とよたま愛読会154回
「如意宝珠 17巻 序文 〜
8章」
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記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp
日 時 平成21年 7月26(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先 03-3321-3896、 03-3321-8644
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
物 語 如意宝珠 17巻(辰の巻)
序文 〜 8章
蚯蚓の囁
★ 報告:
今回の拝読会は、KWMさん、SOTさん、TKGさん、SRWさん、DTCさん、KKUさん、そして私望月の七名にて行われました。
物語は、にわか宣伝使の岩公、勘公、櫟公、鬼彦、鬼虎五人が、平助、お楢、お節親子らとともに、真名井ヶ原に参詣する場面から始まります。
にわか宣伝使の五人は、白狐のために着物を奪われて、裸で雪の山道を進ませられます。
途中で本物のお節を岩窟から救出しますが、平助らは五人を邪険に扱います。
雪の山道で、五人のにわか宣伝使らは神様に救われて、天女となって昇って行きます。
平助、お楢、お節はその様を見て、自らの信仰心のなさを思い知り、改心を深めます。
途中黒姫が妨害に来ますが、悦子姫の使いでやって来た音彦と青彦によって追い払われ、平助親子は無事に真名井ヶ原に到着することができました。
一方、黒姫はフサの国から高山彦を婿に取り、軍勢を率いて真名井ヶ原を襲撃しますが、青彦と加米彦の言霊に打ち破られて敗走します。
ウラナイ教の内部では、幹部の造反が進み、四天王たちは三五教に心を移していました。
真名井ヶ原の戦いに敗れた黒姫は、青彦を引き戻そうとして、青彦に想いを寄せているお節を篭絡しようと策略をめぐらします。
第六章で、悦子姫に豊国姫命が降臨して神託を下します。
そのご託宣を見ますと、豊国姫命とは、国祖の妻神・豊雲野命であることがはっきりとわかります。
すなわち瑞霊ということになります。
真名井ヶ原は、瑞霊の重要な霊場であることが明示されているかと思います。
★ 拝読箇所で気のついたこと
霊界物語 第十七巻 如意宝珠 辰の巻
序文
- 本巻は、大正十一年の陰暦三月二十五日から二十七日(新暦四月二十一日から二十三日)の三日間に口述されたものである。
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丹波村お節親子の比沼真名井ヶ原への参拝、黒姫撃退の段、鬼ヶ城に割拠する鬼熊別・蜈蚣姫夫婦の邪神が天の磐船で逃げていくところまでの、山岳を中心とした神代物語です。
- 三五教の宣伝使、悦子姫、音彦、青彦、加米彦をはじめ、三岳山の岩窟に囚われていた紫姫主従三人が救われて参加した言霊戦で終わっています。
- 地名は現代と変わっていますが、解かりやすくするために、現代の地名を用いています。
- 特に注意すべき点は、神界幽界現界共通の面白い場面が現れていることですので、注意深く読んでください。
総説歌
- 故郷の穴太寺の観音様に詣でて帰り、一日休んだその後に、腹帯を締めなおして大江山の悪魔退治の続きを語り出す。
- 一面の銀世界の中、寒さをこらえて丸裸で真名井ヶ原に詣でる五人の宣伝使は、爺・婆・娘子を背負って比治山峠を上っていくが、遂に昇天してしまう。
- 親子三人は進んで行くが、黒姫が途中で行く手をさえぎる。
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比沼真名井の霊場に首尾よく詣でて帰ってきたが、爺はこけてあの世の人となり、お節は病に伏せる。そこへ黒姫が出てきて訳のわからぬ祈祷をするが、ますます病は重くなって逃げ出してしまう。
- 幽界でお節は五人の男に襲われるが、青彦の霊に助けられ、息を吹き返す。青彦は現界でお節と夫婦の約をする。
- 三五教の宣伝使が、三岳山を乗り越えて、曲津の巣くう鬼ヶ城で一斉に言霊戦を開始する物語である。
第一篇 雪山幽谷
第一章 黄金の衣(六一二)
- 鬼雲彦によって岩窟に一年押し込められていたお節は、悦子姫によって救い出され、平助・お楢の祖父母の元に帰ってきた。
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そして三五教の宣伝使、岩公、勘公、櫟公と共に、雪の中を真名井ヶ原へとお礼参りに出かけた。爺・婆は足元に難があるため、岩公、勘公、櫟公三人は先に雪の中を発って行った。
- 話は戻って、鬼虎、鬼彦の両人は心の鬼に責められながらとぼとぼと雪道を行くうちに、路傍の糞壷に落ちてしまった。
- 厳寒の中、二人は命からがら進んで行くと、一軒のあばら家があった。着物を洗濯し、古ごもや古ござを巻いて、ようやく命をつないだ。
