞嗚大神の隠れ家を教えられ、喜び勇んで河鹿峠を越えていった。
- 神素盞嗚大神はウブスナ山の山頂、斎苑の高原に宮殿を構え、八十猛神に守らせた。自らは千種万様に御姿を変じ、変幻出没して御国を守らせつつあった。
- 斎苑の館に至るためには、河鹿峠を越えていくのが順路である。言依別命一行は、急坂を駒にまたがって進んで行く折、突風に煽られて谷底に転落してしまった。
- と思う間に、一行はとある風景のよい高山の麓に降ろされていた。一行は、ここは天国ではなかろうかと不思議に思っていると、天の磐船が降りてきた。中から八人の童子神が現れると、大神の命であるとして言依別命一人を招きいれ、行ってしまった。
- 残された玉彦、厳彦、楠彦は、足の続く限り進んで行くこととした。途中、美しい河につかって禊をすると、三人の衣服は、鮮花色に変じた。
- すると向こうから、多数の奇妙な鳥を連れた男がやってきた。男は、言依別命の命により、三人を迎えに高天原からやってきたという。男は言代別神・松彦と名乗った。
- 松彦は鳥たちを辺りに放すと、三人を案内して進んで行った。すると、鏡のように輝く岸壁に行き当たった。ここは鏡の岩と言い、三人が降り立った第二天国の終点にあたるという。鏡の岩を越えなければ、第一天国に入れない関門であるという。
第二十章 五十世紀(五八七)
- 三人はどうやって鏡の岩を突破しようかと思案に暮れている。松彦は、河鹿峠で吹き飛ばされて失った、三人の肉体の死骸と、乗ってきた馬の死骸を持ってこなくては、天国に入れない、と謎をかける。
- 厳彦は、松彦の謎にある「馬」は心の駒を表し、「肉体」は魂のことであると気づいた。そうして、自分たちが天国の美しさに心の駒の手綱を緩め、魂を宙に飛ばしてしまい、祝詞の奏上を忘れていたことに気づいた。
- 三人が天津祝詞を合奏すると、鏡の岩が自然に開かれて、大きな道が現れた。一行が進んで行くと、向こうから小さな五人連れの男女が歩いてきた。松彦は、これは五十世紀の人間の魂である、と説明した。
- 一行は美しい湖水の岸についた。松彦は三人を舟に迎え入れると、高天原さして漕ぎ出した。やがて、波の彼方の一つ島に、麗しい金殿玉楼が見えてきた。一行は上陸すると、壮麗な門をくぐり、松彦の案内で中に進んで行く。
第二十一章 帰顕(五八八)
- 一行は、金砂、銀砂、真珠を敷き詰めた清庭を進んで行くと、黄錦の制服を着た神人が迎え出た。それは言依別命であった。言依別命は一行を宮殿の奥へ招きいれ、国祖・国治立命に面会した。
- 次に、神素盞嗚命に面会した。神素盞嗚命は、言依別命ら一行四人は、聖地の有様を観覧してから現界に復帰し、使命を果たした後に再び高天原に帰り来るように、と神命を申し渡した。
- その後、一行は松彦の案内で聖地の様子を見聞した後、松彦から与えられた四つの金色の翼を着けると、気がつけば河鹿峠の谷底に倒れていた。馬は辺りで草を食んでいる。
- 一行は高天原の様子を見せてもらったご神恩に感謝し、天津祝詞を奏上すると、馬に乗って山中を進んでいった。
第二十二章 和と戦(五八九)
- 言依別命一行は、神界探検の後、ウブスナ山の山頂指して進んで行く。斎苑館の門前で呼ばわると、八十猛神の長と名乗る、国武彦が出迎えた。斎苑館では、神素盞嗚大神は不在で、長男の八島主、娘の愛子姫、幾代姫、亀彦、梅彦が留守をしていた。
- 八島主らは一行を館の奥に招いて、歓迎の宴を開いた。そこへ八十猛神が慌しく現れ、バラモン軍の襲撃の急を告げた。そして国武彦が奮戦中だが、旗色が悪く、一行にコーカス山に退避するようにと注進した。
- しかし八島主を始め、招かれた言依別命ら一行も、まったく意に介せずに宴を続けている。亀彦と梅彦は、事態の急に押っ取り刀で防戦に出ようとするが、愛子姫に引っ掛け戻される。
- 遂にバラモン軍の鬼雲彦が血のついた槍を持ったまま宴の場に現れて、一同に降伏を迫った。また鬼掴もやってきて一同を脅すが、八島主らは泰然として宴を続け、鬼雲彦と鬼掴の様子を笑いの種にしている。
