とよたま愛読会162回
「如意宝珠 21巻
序文 〜
4章」
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記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp
日 時 平成22年 3月28(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先 03-3321-3896、 03-3321-8644
参加費は無料です。事前のお申し込みも不要です。
霊界物語をお持ちでない方もご参加できます。
拝読箇所
如意宝珠 21巻(申の巻) 序文 〜
4章 月休殿
★ 報告
陽春の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。
今回の拝読会は、SOTさん、私望月の二名を集めまして無事に行われました。
第二十一巻に入りました。総説では、改めて現界は霊界の写しであり、霊界は想念の世界であり、無限に広大な精霊世界であることが説かれています。十六巻から二十巻まで、巻末に「霊の礎」が掲載されており、霊界と現界の関係が解き明かされていましたが、この総説では改めてそのことが簡潔にまとめられています。
物語は、高春山に根拠を置く、バラモン教の一派・アルプス教の鷹依姫の勢力を言向け和そうと、高姫と黒姫が出陣するところから始まります。黒姫は、アルプス教に寝返った振りをして鷹依姫に近づきますが、高姫とともに岩屋に閉じ込められてしまいます。
一方三五教の聖地では、二人から連絡が途絶えて三ヶ月が経ったことで、言依別命の密命により、竜国別(元松姫の部下の竜若)、国依別(田吾作)、玉治別(宗彦)の三人が、高春山に向かっていました。
三人は亀山の珍の館に寄り、高熊山の岩窟に参拝した後、高春山に向かいます。途中で玉治別は五人の盗人を諭して配下に加え、進んで行きます。
★ 拝読箇所で気のついたこと
霊界物語 第二十一巻 如意宝珠 申の巻
序文
- 時代に順応せよと日進月歩の時代に追従していくのも結構だが、無闇に外国のやり方ばかりに順応してはならない。
- 世界の趨勢にかんがみて、建国の精神に違わないように取捨選択し、国民を導いていくのが指導者層の義務であると思う。
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瑞月が神命によってこの物語を口述するのも、老若男女・貴賎・知愚の区別なく諒解できるようにと、卑近な言葉を使って多数者の程度を考慮して神意の一部を発表するものである。
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そのゆえに、学者の眼から見たらつまらないように見えるかもしれない。しかし要するにこの物語は、現・幽・神の三界の状況や、神の大御心の一端や、神理の片鱗のみを描き出したに過ぎないのである。
総説
- 霊界は想念の世界であって、無限に広大な精霊世界である。現実界はすべて、神霊世界の移写・縮図である。
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霊界の真象を写したのが、自然界なのである。神霊界は現界人が夢想しえないほど広大である。現界の一間四方の神社の内陣も、霊界では十里四方くらいもある。神霊は情動想念の世界であるから、自由自在に想念の延長をなしうる。
- 世界は霊界が主であり、現界すなわち形体界が従である。一切万事が霊主体従的に組織されているのが宇宙の真相であり、大神の御経綸なのである。
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現実界の他に神霊界が厳然として存在することを知らない人が聞いたら、一笑に付するかもしれないが、無限絶対無始無終の霊界の事象は、現界に住む人間の智力では到底会得できるものではない。
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この物語は現・幽・神の三界を一貫しており、過去・現在・未来を透徹している。それゆえ、読む人によって種々の批評が出てくるであろうが、現実界を従とし神霊界を主として熟読するなら、幾分かその真相を掴むことができるであろう。
第一篇 千辛万苦
第一章 高春山(六七五) :たかはるやま
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蜈蚣姫の手下・鷹依姫は、南に瀬戸の海、東南に浪速の里を見下ろす高山・高春山の頂上に岩屋を造り、バラモン教の一派・アルプス教を立てて自転倒島を八岐大蛇の勢力化に置こうと画策していた。
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山麓の津田の湖には多数の大蛇が潜伏して、日夜邪気を吐き出していた。高姫と黒姫は、三五教に改心した証として、鷹依姫を言向け和そうと、高春山に飛行船にてやってきた。
