とよたま愛読会74回天祥地瑞 子の巻 :73巻2章〜14章
        望月幹巳    メール:motomi_mochizuki@ybb.ne.jp


日 時  平成14年11月24(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
電話   03-3321-3896、03-3321-8644

★ 報告
師走の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。11月の豊玉愛読会も無事に行われ、天祥地瑞篇も第十四章まで進みました。
引き続き天界の生成が語られていきますが、第六章までが、天界自体の創造についてであり、それ以降は、創造された世界に秩序をもたらし、打ち立てていく過程となっています。聖師様は、どちらの過程もあわせて「修理固成」と呼んでおられるようです。
現世の地上界のことではなく、その元となった天界の創造ということになりますので、内容は難解です。ただ、「解釈にこだわらず、音読でとにかく読み進めていく」という本愛読会の方針で、拝読の場ではあえて解釈・議論をしてはおりません。
それを補う意味も込めまして、添付のまとめでは、創造の過程をできるだけ順を追い、難しい表現は噛み砕いて記述するように努めました。もとよりそれは、記者自身の解釈に過ぎないわけですが、皆様より理解の不備・誤りをご指摘いただくことによって、天界創世を理解するための糸口となればと思っております。

★ 拝読箇所で気のついたこと
第七十三巻
第二章 高天原(一八三二)

* スの活動=天之峯火夫の神
* ウの活用から宇迦須美の神が生まれた。
* 宇迦須美の神の活動からオの言霊が生まれた。
* オの神格化=大津瑞穂の神
* 宇迦須美の神が高く昇って天津瑞穂の神を生んだ。
* 大津瑞穂、天津瑞穂の両神が見合った。
* タ=高鉾の神、カ=神鉾の神が生まれた。
* 高鉾の神が大虚空中を駆け巡り、神鉾の神がカのこと霊の光を輝かせた。
* 高鉾の神は左回りに旋回し、神鉾の神は右回りに旋回した。
* これによって、円満晴朗なる宇宙が形作られた。
* 両神のはたらきは、無限大の円形を形作った。
* この円形の活動がマの言霊であり、天津真言の大根源はマの言霊から始まった。
* 高鉾の神(タ)と神鉾の神(カ)が宇宙に現れた形を「タカア」と言い、両神が宇宙を形成した活動が「マ」である。=>「タカアマ」
* タカアマの言霊が際限なく虚空に広がって果てしない様がハの言霊=速言男の神となる。
* 高鉾・神鉾の神は、速言男に大宇宙完成を命じる。速言男の神は右に左にぐるぐると廻り、また鳴り響いて、螺旋形を形作った。=ラの言霊が生まれた。
* 高鉾・神鉾の神の活動(タカア)、両神による宇宙の形成(マ)、宇宙が果てしなく広がって速言男の神が誕生し(ハ)、速言男の神が螺旋形を形作って宇宙が完成した(ラ)。
* タカアマハラの6つの言霊によって、無限絶対の大宇宙が形成された。
* ついで、無数にある小宇宙が形成された。
* そして、清く軽いものは霊子の源となり、重く濁ったものは物質の源となった。
* ここまできて、ようやく天地の基礎ができた。
* 速言男の神以前は、霊界のみがあったが、タカアマハラの六言霊によって、ようやく天界における物質の素ができた。
* それから天地ができて分かれるまで、さらに数十代の神々がある。この時代が、「天の世」である。
* タカアマハラの六言霊は鳴り鳴りて鳴り止まず、その活用から大虚空に紫微圏というものが現れ、次第に水火を発生して光を放った。
* その光が一所に凝結して無数の霊線を発射し、大虚空が紫色に輝く、紫微圏層の世を創った。
* ついで蒼明圏層、照明圏層、水明圏層が現れ、最後に生成圏層という断層が発生した。
* これらの圏層の広さ・高さは測ることの到底できないほどである。

