とよたま愛読会47回(真善美愛:63巻 2章〜8章) 記塩津晴彦


日時:平成12年8月27(日)午後1時から午後4時30分まで
場所:愛善苑豊玉分苑(京王線下高井戸駅下車 徒歩八分 川崎方)

★ 報告
 蒸し暑い日々が続く中、愛読会は参加者八名で『霊界物語』第六十三巻第二章から第八章までの通読を終わりました。今回は途中から静岡焼津の原崎さん父子が参加されました。

○九月愛読会の終了後、参加者の飯塚さんが語学研修のためオーストラリアのシドニーへ出発されることになりましたので、その壮行会を駅近くで催します。
参加費は二千円程度の予定です。ご参加ください。

★ 拝読箇所で気のついたこと
第二章 妙法山(スダルマさん)一九○九
○玉国別、真純彦、三千彦、デビス姫、伊太彦、治道居士一行がスダルマ山の入り口に差し掛かると、地元で樵をしているカークスとベース両人が霊主体従の問答と時代の風潮への批判を行っていた。伊太彦が問いかけると、両人は「スダルマ山の向こうにスーラヤ湖があり、湖中にあるスーラヤ山の岩窟にウバナンダ竜王が多くの宝玉を蓄えているのでその玉を一つでもほしい。しかし竜王を押さえるには相当の神力が必要だ」とのことが判った。 伊太彦は前にタクシャカ竜王の玉を手に入れた事を吹聴し、早くもスーラヤ山に乗り込む意気込みを見せ始めるが、玉国別は即答せず考えに沈むのだった。

第三章伊猛彦 一六一○
○まず玉国別は伊太彦に「形態ある玉ではなく 内在の宝玉の大事さ」を説き、タクシャカ竜王の 場合は大神様からの命があって自分が玉を預かっ ていることなどを説明しますが、伊太彦は納得せず、さらに治道居士も説得します。しかし伊太彦は「拙者は神界から直接内流があって命令を受けている」と語り、遂に玉国別の承諾を得ます。 玉国別は伊太彦一行を見送り、「伊太彦さま は本当に偉いですよ。最前からあんな事を言って いましたが、神界の御経綸によって神懸になってい たのです。……剣呑な所を好んで神界のために行 こうとする、その精神は天晴れなものですよ」と 語ります。そして伊太彦ら三人の後を追います。

第四章山上訓 一六一一
○その日のタ方スダルマ山の峠の頂上に着いた玉 国一行は一夜を過ごすこととし、蓮の実を夜食に して、 三千彦「大空に星はみちけり三五の月の光も天地にみちぬ」 などと歌を交歓している。その折、治道居士が自分のバラモン時代の部下たちが四方に放浪し罪を重ねていることを恥じ入っているのに対して玉国別は、人間の精神の変調異常について語ります。

「第一は利慾に迷ったときに利益のために理智を ふさがれる。
 第二は強い刺激に接したときには精 神が異常になり、
 第三は焦心狼狽したときに起きる。
 第四に失意の時と得意の時に起こる。得意 の時には実力以上の仕事が出来、冒険的独断的 になる。
 第五は迷信に陥っているときに起こる」

○その夜案の定、治道居士の元の部下だったベル、 バットが一行を襲うが、皆の言霊に屈服し、回心の情を述ぺる。

○かくするうちに、三千世界の救世主、神素盞 鳴大神が降臨され、スダルマ山上で十項の教訓を 垂れ玉う。(六四〜六五頁) 真の神、主神は一神にして、八百万神に神務を分け、故に多神は一神に帰一すること。主神は時間空間の中で変現し、「顕の顕神」が現界救世 の神業を司どること。 玉国別「素盞鳴の瑞の御霊の御恵みに 教の泉湧き出にけり」    「昔よりためしも聞かぬ御教を         居ながらに聞く事の尊さ」  山上訓の意味を十分に噛みしめたいですね。そして何故この時に神素盞鳴大神がス・ダルマ山の頂上に降臨されたのか、またこの山上訓は本当は誰に対して訓示されたものなのか、など色々と当時の時代状況に関わってくる点も多いと思います。 第五章 宿縁 一六一二