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高春山の五合目辺りに天の森という巨岩が立ち並ぶ、うっそうたる森がある。森には竜神の祠があり、雨風を自由にするといって鷹依姫が崇拝していた。アルプス教のテーリスタンとカーリンスが、この祠の警護にあたっていた。
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そこへ高姫と黒姫が登って来た。二人は、噂に聞く竜神の祠の扉を開けた。高姫は、すぐにでも、鷹依姫が拠り所としているこの竜神を言向け和して手柄を現そうとする。
- 黒姫は、焦らずにじっくり探りを入れてからとりかかろうと諌めると、高姫は黒姫の過去をあげつらって非難を始めた。
- 売り言葉に買い言葉で、高姫が師弟の縁を切ると言い出し、黒姫も三五教に来てから粗略に扱われた不満を表して、高姫に暇を告げる。
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テーリスタンとカーリンスは、竜神の聖地を汚したと言って現れ、二人を引っ立てようとする。黒姫は、竜神が自分を呼んだのだ、と言い、逆に二人に取り入ってアルプス教に寝返ってしまう。
- テーリスタンは、黒姫を鷹依姫に面会させるために、手を引いて頂上の岩屋へと連れて行った。
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後に残された高姫は、カーリンスを言向け和そうと説教にかかるが、カーリンスは鷹依姫から、三五教の高姫はアルプス教には間に合わない、と聞かされていた。高姫はカーリンスによって捕縛されてしまう。
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鷹依姫は、聖地に密偵を入り込ませていたので、高姫と黒姫が山を登ってやってくることを知っていた。テーリスタンが黒姫を連れて来ると、丁重に出迎えた。そうして、部屋に案内する振りをして、岩屋に閉じ込めてしまう。
- 鷹依姫は、黒姫を仲間にしようと黒姫の腹の底を油断なく伺っている。また、高姫は如意宝珠を飲み込んでいるので、腹を割いて玉を奪おうと考えていた。
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カーリンスが高姫を捕縛してくると、鷹依姫は庭先に下させて、黒姫を呼びにやらせた。黒姫は岩屋の中に座って、自らの心の内を宣伝歌に託して、小声で歌っていた。
- 黒姫が高姫と喧嘩をして縁を切ったのは、本心ではなく、アルプス教を油断させようと心にもなく高姫を罵ったのであった。
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黒姫は鷹依姫の前に呼び出されると、鷹依姫に忠誠を近い、倒れている高姫を拳で打ちすえてみせたそれを見た鷹依姫は、高姫の如意宝珠の玉取りを、黒姫に任せ、秘密の部屋に高姫を運ばせた。
- やがて高姫は気がついた。黒姫はここは高春山の岩窟であることを告げ、何事かを高姫にささやく。高姫は、秘密の部屋に紫色の玉があることに気がついた。
- 黒姫は、これがアルプス教の性念玉であることを告げると、高姫は紫色の玉を餅のように伸ばして飲んでしまった。
- 秘密室の外には、慌しい足音が駆け出すのが聞こえた。これはテーリスタンとカーリンスであった。
第二章 夢の懸橋(六七六)
- 高姫と黒姫が、アルプス教の鷹依姫を言向け和しに出発してから、何の連絡もないまま、三ヶ月が過ぎた。
- 言依別命は密かに竜国別(元松姫の部下の竜若)、玉治別(田吾作)、国依別(宗彦)の三人を呼んで、高春山に高姫・黒姫の消息を探りにやらせた。
- 三人は、鷹依姫の勢力範囲の地につながる岩の橋までやってきた。神智山の入口にあり、断崖絶壁を渡す天然の岩橋で、鬼の懸橋と呼ばれていた。
- 玉治別が橋を渡ると、どうしたはずみか岩橋が中ほどから脆くも折れて、玉治別ははるか下の谷川に墜落してしまった。
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竜国別と国依別は青くなって、せめて遺骸を拾ってやろうと谷底まで降りてきた。すると玉治別は何事もなかったかのように、谷川で着物を絞っている。二人は、この高さから落ちて無事なことを信じられず、本当の玉治別かどうか疑う。
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玉治別は神懸りの真似をして、二人が自分の無事を信じないことをなじる。国依別と竜国別も、神懸りの真似をして言い返すが、玉治別はさっさと谷川を下って行ってしまった。
- すると辺りが真っ暗闇に包まれたと思うと、それは夢であった。三人は亀山の珍の館にやってきた。ここは、言依別命の命で、梅照彦・梅照姫が守っていた。