第三章 天之高火男の神(一八三四)
* 主の神は、高鉾・神鉾の神に高天原を造らせた後、南に廻り中央に集まる言霊を生んだ。
* 北に廻って外を統べる言霊を生んだ。東北に廻って万有の極限となった。
* そして、どんなものでも生み出すことができる力を生んだ。
* この言霊は至大天球の内外あらゆるところを守り、浸し、宇宙の水火(いき)となり柱となり、八方に伸び極まり続けた。
* この力は宇宙全体を統括し、宇宙の内部を開き、至るところに貫きとおった。
* 無限に澄んで澄み切った。そして吹く水火(いき)吸う水火(いき)の活用によって全方位を統率した。
* 以後の諸神は、この力を継承して高天原の中心である紫微圏層に居を定めた。
* 神々は一種の水気を発射して雲霧を作り、また火の元子を生んで紫微圏層をますます清く麗しく澄み切らせた。
* 神々は、狭依男の神を生んで、紫微の霊国を開かせることによって、清く麗しいことこの上ない神の居所が開かれた。
* 狭依男の神はまた、天之高火男の神とも言う。
* 天之高火男は天之高地火の神と共に天の世をつくり固めた。
* また、たびたび蒼明圏層に下って、天津神の住処を開こうと、星界を生んだ。
* 天之高火男・天之高地火の神はタカの言霊によって天界の諸神を生み、また荘厳な紫微宮を造って主神の霊を祭った。
* 紫微圏界の神々は次第にその数を増して数百の神人となり、圏層の霊界建設に奉仕した。
* 紫微圏層の霊界を天極紫微宮界と言う。
* 常にタカの言霊を輝かせ続けて、鳴り止まぬ言霊の元子が終に七十五声の神々を生むにいたった。

第四章  の神声(一八三五)
* 天の世はあらゆる性質を含有して極まった状態にして、また純々とした状態であった(本文の神代の言葉による記述参照)。
* このすべての状態を一言に表して スという。
* だから、スの言は七十五声の精霊を完備していて、しかも各々の声がその真の位を保っているのである。
* 真の位とは、すべての声がお互いに向かい合って、遠きも近きもことごとく、「返対力が純一に密合の色を保ちて実相しつつ、」とてつもなく大きく極まってつねに張り詰め、活気は内にみなぎって四方に散らばっている。
* いわば、とてつもない大きさに立ち込めこもった気が、鳴り起とうとしている。
* 一見深く静かに澄んでいるが、内には神機を含み蔵している、その時の状態である。
* スは皇(スベラギ)の極元である。

第五章 言幸比古の神(一八三六)
* 速言男の神は紫微宮圏の世界のよろずの神々を指揮して修理固成をなし、絵家印に天の世界の経綸に全力を尽くした。
* そして、造化三神と四柱の神の宮殿を造った。
* 造化三神とは、天之峯火夫の神、宇迦須美の神、天津日鉾の神である。四柱の神は、左守として大津瑞穂の神、天津瑞穂の神。右守として高鉾の神、神鉾の神。
* 宮殿の造営は、霊力体(ひと、ふた、み)の三大元によって霊の御柱を造り、この柱を四方に建て並べ、その上に霊の屋根で空を覆った。
* これが、天極紫微宮である。
* 紫微宮が完成すると、霊力体の三元は、スの言霊の霊妙な力によって、巨大な太陽を出現させた。大虚空中に最初の宇宙が生まれ出た瞬間である。
* 紫微宮天界の神々は集まり来たって、大宮造営完成の祝の歌を歌った。
* 速言男の神が紫微台上に上って天の数歌を繰り返し謡うと、大音響が四方に起こって紫微宮天界が振動し、紫の光が四方を包んだ。
* 太陽の光は光彩を増して、現在の世界にある太陽より七倍ほども強い光で輝いた。
* 速言男の神は天の数歌を終わると、紫微台の高御倉に端座し、目を閉じて天界の完成を祈った。
* 速言男の神の左守神、言幸比古の神は、紫微宮を祝して七十五声を縦にのり上げた。
* すると天界はますます清らかに明らかに澄み切り、ウアの神霊元子(コエノコ)が大活動をはじめ、一瞬に千万里を照射した。
* 次に右守の言幸比女の神は、七十五声を横に謳った。
* 八百万の神々はこれに唱和してタカタカと拍手をなし、喜んだ。
* 日高見の神は、これまでの世界創造を祝歌に歌った。

第六章 言幸比女の神(一八三七)
* 次に、言幸比女の神が、スの言霊の誕生から、次第に七十五声の言霊が生まれてくる様子と、各言霊のはたらきを、三十一文字の歌に歌った。
* これによって、七十五声の言霊のすべてが、言幸比女によって説き明かされた。