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部屋の隅に加米彦がいて、二人に豊国姫命の命で悦子姫より衣を授かってきた、という。鬼虎と鬼彦は喜ぶが、その着物は、真名井ヶ原に着いて体を清めてから出ないと渡せない、という。
- そこへ岩公、勘公、櫟公が追いついてきた。
- 加米彦は、家の中からぼろぼろの着物を探し出して、当面の用にと鬼虎と鬼彦に着せた。
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しばらく行くと、道端にこざっぱりとした家があり、女が招く。一同が中へ入ると、おコンと名乗る女は、鬼虎と鬼彦に禊をさせ、悦子姫からの立派な着物を授ける。
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その着物には、鬼彦は彦安命、鬼虎は虎彦命という宣伝使名が書いてあった。おコンはもうすぐ真名井ヶ原なので、ここで天津祝詞と天の数歌を唱えるように、と導師の役をする。
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一同が一生懸命祝詞を唱えていると、平助、お楢、お節の三人が追いついて来て声をかけた。気づくと、おコンも加米彦もおらず、岩公、勘公、櫟公、鬼彦、鬼虎の五人は、真っ裸で雪の中に座っていたのであった。
第二章 魔の窟(六一三)
- 五人は仕方なく裸のまま雪道を行くが、途中に雪崩にあってお節が雪に埋まってしまった。
- 鬼虎と鬼彦は、平助、お楢、お節に罵られながらも、懸命にお節を救出しようとする。
- ようやくお節を救い出すと、お節は狐に変化して、山道をかけていく。平助とお楢はその後を追って行き、五人もそれに続く。
- 平助とお楢は嘆き悲しむが、お節の狐が消えたところは、鬼雲彦の命で鬼彦、鬼虎がお節を閉じ込めた魔の岩窟の入口だった。
- 鬼彦と鬼虎は、岩窟に入っていって本物のお節を救い出そうと平助・お楢に約束して中に入っていく。
第三章 生死不明(六一四)
- 本物のお節は、まだ岩窟に閉じ込められたままであった。お節は日の出神の夢のお告げに勇気をつけられて、三五教の宣伝歌を歌いながら岩窟の中で忍んでいた。
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鬼虎と鬼彦がやってくると、お節は怒って傍らの岩石を取って打ちかかってきた。また、岩室の戸をあけると、日ごろから岩石で作ってあった石槍で、二人に突きかかる。
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鬼虎と鬼彦は岩窟を元来た道へ逃げていく。お節はつまづいて気を失うが、鬼虎は懸命に祈願して息を吹き返す。お節は鬼虎が自分を介抱してくれたことを不思議に思うが、また突いてかかる。
- そこへ平助とお楢が現れて、再会を果たす。平助とお楢の話を聞いて、お節は鬼彦と鬼虎が改心したことを知り、一行は真名井ヶ原に進んで行く。
第四章 羽化登仙(六一五)
- 魔の岩窟から本物のお節を救い出した一行は、真名井ヶ原に進んで行く。五人の男は裸のまま、比治山颪に吹かれながら坂を登っていく。
- 岩公、勘公、櫟公は寒さしのぎに、平助、お楢、お節を背負って登っていくことにした。
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平助は鬼虎・鬼彦の一年前の仕業をまだ根に持っていて、意地の悪いことを言い続ける。鬼虎と鬼彦が相撲をしたはずみに谷へ落ち込んだのを見ても、愉快気に笑って悪態をついている。また平助とお楢は、一同の心を疑って、泥棒扱いをする。
- そのうちに鬼彦と鬼虎は自力で谷から上がってきた。すると天から微妙の音楽が聞こえて空中に声がし、岩公、勘公、櫟公に宣伝使服が降された。
- 宣伝使服は三人に自然に密着すると、三人は天女の姿になって空中を翔けて真名井ヶ原に飛んでいった。
- この様を見て、お節は泣いて非を詫び、平助とお楢に改心を促した。
- 次に鬼虎と鬼彦にも宣伝使服が降され、二人も霊地に向かって空中を翔けて行った。
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平助はあんな者どもが天女になるなんて、と愚痴をこぼしている。お楢は、自分たち夫婦が若い頃から金に強欲で、人の心を殺してきた罪から、去年お節をさらわれた凶事が出てきたのではないか、と省みた。そして、これは神様が善と悪の鑑を見せてくださったのだ、と平助に改心を促した。
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五人の男が羽化登仙したのは、実は肉体では徹底的な改心ができず、神業に参加する資格がないために、神界の慈悲によって凍死せしめたのであった。そうして、天国に救って神業に参加させたのである。
- 五人の遺体は平助親子の知らぬ間に土中に深く埋められた。
- そして真の悦子姫、音彦、青彦、加米彦はすでに真名井ヶ原に到着していた。
第五章 誘惑婆(六一六)