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三人が珍の館の門を叩くと、梅照彦は召使の春公に、丁重に招くようにと言いつけた。しかし春公は勘違いして、立派な来客があると思い込み、みすぼらしい姿の宣伝使を乞食とみなして、追い払おうとする。
- 三人は怒って梅照彦を大声で呼びつけ、玉治別は抗議の宣伝歌を歌った。梅照彦はあわてて門に迎え出て、丁重に土下座をして不首尾を詫びた。
第三章 月休殿(六七七) :げつきうでん
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三人は、梅照彦の館で晩餐を取り、主客四方山話にふけった。玉治別は、出発前夜に岩の橋が落ちるという大変な夢を見たために、高春山への道を変えたこと、高熊山の岩窟に参拝していくのが順当であると気づいたこと、を話した。
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竜国別と国依別は、高春山に行く使命自体が、言依別命の密命であり、みだりに話すべきことではないと、玉治別に注意する。一同は口の軽さについて四方山話を繰り広げ、やがて寝につくことになった。
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玉治別はすぐに寝入っていびきをかいてしまったが、国依別と竜国別の二人は寝付かれずに外に出て庭園を逍遥する。二人は月を眺めながら話をし、月宮殿の境内までやってきた。
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二人は、お宮が古くて荒れていることを嘆く。国依別は、五六七の世になればこの宮が輝いて闇を照らし、高天原の霊国にある月宮殿のようになるのだが、真の徳が失せた世の中の姿がこのお宮に写されているのだ、と嘆く。
- 竜国別は、テンやイタチが住んでお宮を荒らしていることに、御神徳があれば、罰が当たるはずだと嘆く
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すると、社の中から声がして、畜生は畜生だから罰を当てないのだ、と言う。そして二人に対して、畜生ならば罰を当てずに赦してやろう、しかし人間ならば即座に神罰を当ててやる、と返答を迫る。
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二人は、畜生ではないのでそう言うわけにもいかず、しかし人間だと言うと神罰が恐ろしいので、何と答えようか相談している。社の声に脅かされて、ついに二人は畜生と人間が半分の身魂だと答えた。
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すると社の中の声は、半身を引き抜いてやろう、と罰を言い渡した。二人はそろそろ、お宮の声が、田吾作の声に似ていることにきづき、怪しみ出す。二人が田吾作を呼びつけると、玉治別が社の中から出てきた。
- 三人は笑いながら梅照彦の館に帰って来た。
第四章 砂利喰(六七八) :じやりくひ
- 三人は高熊山の岩窟に詣でて心を洗い魂を清め、進んでいった。戸隠岩の麓に着いて路傍の石に腰を掛けて休息を取った。
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するとそこから一丁ばかり先に、五六人の怪しい男たちがたむろして、こちらを窺っている。玉治別は、盗人を改心させるには、盗人の中に入らなければならない、と二人に言う。
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玉治別が玉公親分となりすまし、竜公・国公を子分として男たちのところへ行くと、自分は三国ヶ岳の鬼婆の片腕だと名乗った。盗人たちは、仲間に入ってくれと言うが、玉治別は、追いはぎなどは小さい盗人のすることだ、と言って、自分に付いて来るようにと男たちを誘う。
- 玉治別は、黄金の玉と紫の玉があれば三千世界のことが思いのままになる、その玉を取りに行くのだ、と言って盗人たちを自分の子分にしてしまった。
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盗人たちが言うには、自分たちの頭がいて、今三五教の本山に、徳公と名乗って入り込んでいるのだ、と明かした。玉治別は、徳公なら知っているが、あの程度の者を頭に頂いているよりも、自分たち宣伝使にしたがった方がよいと、正体を明かして盗人たちを諭す。
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盗人たちは玉治別の説得に、一も二もなく、神様の道に仕える事を誓った。このとき、宣伝歌の声が聞こえてきた。宣伝歌は、一行が高春山に乗り込んで活躍する様を歌っていた。
以上
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