- 怒った鬼雲彦は、手下に下知して八島主らを襲わせるが、八島主はバラモン軍に霊縛をかけた。鬼雲彦らはその場に硬直して動けなくなっているところへ、国武彦と八十猛神が現れた。
- 国武彦と八十猛神は、天より日の出神に率いられた神軍が現れて、形勢逆転し、バラモン軍は打ち負かされて倒れ伏している、と報告した。言依別命と八島主は、玉彦に命じて敵味方の負傷者を治療しに行かせた。
- 厳彦と楠彦は、奥の間で硬直している鬼雲彦ら将卒たちに、宣伝歌を聞かせている。八島主は、腰から下だけ霊縛を解くと、バラモン軍は上半身が硬直したまま、その場を逃げ出した。
第二十三章 八日の月(五九〇)
- 言依別命一行は、八島主らに別れを告げて、琵琶の湖を越え、コーカス山に詣でた。
- コーカス山を守っていた松代姫は、一向らに神素盞嗚大神の消息を尋ねた。言依別命から大神の消息を聞いた松代姫は、無事を聞いて喜んだ。
跋文
- 神霊界の状態は、肉体人の住居する世界を似ている。
- しかしお互いに相見ることはできない。これは神の定めた顕幽の区別の法なのである。
- 現世の人は、精霊界に入ったときに、神の許しを得て、初めて霊界事象を見聞することができるのである。
- また天人や精霊界の住人は、鎮魂帰神の法によって人間の体を借りて憑依したときに、現界を見聞し、また人に話しかけることができるのである。
- 現界人は、物質的な思考に偏っているので、現界と霊界の相似に惑わされて、死んだ後もまだ生きていると思い込んでしまう者が多いのである。
- 現実界を後にして精霊界に移ることを死と言う。死んだ者は、身魂に属していたものをことごとく霊界に持っていくのである。
- 物質的な形骸は残していくが、死後の生涯に入った後も、同じ形の身体を保つ。しかして、物質的な事物からは分離し純化し、霊的活動を行うのである。
- 精霊界に身をおいても、名位富寿の願いや思索も学術もあり、現世で身に持っていた一切をもって活躍するのである。死によって自己本来の生命は決して失われない。
- 再び現世に生まれてくるのは神の意思によるのだが、その際記憶は一切忘却される。これは刑罰の一種である。一度霊界に復活してから、また娑婆に戻されるのは、不幸の御魂なのである。
- 人は現世にあるときに、五倫五常の道を踏んで、神の御子たる天職を尽くさなければ、中有界に踏み迷ったり、根底の国に落ちたりしてしまう。
- 真の神を信仰し、善と美を尽くして人の本分を力限りに努め、永遠無窮の天国に進んで行く用意を怠らないことである。
- 顕幽一致、生死不二である。生を軽んじ死を重んじることはならず、また生を重んじ死を軽んじてもだめである。
- 刹那刹那に身魂を磨き清めて神界と現実界の万物の大経綸の神業に惟神に尽くすべきである。
霊界物語 第十六巻 如意宝珠 卯の巻
序文
- いよいよこの十六巻より、太古における日本国内の物語となります。十五巻までは、天教山と大台ケ原山を除いて、すべて外国の物語でした。
- 神素盞嗚大神の八人の娘の一人・英子姫は、メソポタミヤの顕恩郷から邪神によって舟に流され、日本海に至って丹後の国天の橋立付近の竜燈松の根元に安着します。
- しかし大江に割拠するバラモン教の鬼雲彦の手下らによって種々の辛酸を嘗め、由良の港の秋山彦の館に逃れます。
- そして父・神素盞嗚大神および国治立命の御分霊なる国武彦命に面会し、大江山の白狐・鬼武彦らに救われます。
- その他、ウラナイ教棟梁の高姫・黒姫らの大活動によって、剣尖山麓の禊の大修行や、皇大神の貴の御舎の建設が成る物語や、悦子姫ら一行が天の真奈井嶽に向かって豊国姫命のご降臨地を訪ねる一幕など、厳の御魂、瑞の御魂の大神が、綾の高天原の蓮華台上に、神秘的経綸の基礎を開き給う深遠なる経緯の大略を述べました。
- 引き続き数巻に渡り、内地の物語が続きます。
- 数十万年前の神代の物語ですが、神様の意思を表白するために、便宜上近代の言語を用いていますので、ご諒承ください。
総説歌
- 二十五年の時津風、待ちに待った三月三日に、天地の神の集まる園に、民は小径をなして集い来る。
