とよたま愛読会36回(真善美愛:59巻4章〜12章) 塩津晴彦


日 時 : 平成11年9月26(日) 午後一時から午後四時三十分まで
場 所 : 八王子市北野市民センター八階会議室2

★ 報告 
   暑い夏の日が続き、秋の爽やかさが待ち遠しい半日でしたが、愛読会は参加者一二名で『霊界物語』第五十九巻の第四章から第一二章までの拝読を無事に終えることが出来ました。
○今回一○月度の愛読会は会場の都合により第五日曜日に当たる三一日に開催します。奮ってご参加下さい。

★ 拝読箇所で気のついたこと
○序文と総説歌  この巻の「序」で聖師様は、口述地鳥取の皆生温泉から大山を眺めながら、 「……日本最初の山嶺と称へられたる伯耆大山は、白雪の頭巾をいただき高麗山を圧して聳え立ち、神素盞嗚大神が、八岐大蛇に憑依せる印度の国、ハルナの都に暴威を振ひて、天下を体主霊従的に混乱せしめつつありしその曲業を悔悟せしめ地上に天国を建設せむと、数多の三五教の宣伝使を派遣し、厳の言霊をもつて言向和さむとしたまひし時、大黒主は風を喰らつて印度の都を九十五種外道を引率し、遠く海を渡りて淤能碁呂嶋の要なるこの大山に姿を隠し、暴風雨を起こし妖邪の気を放射して人畜を苦しめたるを、大神は自ら数多の宣伝使を率ゐて安く来たりまし、天下の災害を除き、天の叢雲の剣を獲て……霊界物語にとつてもつとも由緒深き神山を朝夕うちながめ、……」この巻を口述した、と記されています。

太古の神々のご活動を記述されたものと感じますが、次にこの巻の「総説歌」で聖師様は、 「日本海の空高く  黄金の翼に乗せられて  金剛不壊の山の根に  何の苦もなく降りてゆく  弥勒菩薩と呼ぶ声に  ハツ気がつき我身を見れば  紫磨黄金の肌となり」諸々の天人に囲まれて  世界の人の前に立ち ……  完全に委曲に説き出だす  天地たちまち振動し ……  道法礼節遅滞なく 治まり海の内外も  たがいに睦び親しみて 一天一地一神の  治世を見るこそ尊けれ ……と歌われています。

まさに唯一救世主たる聖師様の『霊界物語』を通じてのお教え(苦集滅道を説き道法礼節を開示する)こそが天下治平の要であることのお示しと拝察できるのです。 『霊界物語』は御口述当初、全一二○巻であると言われ、その折り返しの第六○巻を目前にした聖師様ならではの深い感慨が読みとれるようです。

○第一章から第五章まで(毀誉の雲翳) キヨの海でワックスらは玉国別一行を殺そうとするが突如暴風雨となり、そこへ霊犬スマートと共に初稚姫が玉国別を救い、かつワックス達がやっとのことで船を動かせるように波を鎮める。  舞台はキヨの港に移り、関所の取締り官チルテルが三五教一行の逮捕に出かけるが、留守の間にチルテルの妻チルナ姫が離れにかくまわれている偽初稚姫に嫉妬しその追い出しを図る。  チルテルはバーチル館からデビス姫をさらって自分の館の倉に閉じ込める。

○第六章から第一二章まで(厄気悋々) 伊太彦と三千彦は玉国別に内緒でデビス姫を救うためにチルテル館に出向く。  一方チルナ姫は悋気のあまり半狂乱となり室内をメチャクチャに壊してしまう。そんなところへチルテルが帰宅し、部下のカンナに命じてチルナ姫の追い出しを図るが、これが逆効果になりチルナ姫はチルテルの睾丸を掴む。悶絶したチルテルを来合わせた伊太彦、三千彦が救います。

カンナを連れて倉からデビス姫を救った伊太彦、三千彦は屋敷の落とし穴に落込みます。

チルテルは狂態を演じ手に余るチルナ姫を発狂者犯罪者として捕縛し倉に閉じ込めますが、倉の中でカンナをデビス姫と思い込み彼の太股にかぶりつきます。

バーチル館では次の朝、玉国別と真澄彦がデビス姫の事を聞きアンチーとテクの案内でチルテル館に向かいます。

テクの発案で一行はテクを偵察に出すことにしますが、館では偽初稚姫がバラモンの連中を相手に「自分の結婚相手は角力に勝った者」とけしかけ、相撲の勝負をさせているところに出会い、自分も参加する。

最初にチルテルとヘールが取り組み、ヘールが負けて落とし穴に、次にチルテルとテクが勝負をしチルテルが負けて穴に放り込まれます。

その前に、チルテル館で妙な音がするので何事かと見に来ていたワックス、ヘルマン、エキス、エルの四人組は初稚姫の美貌に見とれながら、テクが勝った勢いで「自分の家来にしてやる」という言葉を聞いて喜ぶ。

そして初稚姫の「モシ貴方、こちの人、テクさま、妾のお手々を握つて頂戴、握手しませうか」という誘いに乗ってテクが姫の手を握ると、何と手から白い毛が生えだし、初稚姫はロバの様な大きな白孤となった。それを見てテクは裏門から逃げ出し、ワックス一行は四人は逃げ出した途端に穴に落ちる。

○『霊界物語』には、聖師様も仰有っているように、宣伝使や神様ばかりが素晴らしい教えを述べるのではなく、バーチル館のしもべのアキスが歌う中にも「三五教やバラモンの 隔てを全く取除き 和気あいあいと酒宴の 席に連なり給ひしは 四海同胞の真相を 現はし給ひし神の旨」(八八〜八九頁)  と教えの真髄の一端を述べさせていらっしゃいます。

また関所の下っ端役人のヘールには、 「……そも天地の真相は 白きは色の始まりよ  黒きは色の終(とどめ)なり……  たとへ大地は沈むとも 夫婦の道は変らない   とかく浮世は人間の 心の儘にはなりませぬ  互ひに欠点辛抱して 栽長補短睦まじく  天地の水火を固むべし……」(一五五〜一五六頁)などと、大事なことを歌わせていらっしゃる場合が沢山あります。

○三五教の宣伝使達の活躍と初稚姫とスマートの助けを中心にバーチル館で始まった酒宴によって人々は歌い、踊りながら自己愛に狂う自分の姿を赤裸々にしていきます。

そんな人間達を偽初稚姫となった白孤の「旭」はチルテル館の落とし穴に巧みに誘い込みます。神様の経綸によってバーチル初めイズミの国の人々は上下揃って改心を迫られる訳ですね。そんな物語がここでは展開していきます。

 

○核戦争の問題を考える良い番組があります。  先日の東海村での「臨界事故」は大きな波紋を投げかけていますが、核戦争につながるかもしれない人間の営みそれ自体の怖さ恐ろしさや「人間の知恵」の現界をまざまざと見せつけた歴史上の事件が「キューバ危機」でした。

 来る一一月六日(土)の深夜一一時三○分からNHK教育TV3チャンネルで『十月の悪夢』と題されたドキュメンタリー番組の後編が再放送されます。お時間があれば是非ご覧になっておいて下さい。お勧めします。 塩津 記

以上


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