とよたま愛読会63回(山河草木:68巻10章〜巻末) 記:望月 幹巳
日 時 平成13年12月23(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所 愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
電 話 03-3321-3896、03-3321-8644
物 語 山河草木 辰の巻 第68巻10章〜巻末
★ 報告: 寒さ厳しき季節、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。 さて、年の暮れも押し迫った12月23日、愛善苑豊玉分苑にて第63回愛読会が行われました。 いよいよ68巻のタラハン国の物語も、大団円を迎えます。 タラハン国の混乱に乗じて、国を乗っ取ろうとする右守サクレンスにより、太子とスバール姫は捕らえられ、アリナはあやうく溺死させられそうになります。一同を救ったのは三五教の宣伝使、梅公別でした。梅公別は、タラハン国に三五の教えを伝え、新たに神殿を造営して国の中心とします。最終章「祭政一致」では、上下相和するという理想的な国の立替・建て直しが描かれて、物語は幕を引きます。
★ 拝読箇所で気のついたこと
第三篇 民声魔声
第十章 宗匠財(一七三四)
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バランス開放を求める民衆の勢いに、ついに大目付頭もバランスを開放する。
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大目付頭はバランスの申し立てを調査するため、タルチンを拘引する。
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タルチンは逆に理屈で大目付頭を言い負かし、釈放される。
第十一章 宮山嵐(一七三五)
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タラハン城の南にある大宮山は、タラハン王家の氏神盤古神王をまつった聖地である。
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アリナはその社殿に潜めているが、そこへ父親のガンヂーがやってきて、事態収拾のために息子の処断もやむをえないと祈願する。
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アリナは身の危険を感じ、父親の意気をくじこうと天狗の真似をする。
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脅されたガンヂーは思わず、自分の身よりも息子の将来の守護を祈願し始める。
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守旧派のガンヂーとて、国家や息子を思う心に変わりはないことが示される。
第十二章 妻狼の囁(一七三六)
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この事態を尻目に、右守のサクレンスはタラハン国を乗っ取ろうと妻のサクラン姫と策略を練っていた。
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太子の行方不明にかこつけて、王女バンナに自分の弟を娶わせて女王に立て、自分たちは外戚として権力を振るおうとしていた。
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サクラン姫は、この計画の邪魔になる太子とアリナを探し出して亡き者にしようと計画する。
第十三章 蛙の口(一七三七)
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右守宅へ、女中頭のシノブが勅旨を装いたずねてくる。
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シノブは、恋人のアリナを王に立てて、自分は王妃に上ろうとしていた。そのために邪魔になる太子を亡き者にしようと、右守に協力を乞いにたってきたのであった。
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右守はシノブの計画に賛意を表明したように見せかけるが、その実は、シノブから太子・アリナ両人の居場所を聞き出して亡きものにし、自分の計画を推し進めようとの腹であった。
第四編 月光徹雲
第十四章 会者浄離(一七三八)
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太子とスバール姫は、山奥の古寺に隠れ住み、国家を打ち捨て、恋愛至上主義の生活をしていた。
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そこへ、みすぼらしい比丘姿のアリナが通りかかり、三人は再会する。
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太子はアリナに、城に戻り、自分に代わって将来のタラハン国を担うよう勧めるが、アリナは政治欲・情欲から離れ、一生を雲水として過ごす覚悟を決めたと、太子に決心を伝える。
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アリナはタラハン国の罪穢れの清めを歌い願いつつ、太子とスバール姫のもとを去っていく。
第十五章 破粋者(一七三九)
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秋野が原のあたりに人気もない片隅に、古ぼけた水車小屋が立っていた。カーク、サーマンという二人の男が小屋の番をしている。
・ 二人は右守サクレンスの手下であった。
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これより以前に、太子とスバール姫は右守の手下たちに捕らえて、小屋の地下室に幽閉されていたのであった。
第十六章 戦伝歌(一七四〇)
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カーク、サーマンが再び小屋の番をしているところへ、三五教の宣伝歌が聞こえてくる。
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二人はデタラメな宣伝歌を歌って対抗しようとするが、怖気づいて水車小屋の地下に逃げ込んでしまう。
第十七章 地の岩戸(一七四一) ・ 宣伝歌を歌っていたのは、白馬にまたがった梅公別であった。
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神示により、水車小屋の地下に立派な人が押し込められていることを知り、地下室に降りて行く。
