とよたま愛読会６０回（山河草木：67巻 9章〜17章） 記：望月 幹巳
日 時 平成１３年９月２２（日） 午後１時から午後４時３０分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 （京王線下高井戸駅下車 徒歩８分 川崎方）
物 語 山河草木 辰の巻 第67巻9章 〜 17章
★ 報告：前回の報告 今回より、塩津氏より愛読会の幹事を引き継ぐこととなりました望月と申します。勉強不足の身とて、至らぬ点多々あると思いますが、なにとぞ皆様のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。 さて、物語は前回に引き続きまして、インドでの梅公別一行の宣伝行の物語より始まり、スガの港へ到着するところまでが、第二篇のお話です。 続いて、同じインドのタラハン国へと、物語の舞台は移ります。ウラル教を奉じるタラハン国の混乱と王子の出奔が描かれ、政権奪回を目指す気骨の左守の司シャカンナが今は山賊となり、悪人玄真坊と邂逅します。タラハン国の建て直しの物語が始まります。
★ 拝読箇所で気のついたこと
『霊界物語』第六十七巻
第二編 春湖波紋
第9章 ダリヤの香（1711）
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ダリヤがアリーの部下、コークスに操を破られそうになる。
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そこへ通りかかったアリーはコークスを殺し、ダリヤを助ける。
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この件を機に、親の仇とダリヤを殺そうとしていたアリーは改心する。
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そこへ、妹のダリヤを探していた兄のイルクが宣伝歌を歌いながら通りかかる。
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イルクは、船上にて梅公の教えを聞き、三五教に改心していた。
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その歌により、ダリヤは自分を心配して危険を冒して捜索に来た兄の心を知る。
* 腹違いの兄弟たちが和解して大団円。 第10章 スガの長者（1712）
* 一行は、スガの港に到着する。
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アリーは三五教により救われ、感謝の後に皆に別れる。
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イルク、ダリヤは自分たちを助けてくれた宣伝使たち一行を、家に招く。
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父親でスガの街の長者、アリスはウラル教に、息子・娘の無事を念じていた。
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過去の悪行を思い、懺悔をしていたところ、息子・娘の無事の帰宅を知る。
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アリスはウラル教の神殿に悔い改めの祝詞を上げ、息子・娘と三五教の宣伝使たちを迎え入れる。
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そこへ、南方の方より鬨の声が聞こえ、雲焼けを認める。一同は、バルガン城に大足別将軍が攻め入り、市外を焼き払ったことを知る。
第三篇 多羅煩獄
第11章 暗狐苦（1713）
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物語は場所を変えて、デカタン高原西南方のタラハン国へ移る。
* 人口二十万、地味の肥えた産物の豊かな国。
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首都タラハン市、ウラル教を国教とし、王家はすでに十数代を経ている。
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国王はカラピン王、王妃モンドル姫、太子スダルマン、王女バンナ。
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王妃モンドル姫は悪孤の霊に憑依され、市民を虐待した。王はモンドル姫の容色に迷い、王妃を止めることができなかった。
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左守の司、シャカンナはたびたび王・王妃を諌めたが、右守の司ガンヂーは、自分がタラハン国の主権を握ろうと、王・王妃に取り入っていた。
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あるとき、モンドル姫は遊覧中に白羽の矢に当たり、絶命してしまった。王はこの事件により狂乱し、暴虐の振る舞いを始める。
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左守シャカンナは妻とともに死を決して王に諫言をなすが、王によって妻は斬り殺されてしまう。シャカンナは当年6歳の娘スバールとともに逃げ、身を隠した。
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右守のガンヂーはこの事件により、シャカンナに代わって左守の位に就く。シャカンナ家の巨万の財産を没収したガンヂーは、己の声名をあげる為にそれを慈善政策の資金とした。
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結果的にタラハン国は小康を得た。カラピン王は政務をすべてガンヂーに預け、自分は風流三昧のみの生活に隠退してしまった。
* 太子スダルマンは18歳を迎えたが、宮中深く閉じこもり、憂鬱に悩まされていた。いかなる音楽、美女も太子の憂鬱を払うことができなかった。
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唯一太子の気に入りは、佐守ガンヂーの一人息子、アリナであった。アリナと共に絵を書くのが、太子の慰めとなっていた。
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あるとき太子はアリナに秘密の外出を誘った。アリナは、これで太子の憂鬱が治るかもしれないと思い、心ならずも承諾してしまった。
第12章 太子微行
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太子とアリナは、タラハン城の東北にある城山に分け入った。すばらしい光景を目にして太子は感慨無量の思いとなり、ますます宮中を捨てたくなった。