第七章 太祓(一八三八)
* この章では、天之高火男、天之高地火の二神が、紫微圏界の霊的国土経営のため、紫微圏界の中央に位置する、紫天界を修理固成するさまの大略を述べる。
* ウの言霊の力によって、天之道立の神は、四柱の神に昼と夜の違いを作らせ、守らせた。
* すなわち、日照男の神が日中を、戸隠の神が夕、玉守の神が朝、夜守の神が夜、である。
* 紫微圏界では、夜でも明るいのだが、意思想念の上で、昼夜朝夕の違いを感じ取るのである。
* 天之道立の神が諸神を従えて数千万億里の霊界を造り固めたが、その結果として、燃える火から黒煙が立ち昇るように、濁った気が凝り固まって、美醜善悪の区別が次第にできてきた。
* それというのも、宇宙一切のものは、霊にも体にも表裏があるのであって、善悪美醜が交わり合って後にこそ、確固不動の霊物を創造することができるのである。
* 天之道立の神はさまざまな神事を行って紫天界を固めて行ったが、次第に妖邪の気があちらこちらに発生してきた。
* そこで、天之道立の神は、紫微宮に朝夕詣で、神前に神嘉言を奏上した。
* 太祝詞を唱えるごとに、紫微宮の紫金の扉が清清しくキーキー、ギーギーと開け放たれ、キの言霊、ギの言霊によって四方の曲津を斬り清めた。
* しかし、一日でも神嘉言を怠ると妖邪の気が湧き出でて世を曇らせたのであった。
* ここに天之道立の神は朝夕わかちなく神を祭り、言霊をのり上げることとなった。
* これが、太祓ひの道の開き初めである。

第八章 国生み神生みの段(一八三九)
* 天之道立の神が大幣を振っていると、紫微天界の西南より、一柱の神がやってきた。
* その姿は、百有余旬の大鰻の姿であり、肌は滑らかで青水晶のようであった。
* この神は、大元顕津男の神であり、紫微圏界創造の初めより、大虚空の西南で神業を行っていたのであった。
* 大元顕津男の神は、西南の空の修理固成を終え、次なる神業を紫微宮の前に額づいて問うた。
* すると、高鉾の神、神鉾の神が命じて言うのに、「東北万里の国土に高千秀の峯という主の神出生の聖地がある。
* ここにいって紫天界の経綸に従事するように」とのことであった。
* 善悪美醜が分かれるにつれて妖邪の気が群がり起こっていく現状に、大元顕津男の神は、高千秀の大宮で百日百夜祈ったところ、主の神の託宣があった。
* 曰く、「汝はこれから、国生み・神生みの神業に仕え、その御樋代として八十の比女神を従わせよう」。
* この神業は、汚れのない大元顕津男の神に国魂の神々を生ましめて、純粋なる神の種を広めることによって、国の守りとしよう、という主の神の御心だったのである。

記者注:御樋代とは、伊勢神宮において御神体の鏡を奉安する台のことであるが、ここでは大元顕津男の神の種を宿し、また国魂神として各地に奉安するという、比女神の役目を指していると思われる。もちろん、ここで使われている言葉が、もともとの意味であろうが、我々は現在使われている言葉の意味から、元の意味を推測することしかできない。

第九章 香具の木の実(一八四〇)
* 天之峯火夫の神は、紫微宮の庭にある香具の木の実八十個に呼吸(いき)を吹きかけた。
* すると、木の実から高野比女の神、寿々子比女の神らをはじめ、八十柱の女神が成り出でた。
* 大元顕津男の神は、高野比女の神と夫婦となって、高地秀の宮に鎮まった。
* そして水火の呼吸を組み合わせて雲を生み、雨を降らせて天界に湿りを与え、万物を発生させ、稲、木の実を実らせた。
* これが、大嘗の神業の完成である。
* 顕津男の神は、ほかに宇都子比女、朝香比女、梅咲比女、花子比女、香具の比女、小夜子比女、寿々子比女、狭別の比女を近くにはべらせた。
* 高野比女をあわせたこれらの女神が、八柱の女神である。
* この他に七十二柱の比女神を紫微宮界の東西南北に配置して御樋代となした。

第十章 婚ぎの御歌(一八四一)
* 大元顕津男の神は高野比女の神を正妃と定め、祝詞を奏し、主の大神の神業の達成を誓った。
* その祝詞中には、世界最初のいろは歌が歌われていた。
* 次に、高野比女は婚ぎの神祝言を歌った。その中には天之数歌が含まれていた。
* 婚ぎの祝に集まった神は、遠津御幸の神、片照の神、魂之男の神、日之本(すのもと)の神以下、十六柱であった。そのうち、遠津御幸の神が祝の歌を歌った。

註として:大元顕津男の神の最初のいろは歌の言霊解が示されている。いろは歌の元は、紫微宮の昔に由来し、空海はそれをもとに平仮名文字を作り出した。いろは歌の各言霊は婚ぎのさまざまな局面をあらわしてはいるが、それのみではなく、宇宙万有一切の発生の真理を歌ったものである。
* また、高野比女が歌った天之数歌も注解されている。

