とよたま愛読会39回(真善美愛:60巻9章〜22章) 塩津晴彦


日 時 : 平成11年12月26(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 : 八王子市北野市民センター八階会議室2

★ 報告 
   暖冬の半日、年末の愛読会は参加者一○名で『霊界物語』第六十巻の第九章から第二二章までの拝読を無事に終えることが出来ました。  一月の愛読会では第六○巻から六一巻へ進むことになりますので、六○巻と六一巻をご持参下さい。

★ 拝読箇所で気のついたこと
○第九章 夜 光 玉(やくわうのたま)
玉国別の許しを得て、伊太彦、ワックス、エルの三人は魔の岩窟に入り、最初に巨大な土蜘蛛にエルが脅かされるが、燐光の光る隧道を進む。 ワックス「何というても数千年来密閉されてあった魔の岩窟だから……、タクシャカ竜王に対し吾々は赦免のお使いだから、さう無暗に悪魔が俺たちを苦しめるはずがない。……」  三人は竜王の閉じこめられた岩窟の前に着き、竜王の宝物である玉を手に入れた。

竜王がこの玉を持つと天地に風水火の天災を誘起するという。伊太彦は神示によりこの玉を玉国別に渡すことになり彼はタクシャカ竜王(九頭竜)に神示を宣伝する。 「……海王星より現はれし 汝タクシャカ竜王は 神の御国を汚さむと 胞場の身魂に憑依して 神の教に背かしめ ……厳の御霊の大御神 瑞の御霊の大御神は 千座の置戸を負ひたまひ 汝が犯せし罪科を 宥して地上に救ひ上げ ………」(一二一頁〜一二二頁) 白髪赤面の老人と化した竜王は、 「…… いざこの上は一日も 早く地上に救はれて 天地の陽気を調節し 蒼生草や鳥獣 草木の末に至るまで 神のまにまに守るべし…… 」と改心の情を表します。

救いの神髄の場面ですが、この岩窟は物語の流れから天皇家にまつわる古墳(天皇陵)ではないかと思います。むろん霊的なレベルのことですが。そこで聖師様の御神業が行われたという意味でしょう。しかし、さらに大神は竜王の言向和しを行われます。

○第一○章 玉 国(たまくに)
 竜王「われは八大竜王の 司と聞こえタクシャカの 九頭両舌の悪神ぞ …… 現はれたまひし月照彦の 神の命が天降り 有無を言はせず言霊の 伊吹に吾を霊縛し ……」 玉国別「世を紊す八岐大蛇の祖神と聞きたる竜神は汝なりしか」 面白し心の底より改めて玉を還せし汝は神なり」 三千の昔、彼竜王は神スサノヲ尊の四魂の一つである月照彦神によって封じ込まれ、今三五教の宣伝使たる玉国別の宣司によって救われ再生します。

 すこし大げさですが、月照彦は後にインドの釈迦となったということですから、大神は世を乱す竜王を一旦封じ込め、三界の立替え立直しに際して救済されたのでしょうね。我が国に仏法が流入し、それまでの荒ぶる神々が鎮められ、再び三千世界の更正に際しての救済物語、仕組みであったのかもしれません。

 サーベル姫が、「かくまでも霊の清き神ますと  吾は夢にも思はざりき 猩々の姫の命に教へられ  汝を迎へし今日の嬉しさ」と歌うや、 タクシャカ「今よりは猩々翁と名をかへて  これの神山に永く仕へむ」と答えます。

そしてキヨメの湖が開き、サーガラ竜王が老媼の姿で現れ、タクシャカ竜王との再会を慶び、如意宝珠の玉を玉国別に捧げます。(一三五頁)  三千世界の更正を推し進められた聖師様の御神業の意義を、その一端なりと受け取らせていただける物語だと思います。

○第一一章 法 螺 貝(ほらがい)
玉国別一行は再びハルナの都目指して出発し、途中、大原野の一隅の祠に休んでいたがそこへ法螺貝を吹いてやってきた元バラモン軍の鬼春別将軍であった治道居士に合います。

 さて霊界物語の第六○巻に述べられた救世の御神業はアズモス(東の山という意)、キヨメの湖(琵琶湖ともとれる)、そして二つの宝玉(国魂の宝)が神に返る場面など現界の日本というものを意識していく方法がとられています。天皇家財産は一部を除いて国有となり、天皇制そのものが大きく変貌したことと考え合わせると、この物語の持つ意義がうかがえますね。

 さらに人間の精神の立直しのためにバラモン的な差別をも撤廃する意味もありますね。  この巻の御口述前に聖師様は「水平社」(部落解放運動の中心団体)に出向かれて支援の義捐金を出されています。

 その外大本の歴史上の出来事と関連する点も見逃せません(浅野和三郎氏の綾部退去が大正一二年四月五日、大本三代直日さんのご婚約発表が四月一八日に行われています)。

 聖師様は第五七巻序文で、「顧みれば瑞月が神の大道に入りしより満二十五年に相当する今日、……八大竜王(タクシャカ、サーガラを含む)は鼓を打って吾ら一行を迎へ給ふ。……時しも綾の聖地より三代直澄教主は、大本瑞祥会会長井上留五郎氏および前会長湯川貫一氏と倶に来たる。瑞月は感きはまつて言ふところを知らず」大正一二年旧二月十日、と記されています。旧二月十日は新三月二十六日です。そして霊界物語第六○巻は新四月五日に口述が終わりました。

○第三篇 神 の 栄 光
 第一二章 三 美 歌(その一 第一三章 三 美 歌(その二)

 ここには、霊界物語第六一、第六二巻にある「大本賛美歌」から五七の神歌が抜粋され収録ていますが、単純な引き写しではなく、キリスト教の賛美歌に相応される形式を採られています。従って一部言い回しも変わっています。ただ節回しは賛美歌のものです。なぜなんでしょうか。

 この賛美歌を拝読すると不思議な心境に見舞われました。最初はキリスト教の心を感じるような部分があります。まるで神に対して自分の罪を悔い改める心を持つような心境になりました。しかしその心持ちは次第に瑞の身魂に対するものへと変化してくるのです。

特に第三六番(二○四頁)からは救主の先導で勇ましく十曜に紋の神旗を押し立てて神のいくさに参加する情景が現れて来ました。そして最後には「やがてあはなむ やがてたのしく会はなん うからやからと したしき友に めぐみの露の しげき国に 昇りてもまた えにし結ばむ ……」(第五六) こんな世界に導かれるのです。皆さんはどんな感想をお持ちになったでしょうか。

○第一四章から第一九章 善 言 美 詞 今回省略しました。
○第二○章 三 五 神 諭(その一)、  第二一章 三 五 神 諭(その二)、  第二二章 三 五 神 諭(その三) は次回の報告で併せて述べます

以上


[前回レポート] [次回レポート]

愛読会の 拝読一覧表オニ(王仁)の道ページ