○一方伊太彦一行三人はスーラヤ湖畔テルの里で スーラヤの島に渡る算段をするが船は出払ってい たのでやむを得ず一軒の家に奇宿することとなっ た。伊太彦は木花姫命の御霊の御守護を受け、 俄に優美高尚な姿になっていた。それを見て此の 屋の娘ブラヴーダは一目惚れし、伊太彦に結婚 を迫る。 第六章 テルの里 一六一三

○出発の朝、船の帰りを待ちながら六名が各々の 気持ちを宣伝歌として謳う。

○爺さんはルーブヤ(梵語で銀の意味)、婆さん はバズマラーカ(梵語で真珠の意味)、長男アス マガルダ(梵語で瑪瑙の意味)、そして娘ブラヴ ーダ(梵語で珊瑚の意味)、とそれぞれの意昧を 示されています。

<第二篇 日天子山(スーラヤさん)>
第七章 湖上の影 一六一四

○やや遅れて、長男アスマガルダの船が港に帰っ てくる。彼は「……昨日一日漁がなく、もう仕 方がないので帰ろうかと磯端のパインの木陰に舟 を停めて休んでいるところへ、天女のようなお姫 様が犬をつれておいでになり、是非是非スーラヤ の島へ渡して呉れとおっしやるので、お伴をしてお 送りしてきました。ずゐぶん綺麗な方で神様かと 思ひましたよ」と告げた。

○それぞれの思いを歌にすると、ルーブヤの家で伊太彦とブラヴーダの簡素な婚礼を挙げ、一同は休息した。 第八章 怪物 一六一五

○いよいよ翌朝伊太彦たちはスーラヤ山目指して出航した。  彼らが目指すスーラヤ(日天子)山とは
  「沖に浮ぺるスーラヤ嶋は  夜は千里の浪てらす
   昼は日輪夜は龍王の  玉の光で澄み渡る
  此の海は月の国でも名高い湖よ 浪のまにまに月が浮く」 とアスマガルタが唄うように、当時の日本と天皇 制を示唆されている様に感じますね。

○一行は島に上陸し野営をするが、カークスとベースが寝付かれずに居ると、赤面青舌の怪物が錫杖を持って現れる。

○色々の問答を交わしながら、やっと怪物は「明日はおまえをしばり付けてやる」と捨てぜりふを残して退散する。  この怪物は『霊界物語』に何度か出てくる怪物の姿をしており、三五教宣伝使を鍛錬するために神様が姿を変えて登場する「怪物」ですね。

○ここで一寸気づいたのですが、結局スーラヤ山 の龍王退治は伊太彦組、玉国別一行、そして初 稚姫とスマート、この三組が取りかかる事になっ てきますね。初稚姫はむろんそれだけの神力があ るのですが、大神様の御経綸として、玉国別にスダルマ山上でわざわざ教訓を示された上で、ウバナンダ龍王の守護するスーラヤの浮島に派遣されています。まさに水も漏らさぬお仕組みと言うぺきですね。  そして伊太彦というやや脱線気味の新米宣伝使が積極的に神業に参加していく姿が印象的です。どうかすると師匠格の玉国別をもたじたじとさせる果敢な言動は一考に値します。

○登場人物も意味深長だと思いませんか。玉国別 はいつか大きな白猿に背後から襲われていますね。 三千彦、真純彦というそれぞれが日本(玉国)、大本(三千彦)、日本人民(真純彦)などのイメージと重なってきます。 これからの展閑が楽しみになりそうです。

愛善苑「東京講演会」に多数のご参加をいただき御礼を申し上げます。

以上

次回:第48回 ご案内
   日時 平成12年9月24(日)午後1時〜午後4時30分
   場所 愛善苑 豊玉分苑(京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
      連絡先(川崎方)03(3321)3896、03(3321)8644
   物語 山河草木 丑の巻 第63巻 第9章より通読いたします。
         (物語をおもちでない方もどうぞ、参加費は不要)


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