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梅公別は、天の数歌の神力により牢獄の岩戸を解き放ち、太子とスバール姫を救い出す。
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太子は、スバール姫との恋愛を貫こうと、城へは戻りたくないと宣伝使に頼むが、事情を聞いた梅公別は、自分が仲人をしようと太子を諭す。
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恋愛、父との和解、国家の建て直し、これらすべてを全うする道を、梅公別は示す。
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太子・スバール姫は、梅公別にすべてを任せて、城に帰る決心をする。
第五編 神風駘蕩
第十八章 救の網(一七四二)
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インデス河の激流の上にかかる橋の袂に、番小屋があった。月夜に比丘姿のアリナが、この番小屋で体を休めていた。
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そこへ、アリナの行方を追ってきた右守サクレンスと、その部下たち捜索隊がやってきて、アリナと同席する。
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アリナは修験者のふりをして右守の企みをすっぱ抜くが、最後に自分の素性を明かして、右守に挑みかかる。
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アリナは追っ手の白刃をかわして逃げ出すが、橋杭につまづき、激流の中に落ち込んでしまった。右守はアリナが死んだものと思い、帰っていく。
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一方、民衆救護団長のバランスは、その下流で子分たちと密漁をしていたが、その網にかかったのが、瀕死のアリナであった。
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そこへ、城へ帰る途中の太子・スバール姫、梅公別一行が通りかかる。梅公別の祈願によってアリナは息を吹き返す。
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バランスは、太子に禁漁法の廃止を訴える。太子はバランスの民衆を思う志に感心し、城内に入って自分の国政改革助けるよう求める。
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一行は城を目指して夜道を進み行くこととなった。
第十九章 紅の川(一七四三)
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右守の手下、カークとサーマンは、太子とスバール姫が梅公別に助け出され、城に向かっていることを右守に注進しようと、インデス河の川辺を走っていた。
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そこへ、右守の弟エールが、王女バンナを捜索しているのにでっくわした。カークとサーマンの報告を聞いたエールは、右守の計画の一大事と、梅公別一行を待ち伏せて、太子を亡き者にしてしまおうとたくらむ。
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エールは社の陰から太子を狙って切り付けるが、太子は身をかわす。バランスはエールを捕まえ、急流に投げ込んでしまった。カーク、サーマンはそれを見て一目散に逃げ出してしまう。
第二十章 破滅(一七四四)
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一方右守のサクレンスは、太子・アリナを亡き者にしたと思い、妻のサクラン姫と酒盛りをやっていた。
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ところが、自分たちの計画をシノブに聞かれてしまう。シノブは、悪事を公にされたくなければ自分を女帝にすえるよう、サクレンス夫妻を脅す。
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そこへカーク・サーマンが、陰謀の露見を知らせに来る。太子・スバール姫は助け出され、右守の弟のエールがすでに成敗されたと3人に告げる。
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三人は身の破滅を悟る。折りしも、捕り手が館を取り囲み、3人は縛り上げられてしまった。
第二十一章 祭政一致(一七四五)
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スダルマン太子は、父カラピン王に面会し、今までのことを謝し、心を改めて後を継ぐことを誓った。そして父王の死後、カラピン王2世となり、仁政を敷いた。アリナ、バランス、シャカンナはそれぞれ国政に就き、スダルマン太子を助けた。
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大宮山の盤古神王の社は、梅公別の指揮で、社が三棟に造営された。
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中央には大国常立尊と豊雲野尊、左の宮には神素盞嗚尊と大八洲彦尊、右側の宮には盤古神王と国魂の神を鎮祭した。
以下、神殿造営に関わる歌を抜き出します。
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新王(スダルマン太子)「三五の神の教を今よりは あが国民に教へひろめむ」
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妃(スバール姫)「天つ神国津御神を斎ひつつ 吾が神国の御民を治めむ」
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アリナ「大神と吾が大君の御ために 心も身をも捧げまつらむ」
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梅公別「皇神の貴の御光現はれて 世の基をば開く今日かな」
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梅公別は新王をはじめ重臣たちに神の教えを説き諭し、再び白馬にまたがり、師、照国別の隊に合流すべく、駈けて行った。
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