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太子の希望により一行はさらに山を越え、奥山へと進み行くアリナは途方にくれたが、太子の意思は堅く、さらに北へ北へと歩を進めていく。
第13章 山中の火光（1715）
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すばらしい光景を眺めつつ山に分け入ったが、日は暮れてつきが辺りを照らし出した。一行はトリデ山の山頂へとたどり着いた。
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太子はすばらしい景色をたたえる歌を詠み、宮中へ帰りたくない意思を表す。
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夜半にもかかわらず、太子はさらにあてどもなく歩を進め、アリナはそれを追っていく。やがて二人は疲れて寝てしまう。
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次の日、目が覚めるともう午後であった。太子もようやく帰途を思うが、もはや道を見つけることができない。
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太子はたとえこのまま山の中に迷おうとも、人間らしい生活をしたい、と言い出し、アリナと無銭旅行を願う。
* アリナはあくまで帰城を促す。
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結局、アリナが杖を倒し、倒れた方向へ進んでいくこととなる。
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また日が暮れ始め、猛獣の声が響く。アリナはおびえるが、太子は平気である。
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ところへ、太子は火の光がまたたいているのを見つける。人家があるものと、二人はそちらを指して進んでゆく。
第14章 獣念気（1716）
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場面は変わって、タラハン城市の西北十里の地点にあるタニグク山。周りを険峻な山に囲まれ、山麓には天然の大岩窟がある。タラハン国の元の左守シャカンナは、娘のスバール姫と共にこの岩窟に潜み、遠近の無頼漢を集め、山賊の頭目となっていた。ガンヂーとその一派を討伐せんと、密かに力を蓄えていた。
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バラモン軍の横行で、最近は山賊の見入りも少なくなってきている。ちょうどシャカンナの妻の命日にあたり、供養の宴をせんと酒食を揃えた。妻の回向の読経をさせるため、修験者を探しに行った子分のコルトンを待ちながら、子分のバルギーと語り合っている。
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そこへ、コルトンが、美女を連れた怪しげな修験者を連れて帰る。
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修験者は自分は天帝の化身であり、一緒にいる美女は棚機姫であると大見得を切る。
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シャカンナは一目で偽修験者を見破る。修験者は玄真坊の正体をあらわす（前巻にて、オーラ山にたてこもっていた3悪人の一人。他の二人は梅公によって三五教に改心し宣伝使となるが、玄真坊だけは再び悪化して、行方をくらましていた）。
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山賊となり現政権の転覆を企てるシャカンナは玄真坊と心を通じ、参謀として招き入れようとする。シャカンナは玄真坊の新しい偽名として、「天真坊」と名づける。
第15章 貂心暴（1717）
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山賊たち親分シャカンナの妻の十年祭として宴会を始める。
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シャカンナ、バルギー、コルトン、玄真坊も酒盛りを始める。
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山賊たちは、玄真坊の連れの棚機姫に酒を注いでもらおうとする。
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棚機姫は自分が玄真坊にだまされていたことを悟り、暇を告げようとするが、玄真坊に遮られて逃げ出すことができない。
* 棚機姫とは、実はダリヤのことであった。
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玄真坊はダリヤの気を引いて自分の妻にしようという魂胆であったが、ダリヤに肘鉄を食わされる。
* 山賊たちはこの様を肴に酒盛りを続ける。 *
このままでは逃げられないと悟ったダリヤは、玄真坊にまめまめしく酌を始める。
第16章 酒艶の月（1718）
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玄真坊はダリヤが自分に惚れたと勘違いし、上機嫌で酒を飲む。
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ダリヤはコルトン、シャカンナにも酒を進め、酔わせてしまう。
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ダリヤは玄真坊、シャカンナ、コルトンが酔いつぶれると、下戸のバルギーを誘惑して、手引きをさせ、いっしょに岩窟を逃げ出してしまう。
第17章 晨の驚愕（1719）
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朝目が覚めると、シャカンナ、玄真坊、コルトンの3人はダリヤとバルギーが逃げ出したことを知る。
* 玄真坊は山賊たちを使って、2人の行方を探らんと、岩窟を出て行く。
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シャカンナは、玄真坊がもうここへは戻らないだろうと考えた。そして、玄真坊、あるいはダリヤがこの岩窟の隠れ家の場所をタラハン国に漏らし、軍隊が攻めてくることを恐れた。
* シャカンナは建物に火をつけ、200人の山賊の部下を打ち捨てて、娘のスバールとコルトンを連れ、さらに山奥の隠れ家へと移っていった。
以上
次回（61回）の ご案内
日 時：平成13年10月28日（日） 午後1時から午後4時30分まで
場 所：愛善苑 豊玉分苑（京王線下高井戸駅下車 徒歩八分 川崎方）
物 語：山河草木 午の巻 第六十七巻 18章「月下の露」より
（物語をお持ちでない方もどうぞ。参加費不要。）
連絡先 愛善苑 豊玉分苑の連絡先（川崎方）
電話 03-332-3996、03-331-8644