第十一章 紫微の宮司(一八四二)
* 天之道立の神は、主の大神の命によって紫天界の西の宮居の神司となった。
* そして、あまねく神人の強化に専念し、天津誠の教えを説き諭した。
* 一方、大元顕津男の神は、東の高地秀の宮の神司となり、右手に剣、左手に鏡をかざし、霊界における霊魂・物質両面の守護に任じられた。
* 天之道立の神は個別の神々の誠について教え、大元顕津男の神は宇宙万有に対しての教化をつかさどっていた。
* 天之道立の教えは平易にして耳に入りやすいものであったが、大元顕津男の教えは、範囲が広大で小事に関わらないため理解しがたく、結果、配下の神々の中からも反抗者が現れてきた。
* この状況を顕津男の神は嘆いて三十一文字の歌を歌った。
* 曰く、厳霊である西の宮(天之道立)の教えは凡神の耳に入りやすく、東の宮(顕津男)の教えは悟り難い。
* 自分が八十柱の比女神を従えていることを、国魂神の神業を理解しない凡神たちは非難している。
* それどころか、自分の身近にいる八柱の比女神の中にも、主の神の経綸を知らない者がいる。
* 罪汚れのないと思われた天国にも、怪しいことに醜神が現れ出した。
* 私は惟神真言の道を行き、邪神の荒ぶる世に勝とう。

第十二章 水火の活動(一八四三)
* 大宇宙間に鳴り止まないス声によって、火と水の物質が生み出された。
* 火と水は、スの言霊によって生み出されたものだが、火の性質は横に流れ、水の性質は縦に流れるものである。
* したがって、火は水の力によって縦にのぼり、水は火の横の力によって横に流れるのである。
* 火も水がなければ燃えることができず、水も火の力がなければ流れることができずに氷となってしまう。
* 天界の光彩・炎熱も、内に内包する水気の力によっている。
* 紫微天界の大太陽は炎熱猛烈であったため、大元顕津男の神は高地秀の峯にのぼり、幾多の年月、生言霊を奏上した。
* すると、その言霊が宇宙に凝って、大太陰が顕れた。
* 大太陰は水気多く、内なる火の力によって輝き、天界の神人を守った。
* 天之道立の神は大太陽を機関とし、大元顕津男の神は大太陰を機関として経綸を行い、ここに天界は火水の調節ができて、以前に勝って栄えた。
* 大元顕津男の神は大太陰界に鎮まって至仁至愛(みろく)の神と現われた。
* 至仁至愛(みろく)の大神は、数百億年を経た今日までも、若返り若返りつつ宇宙一切の天地を守っている。
* また、地上の危機にあたって瑞の御霊の神霊を肉の宮居に降し、更生の神業を託したのである。
* そして、神代における活動そのままに、迫害と嘲笑との中に終始一貫尽くし給う。
* 大太陽に鎮まる大神を厳の御霊と言い、大太陰界に鎮まって宇宙の守護にあたる神霊を瑞の御霊という。
* 厳の御霊、瑞の御霊二神が接合して至仁至愛(みろく)神政を樹立した神の名を、伊都能売(いづのめ)の神という。
* 紫微天界より数億万年の今日に至って、二神がようやく伊都能売の神として現われ、大宇宙の中心である現代の地球の真秀良場に現れ、現界に身をおいて宇宙更生の神業に尽くす世となったのである。

第十三章 神の述懐歌[一](一八四四)
* 大元顕津男の神は、御霊を月界にとどめ、肉体は高地秀の宮に仕えて神の経綸を遂行していたが、厳の御霊の教えを誤って信じた凡神は、種々あらぬことを言いふらして顕津男の神を力限りに妨げた。
* 大元顕津男の神は高地秀の峰に登り、自分が救おうとしている神々から救いの業を妨げられ、大神の経綸を果たせないでいる苦悶の心を、述懐の歌に歌った。
* また顕津男の神に仕える八十柱の比女神たちも、いたずらに時を過ごし老い去り、その間にも世はますます曇りすさんで、天界も邪神のために収拾がつかない状態になってしまった。
* 顕津男の神に側近く仕える八柱の比女神たちもまた、顕津男の神に対しての述懐を三十一文字の歌に歌い、顕津男と歌を交わした。
* 寿々子比女、朝香比女、宇都子比女、梅咲比女、花子比女らは、凡神らの妨げによって顕津男の神との契りがずっとできないでいることを嘆き、顕津男を責めながらも、顕津男の神への思慕の念を歌い、妨害を打ち破るよう顕津男を励ます。

第十四章 神の述懐歌[二](一八四五)
* 続いて香具の比女、狭別の比女、小夜子比女が述懐歌を歌った。
* こうして、八柱の比女神は日ごろの思いのたけを打ち明けたことにより、心が清清しく改まった。
* そして、天の刻が至るのを待つこととなった。



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