とよたま愛読会28回(真善美愛: 56巻9章〜14章)  記:塩津晴彦


日 時  平成十一年一月二四日(日) 午後一時から午後四時三十分
場 所  八王子市北野市民センター八階会議室2   

★ 報告 
 平成十一年一月の愛読会は、雨時々雪という天候でしたが、神奈川県からの方を交えた参加者七名で和気藹々と『霊界物語』第五十六巻第九章から第一四章までの通読を終えることが出来ました。

愛善苑では、昨年、聖師様が高熊山で神明の教義をお開きになった開教百年にちなんだ行事を実行しましたが、いよいよ今年よりは新たな一歩を踏み出す年となります。
 皆様もお気持ちを新たに日々を過ごされておられるとは存じますが、この機会に世界経綸の御神書である『霊界物語』の拝読に参加され楽しい雰囲気の中で心機一転をされますようお誘いをいたします。

★拝読箇所で気のついたこと
○第五六巻九章(我執)では、高姫とその子分となったシャルに、神様から文治別(あやはるわけ)の名を頂いた文助がせっかく忠言してくれるのを聞いても耳を貸さず、高姫「ナニ、お前があの盲目の文助かい、ホヽヽヽヽ、そんな嘘をいふものではない。そんな立派な風をして化けて来ても、……」と取り合わず、また家の周囲では数多のエンゼルが来たって天津祝詞を奏上し天の数歌を歌ったにも拘わらず、この二人にとっては、シャル「ありや一体何でございましょう。

何万共とも知れぬ怖い顔をした鬼奴が鉄棒を持つて家をぐるりと取巻き、厭らしい鳴物を鳴らし……」としか見えない状態に陥っていたわけです。 私たちの生活でも、心の不安定な時や動揺しているときには、ちょっとした思いこみや勘違いで他人のことを誤解してしまうことがありますが、特にうぬぼれや執着の気持ちが強いときにはなおさらこうした迷のに状態陥りやすいものですね。

 やはり日頃から気持ちの安定を保つために何が必要なのか知っておくべきでしょう。どんな環境や条件にあろうとも、神様への祈りが大事だ思います。素直な気持ちに立ち返る方法として神様への礼拝が一番だと思います。

○第一○章(十字)では、その祈りの神髄が述べられています。
 求道居士が「天龍虎、王命、勝たい、大水日」と称えているのを聞いてヘルがその意義を聞いたところ居士は答えて、「この十字はバラモン教の秘伝で、起死回生諸災除攘の神秘的呪文だ。

しかし、これよりまだ尊いことがある」と説明し、ヘルが「私も貴方に助けられて、この御恩を返すためには、世界の人間も助けさせてもらひたうございます」と云うと居士は、「お前が御神徳を私せず、世界の人間を助けさしてもらひたいという誠心があるならば伝授してやろう」と話して天の数歌と惟神霊幸倍坐世を唱えることの意義を説明します、大神様から愛善の徳と真信の光明を頂くことの出来る、この神文の有難さに喜悦することが祈りの神髄ではないだろうかと思います。

この場合でも、祈る我々の心に「自分のため」とか「自分が人を救うのだ」という自愛を取り除くことが大事だと聖師様は説いておられるのです。

○ この章では、無神論的な考えを展開するベルとそれを説得するヘルの問答があり、その中で聖師様が「一神また多神」「人間は神様の一部」「誠の宝」などについてお示しがあります。 しかしケリナと求道居士はテルモン山の小国別の館へ行く途中では、先程の天の数歌の意義を理解しながらも、未だ神徳足らずとしてこの神文を唱えることを遠慮します。

 ところが改心したと思っていたヘルが実はベルと示し合わせて居士とケリナを襲ったとき、居士はこの天の数歌を唱えます。そこへ大火光と共に第一霊国の天人月照彦命が降られ二人を救います。月照「……きつと自分の命を惜しむやうな事では世を救ふことは出来ないから、何事も神に任して救ひの道を拓いたらよからう」と伝えます。

 さてこの場面での月照命の言霊ですが、なかなかに行うことが難しい内容ですね。「神様に救って頂きたい」という心境は多くの人が理解出来るし、また実生活でも度々あることでしょうが何事も神に任す、という心境になるには大変な勇気が要る事だと感じました。

○その後二人はテルモン山の神館を目指して旅を続けます。
 いよいよ『霊界物語』は印度とペリシャの国境に位置するテルモン山での神劇場面へと移っていきます。

○さてこの巻にも幾つかの外国語(主に英語)が使われています。整理してみました。

第九章
ワラックツアール…(英)挫く、破砕する
テェンジェーブル…(英)変わりやすい、変幻自在
コルブス…死体
アボッスル(英)神の使徒、キリスト十二弟子の一人の名前
ウルスヴルング…不明
インスチンクト(英)本能

第一○章
アーセズム…無神論、(自然主義・唯物論・汎神論も広義では無神論の一種)
フテキシズム(英)呪物やマジナイの崇拝、
         心理学ではあるものを異常偏愛する傾向を云う
ボリセーズム…(英)多神論、多神教
モノゼームス(英)一神教、一神論
バンエンテーリズム(英)汎神論、汎神教
マンモニスト(英)守銭奴
ピュリタン(英)清教徒、厳正潔癖な人

以上


[前回レポート] [次回レポート]

 [愛読会の拝読一覧表]  オニ(王仁)の道ページ