- 豊国姫命の分霊にして瑞の御魂の開け口である大八洲彦命の、三五の月の教えは、五六七殿に、神代を明かす物語となる。これを清く伝えて末の世の鑑となそう。
- その礎を固めた瑞霊は、厳霊を経となす。緯機織り成す瑞月の過去・現在・未来にわたって述べる言の葉も栄える。
- 天の橋立や文殊の知恵の神心を表す。身は虚空蔵の空に置き、妙音菩薩、最勝妙如来、三十三相観世音、また大日如来と現れる日の出神の御活動。
- 木の花咲耶姫神は、松の神代の開くまで深い経綸を弥仙山に仕組み、曲津の荒ぶ世の中に、心を配り気を配ってこの世を渡す地蔵尊である。神も悪魔も助け行く。
- 大慈大悲の弥勒神が現れ出て治める世は、亀の齢のように永く、また隅々まで荒波に漂う世人を救おうと綾の高天原に現れて、教えを流す。
- しかし闇に迷う人は、神の光も見えない。そんな中、春の嵐に吹かれながらも、教御祖を祀った珍の御舎を伏し拝み、身を横たえて神霊の厳しい鞭に打たれながら、横に立って述べてゆく。
- 神素盞嗚大神の八人の娘子が、メソポタミヤの楽園を後にして、父の遭難を風の便りに聞いて、豊葦原の八洲国を西や東へ隈なく尋ね来る。姿をやつして、父にめぐり合おうと御跡を慕う、悲しい神代の経緯を述べる。
- 三月三日に因んだ、瑞の御魂の和魂である大八洲彦命の神実を、五六七殿に演芸の守り神と祀り、誠ひとつの教え子は、二心あらじと仕え行く。
- 御世の栄えはいつまでも、神徳かおる大八洲、常世の闇を照らす十曜の神紋が輝く棟を眺めつつ。
- 玉の御柱をつき固めて栄える御代を待つ。御国の先祖と現れた国常立大神の教えを開き、教えの光は朝日と照らして輝き、馥郁と教えの花は香る。
- 遠い神代の昔から幾億年の末までも見極めつくす神の言葉を、うなじに受けて説き明かす。三五の月の数は満ちて、四四十六の菊の巻。九月八日の神界の錦の機の糸口を、道の友と結ぶも嬉しい。
- 五六七の末まで堅磐常磐に宣り伝える。口の車や筆の梶は果てしもなく進んで行く。今日の生日ぞめでたいことである。
第一篇 神軍霊馬
第一章 天の橋立(五九一)
- 顕恩郷を鬼雲彦から取り戻した神素盞嗚大神の娘たち・八乙女らだったが、鬼雲彦は東に逃げて教線を延ばした。
- 神素盞嗚大神が千座の置戸を負って追放された後は、五人の娘たちは邪神に囚われて、小さな舟に乗せられて海原に捨てられてしまった。
- 英子姫は従者の悦子姫とともに舟に捨てられ、長く苦しい航海の末に天の橋立の竜燈松の根元に着いた。
- そこへ四五人のバラモン教の捕り手が現れて、英子姫らを探し始めた。しかし捕り手たちは酒に酔っている。鬼虎は英子姫を幽霊だと思って腰を抜かしてしまう。
- 悦子姫は捕り手たちに霊縛をかけて、その間に主従二人はその場を逃げ出す。
第二章 暗夜の邂逅(五九二)
- 英子姫と悦子姫は、バラモンの捕り手から逃げて由良の港の手前の山道までやってきた。そこで偶然、亀彦の宣伝使と再会する。
- その場には源洲、金洲という追いはぎがいた。亀彦は追いはぎたちを追い払い、三人はこれまでの旅の様子や神素盞嗚大神の行方について、情報を交換し合う。
- そこへ再びバラモンの捕り手たちが大人数でやってきた。三人は奮戦して血路を開く。バラモンの捕り手たちはその勢いに辟易して逃げ散っていく。亀彦は西へ、英子姫と悦子姫は東へと走り去る。
第三章 門番の夢(五九三)
- 亀彦は追っ手を切り立てて追い詰める。追い立てられた捕り手は、亀彦に英子姫・悦子姫のことを思い出させて窮地を脱する。亀彦は姫らの安否を気遣って、元来た道を走って戻っていく。
- 一方、英子姫と悦子姫は、由良の港の秋山彦の館の門前にたたずんでいた。しかし門番によって見つけられ、館の中に連れ込まれてしまう。
- そこへ亀彦が追いついて、門を叩き始める。門番の銀公と加米公は、亀彦とおかしな問答を繰り広げる。
- 門番が門を開けると、亀彦は姫の行方を追って中にどんどん入ろうとする。二人の門番は亀彦の足に食らいついて止めようとするが、亀彦は二人を引きずりながら館に近づいていく。
以上
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