- 平助、お楢、お節は三人連れになって山道を進んで行く。すると、行く手をさえぎる婆があった。
- 婆は真名井ヶ原の豊国姫は悪神だと罵り、自分の話を聞くようにと一行を引き止める。そして素盞嗚尊の悪口を言い出す。これはウラナイ教の黒姫であった。
- そこへ向こうから宣伝歌を歌いながら音彦と青彦がやって来た。お節も声を合わせて宣伝歌を歌うと、黒姫は傍らの茂みの中へ逃げてしまった。
- 二人は黒姫が出現したことをお節から聞いてあきれている。二人は、悦子姫の命で、平助一行を迎えにやってきたのであった。
第六章 瑞の宝座(六一七)
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樹木が鬱蒼として四方を山に囲まれた清浄の境域に、水晶のような水が流れ、所々に青い清泉が散在している。中空には微妙の音楽と共に天津乙女が舞い、霊鳥が飛び交っている。
- 苔むす麗しい巌の上に、悦子姫が立って日の丸扇を両手に持って、豊国姫命と三五教を讃える歌を歌い舞っている。
- 音彦はこれまでの宣伝の経緯を歌に歌った。そして真名井ヶ原の霊場を讃え、ここに禊して瑞霊と成り代わって曲津神を言向け和す決意を表した。
- 一同は音彦の歌に勇み立った。そして、豊国姫命が神姿を現すという中央の石の宝座に向かって天津祝詞を奏上し、宣伝歌を歌い終わった。
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そこへ加米彦が息せき切って報告にやってきた。黒姫が、フサの国からやってきた高山彦という将軍と結婚し、共に軍勢を引き連れて真名井ヶ原に攻め寄せてきたのであった。
- 音彦は青彦と加米彦に、ウラナイ教軍を言向け和すように命じ、自らは悦子姫とともに豊国姫命の神勅を乞うた。
- 加米彦、青彦が言霊を射照らすと、魔軍はばたばたと倒れ、高山彦は黒姫とともに馬に乗って遁走した。
- 二人が戻ってくると、悦子姫に豊国姫命が降臨して、神勅を降しつつあった。
◇ ご神名は、豊雲野尊またの御名を豊国姫神という。
◇ 国治立大神と共にいったん地底の国に身を潜めていた。
◇ 再び地教山に現れた。
◇ そして国土を修理固成しつつ時の至るのを待っていた。
◇ 天運循環し、天津神よりこの聖地を鎮座所と定められた。
◇ この地に霊魂を止めて自転倒島はもとより、大八洲の国々に霊魂を配って世を永遠に守る。
◇ 鬼雲彦を使役していた八岐大蛇の片割れが、鬼ヶ城に姿を隠して、聖地を窺っている。悦子姫、音彦、加米彦、青彦は進撃して敵を言向け和せ。
- 悦子姫らは豊国姫命の神勅により、鬼ヶ城へ向かった。
- 音彦は、平助親子に祝詞と宣伝歌の力を説いて聞かせた。平助らは家路についた。
第二編 千態万様
第七章 枯尾花(六一八)
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話は戻って、黒姫は高姫の肝いりで、フサの国の高山彦を婿に取る事になった。黒姫は魔窟ヶ原の隠れ家で、手下に婚礼の用意をさせながら、婿が来るのを今や遅しと待っている。
- 高山彦一行がフサの国から天の磐船に乗って到着し、黒姫の手下の夏彦と常彦が迎えに出た。
- 婚礼が始まり、黒姫と高山彦を祝歌を歌いながら舞い踊った。夏彦も余興に滑稽な歌を歌って、宴は乱痴気騒ぎのうちに夜を明かした。
- 明けて正月二十七日、黒姫は真名井ヶ原の瑞の宝座を占領しようと図り、高山彦が連れて来た軍勢を合わせて聖地に進撃した。
- 正月二十八日の大攻撃を開始したが、青彦、加米彦の言霊にさんざんに散らされて敗走し、魔窟ヶ原に逃げ帰って次の計略に着手していた。
第八章 蚯蚓の囁(六一九)
- 正月二十七日の進撃の前、三軍の将に任命された夏彦、常彦、岩高、菊若は、出発に先立って、大将の黒姫への不平不満談に花を咲かせている。
- 曰く、黒姫の言行一致が最近怪しくなってきた、というのである。そこへ黒姫が現れて、四人の言行を非難し、説教を始めた。
- そして出陣したが、青彦、加米彦にさんざんに敗北したのは、先に述べたとおりである。
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黒姫の幹部であった夏彦、常彦、岩高、菊若は、黒姫・高山彦結婚の一件以来統一を欠き、三五教に心を移しつつあった。真名井ヶ原攻撃の際も、この四人がわざと敗走したところも大いにあったのである。
- 人心を収攬するためには、ウラナイ教のように権謀術数・巧言令色では行かないのである。
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三五教はただ至誠至実をもって神業に奉仕し、ミロクの精神を惟神的に発揮するのみである。そうすれば人心は期せずして三五教に集まり、何時とはなしに天下の大勢力となる。
- 黒姫は、青彦に懸想しているお節をまず篭絡し、お節を介して青彦をウラナイ教に引き戻そうと画策していた。
以上
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