とよたま愛読会20回(真善美愛:53巻 16章〜最終章) 記:塩津晴彦
日 時:平成10年4月27日(日) 午後1時〜午後4時30分
場 所:八王子市北野市民センター八階会議室2
★ 報告
朝からの雨も拝読の途中であがり、梅雨の趨りを思わせる半日、微かに三味線の音が流れる中で参加者七名は第五三巻一六章から無事に第五三巻の最終までの通読を終えました。いよいよ第五四巻に入ります。
★ 次回の拝読箇所で気のつくこと
○五月はお休みしました。
五月の愛読会は豊玉分苑と千葉分苑の合同懇親会を行った関係でお休みしました。
合同懇親会は五月三一日、絶好の五月晴れの下埼玉大宮市にある武蔵の国一宮神社である「氷川神社」へ参拝し天津祝詞を奏上し、午後は近くの閑静な会館で昼食を取りながら皆さんで信仰雑話に花を咲かせました。
○第五四巻は聖師様が大正一二年二月二一日から二三日までの三日間で綾部の教主殿に於いて口述された巻です。松村真澄(まつむらまさずみ)、北村隆光(きたむらたかてる)、加藤明子(かとうはるこ)、外山豊二(とやまとよじ)のおなじみの方々が筆録者となっています。
○この巻は前巻から続く内容ですが、新たな登場人物がいます。
☆道晴別……旧名は晴公、本名は俊彦、一家離散していたが五○巻で祠の森の神司となっていた両親珍彦・静子夫婦と再会、楓姫の兄。
☆五人の太子……アールを長男とするビクトリア王の息子達、王が悪夢を見て息子達を殺害しようとしたため、王妃は息子達を照国ヶ岳に避難させた。
☆ダイヤ姫……ビクトリア王の唯一の姫で十才の時兄たちを追って山へ入っていく。
☆ハンナ……百姓(首陀)の娘、王子アールと出会い、治国別の推薦もあり太子妃となりアールの理想の伴侶としてビクの国の大革正に寄与する。
○序文では、当時の大本教団内外の人々が『霊界物語』をどのように受け止めていたのかについて触れながら、聖師様は「本物語の目的は……現界に用ゐては大は治国平天下の道より、小は吾人が修身斉家の基本となるべき神書である」と述べられています。 そして役員等にその内容上「教典」として採用すべき部分を抜粋してみることを神示に従って要請したのですが、その結果抜粋したこと自体を神様から笑われた、と述べられています。 「……やはり霊魂の因縁相応より口述者といへども分からないものと嘆息したのである」「これを思へば人間は自我心を出さず、何事も聖慮に素直に従順に仕ふるより外に途はないと思ふ」と書かれています。(六頁)
○ビクトリア国の改良……ビクの国が理想世界へと改革されていく様がこの巻では述べられているのですが、そのために宣伝使治国別はこの国の将来を考えながら、適時に国王や大臣達に神慮の伝達を行います。特に国家の後継者をアール太子が自らの意志で選んだと言うこと、その際身分や旧習を破ってこれを行った事はビクトリア国家の変革を主導する意味でも大きな出来事だったわけです。 王家のこうした変化が国民一般の支持を受けた結果、国家大改革の象徴としての意義を果たしたことは、時代の違いはあれ、指導的な人々が真の信仰に目ざめ、その施政が国民に徹底し人々の神様への信仰が篤くなればなるほど、時代の趨勢を左右するという事が示されているわけですから、そのことを考えるとこれからの時代にとっても大変に意義の深い内容だと思います。
【 余 白 歌 】
序 文
天恩郷の花
○経綸の花の香匂う春は来ぬ 燃ゆる陽炎殊にうるはし
○新らしき御代の開くる心地して いそしみ仕ふわが身嬉しも
○万世をことほぎ奉る亀山の 下津岩根に立つる礎
総 説
○梓弓春立ち初めて信徒の 心の園に白梅かをる
○遠寺の鐘の響きも何処となく 淋しく聞えぬ天恩の郷
○古の大英雄の住みしてふ 城跡に千代の礎固む
第一篇 神 授 の 継 嗣
第二章 日 出 前
○戦ひの激しき暗の世の中の 光とならむ三五の月
○言さやぐ醜のものしり多き世に かくれて説かむ救世の御教
(大正一四・二於亀岡万寿苑)
第三章 懸 引
○草の葉の露に等しき醜の世は 月光にさへ恐れをののく
以上