とよたま愛読会48回(真善美愛:63巻 9章〜17章) 記:塩津晴彦
日時:平成12年
9月23(日)午後1時から午後4時30分まで
場所:愛善苑豊玉分苑(京王線下高井戸駅下車 徒歩八分 川崎方)
★ 報告
○ようやく秋を感じさせる日がやってきた、そんな一日、愛読会は参加者九名で『霊界物語』第六十三巻第九章から第一七章までの通読を終わりました。
○会の終了後、愛善苑会員の飯塚さんのオーストラリア出発の壮行会をささやかながら行いました。
★ 拝読箇所で気のついたこと
第九章 超死線 1616
ウバナンダ龍王の保持する夜光の玉を得んために伊太彦一行はスーラヤ山の中腹にある死線を突破していくが、特にカークス・ベースの両人は死線突破の後、身体の衰弱に悩み弱音を吐きますが伊太彦が必死の激励を行います。
「……永遠の命の源泉たる瑞の御魂さまがお守り下さる以上は大丈夫だよ。とにかく神を信じ神に祈るより外にないのだ」
「……もう一息だ。神様の御神力に頼つて目的を達せねばなるまい。……そんな弱虫では現幽一致を守らせ玉ふ神様の御前に、復命することが出来ぬぢやないか」
やっとの事で龍王のいる岩窟の前に来た一行は縦穴にそって底に着き、そこから横穴の奥に龍王が宝玉と共に多くの眷属をつれて蟠っているのを見て、伊太彦が天津祝詞を奏上しようとする。が舌がこわばりその場に昏倒し、他の全員も同じようにその場に昏倒してしまう。
第 一○章 鷺と鴉 1617
この章では我々大多数の人間が、霊肉離脱の後に自己の本体である霊魂が経過せざるを得ない三つの状態を説かれ、特に中有界(精霊界ともいう)で起こる状態をもっとも中心的に出されています。
まず現界での知識や偽善で飾られた外面状態があるが、それはせいぜい一年間の間に終わり、準備の状態に入り、やがて内面の状態になって、霊魂相応の天界や地獄へ向かう、というものです。 私が印象に残ったことは、天人が精霊の善悪を区別する時には、内面的な事物について、つまり神の教、聖地救世主の神格、高天原に関する真と善などについての関心の度合いを見てその善悪を判断するということです。その結果暴露された外面の状態を元に順序を定めて、天人は内面の状態に到る準備に入らせるというものです。
精霊の本源は意志と想念であり愛であるのですから、内面の状態とはこの意志と想念が持つ外的内的の方面を一致させることによって霊界での各々の生活が決まってくるわけですね。
「故に永遠の生命に入りたる時自有となるべきものは、神の国の栄えのために努力した花実ばかりで、その他の一切のものは、中有界において剥奪されるものであります」(一五二頁)
これまでどの精神的な指導者、高名な宗教家が説けなかった霊界の真相が明らかにされています。特に死後精霊には、現界での塵芥を祓い落とす、「準備の状態」があるということが大きなポイントだと思います。この説示は我々に限りない勇気を与えてくれるものだと思います。鷺と鴉は外見上同じように見えますが全く別の種類なのですね。
第一一章 怪道 1618
スーラヤ山の洞窟で昏倒したカークスとベースは中有界に踏み迷い、三途の川辺に着く。そこで脱衣婆に会い進退極まった瞬間、宣伝歌に救われる。
第一二章 五託宣 1619
眠りから覚めた両人は伊太彦らの到着を待つ。
合流した五人は歩を進めて、禿山の麓の一軒家の前で佇んでいると、高姫が家の中から現れて一行に向かって相変わらずのお説教を始める。
第一三章 蚊燻 1620
「人(精霊)の内面状態に居る時は、自有の意志そのままを思索するが故に、その想念は元来の情動すなはち愛そのものより来たるものです。そしてその時において想念と意志とは一致する」
つまり肉体という覆いが取れた精霊は内面の状態となるのですが、善の精霊は内面の証覚と行動の理性との間にあった矛盾がなくなり、暗黒の夜が開け放たれる様に感じるというのです。一方悪の精霊はこれも表面の覆いであった善を装う必要がなくなり、より一層醜悪な内面の状態に一致する事になるのです。
本書一八五〜一八六頁で紹介されている霊は一時大本教団の頭と目された浅野和三郎さんのことを指されているのです。もちろん個人攻撃が目的ではありません。彼に代表される醜悪な精霊の様子を反面教師として掲げていらっしゃるのです。
さて高姫とのやりとりが続きますが、ここでの高姫の台詞の中に時々オヤッと思う内容が出てきますね。
「アタ阿呆らしい。宣伝使が女房を連れて……何の事ぢやいな。それだから三五教は駄目だといふのだよ」
「思ひきや三五教の神司 闇と枉とに包まれしとは」
「何とまア三五教も人物払底だな。これでは瑞の御霊が何ほどシヤチになつても駄目だわい」
後で分かりますが、この高姫の登場は大神様の最後の試練だったのですね。チラリと聖師様の本音とも思える内容が漏れている箇所です。
アスマガルダの威嚇によって高姫はいったんその場から退散します。
第一四章 嬉し涙 1621
さて一行五人がさらに進むと、辺りは黒雲に包まれスーラヤ山の死線の時と同じような状況になり全員が言霊停止の状態になった。そこへ高姫の守護をしている銀毛八尾のお稲荷さんを名乗る一人の婆が駆けつけて来る。
婆は身体が硬直している五人をむち打ちしながらウラナイ教への帰順を迫る。一人ベースだけがこの仕打ちに耐えきれず、首を縦にふり同意すると婆は妖術を使い華麗な布団や美味い食物を与える。そのとき霊犬スマートの咆哮が聞こえ、婆は逃げてしまう。元気回復した四人はベースを救う為に祝詞を奏上するが効き目がない。
そこへ初稚姫の精霊がスマートと一緒に現れ、「伊太彦さま、あなたは試験に及第いたしました。サアこれからウバナンダ龍王の玉を受取つて聖地においでなさいませ」と言いながら天津祝詞を奏上するや、一行は龍王の岩窟で邪気に打たれて倒れていたのでした。
やがて岩窟の奥からウバナンダ龍王が現れ、宝玉を伊太彦に渡します。
「……このたび神政成就について如何なる悪神もお赦し下さる時節が参りましたので……かう申すとなんでございますが、もう少し御神力が奥様に引かれて薄らいでゐますので、私が解脱することも出来ませず、困つておりました……」と告白する。
龍王「いざさらば天津御国にまひのぼり
月の御神に仕へまつらむ」
初稚「久方の月の御国に登りまさば
吾が神業を伝へまつれ」
伊太「タクシャカのナーガラシャーを言向けて」
心傲りし吾ぞうたてき」
ブラ「背の君の厳の力を包みたる
妾は醜の曲津神なり」
初稚「皇神をまづ第一と崇めつつ
伊太彦司をいつくしみませ」
龍王は十二人の侍女とともに岩窟から雲を起こし、姿は消えてしまう。初稚姫は一同を玉国別、治道居士達が待つ船辺に導く。
○第一五章 波の上 1622
から第二二章までの分は次回の案内にてご案内します。
以上
次回:第49回 ご案内
日時 平成12年10月22(日)午後1時〜午後4時30分
場所 愛善苑 豊玉分苑(京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
連絡先(川崎方)03(3321)3896、03(3321)8644
物語 山河草木 寅の巻 第63巻 第18章より通読いたします。
(物語をおもちでない方もどうぞ、参加費は不要)