とよたま愛読会76回(天祥地瑞:73巻26章〜32章)望月 幹巳
                                                  メール:
motomi_mochizuki@ybb.ne.jp


日 時  平成15年1月26(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
電話   03-3321-3896、03-3321-8644
物 語  天祥地瑞 子の巻 第73巻25章〜32章
 

お知らせ
 梅花の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。さて、今回のとよたま愛読会は、愛善苑本部より中野楊子先生をお招きいたしまして、拝読講習会を行います。
 天祥地瑞をはじめ、聖師様のころより読みつがれてきた拝読の姿を示していただくことにより、愛読会拝読のいっそうの向上をはかります。
また、ご指導後はご一緒に愛読会の拝読に加わっていただき、実地に講習の成果を取り入れる予定です。
事前のお申し込みや参加料は不要ですので、皆様お気軽にご参加ください。開始時間は2月23日12時半からです(特にお昼のご意はいたしません)。 以上、お知らせ申し上げます。

★ 報告
 中津滝の大蛇を言向けた顕津男の神一行ですが、妖神邪神はさらに天界を悩ませます。主神により、その原因は言霊の濁りにあると諭された顕津男の神は、如衣比女の他界に始まる一連の難は、神業をおろそかにする自分の心にあると悟ります。
 いかなる障害もはばからず神業を第一とする、と心を改めた顕津男の神は、初めての御子神・美玉姫の命を大御母の神に託し、次なる国生み・神生みに向けて、東の国へ旅立ちます。

高日の宮の誓いが、天地経綸の基礎、として示されています。そしてこの過程で、国生み・神生みの意義が語られています。特に「神秘の扉」と題された第二十七章には、国生み・神生みとはどのようなことであり、なぜ国魂神が必要か、どのように神生みがなされるか、神生みの意義とは、等が示され、重要な章といえます。
そして、玉泉郷で八十比女の一人、世司比女に出会い、すぐに御子神を宿らせることとなります。一方、美玉姫の命は、無花果の実を食べてみるみるうちに成人し、高日の宮の神司となります。神業は順調にすすんで行きます。


楽器入りでの拝読

★ 拝読箇所で気のついたこと
第七十三巻
第三篇 東雲神国
第二十六章 主神の降臨(一八五七)

* 高照山の中津滝の大蛇は言向け和されたが、依然として妖邪の気は谷々を覆い、害が激しくなり始めた。
* 顕津男の神は、高日の宮に神々を集めて、国土平安の祈願を込めた。
* 顕津男の神が祝詞を唱え終わると、たちまち高照山の峰より香ばしい風が起こって妖邪の気は払われた。
* 紫雲がたなびき、月の光が晧々と照りだし、四辺に微妙の音楽が鳴り渡った。
* そして、八十の神々にかしづかれつつ、主の大神が天降りました。
* 高日の宮の神々は庭にひざまづいて主神を謹み敬い迎えた。
* 顕津男の神は恭しく主神を高日の宮の至聖殿にお招きした。
* 顕津男の神は謹みのあまり声を震わせて、主神にご降臨を感謝する歌を詠んだ。
* 主神は厳然としてお立ちになり、左手に玉、右手に幣を左右左に打ち振りながら、天界の曇り、乱れ、曲神たちの出現はすべて、言霊の濁りより生じていることを諭すお歌を詠い、そのままお姿をお隠しになった。
* 顕津男の神は、朝夕の言霊に濁りがあったことを悔いた。国生み神生みの神業でありながら、如衣比女への私的な恋心を起こして心が濁っていたこと、そして今後は自分の名誉を捨ててただ神命に応えていくことを宣言した。
* 諸神はそれを聞いておのおの、神業を妨害したことを悔いた。
* ここに、「国生み神生み」が主神の神業であることが明らかとなり、またそれを臆せずに遂行していくことを、顕津男の神が宣言した。
* つまり、天界経綸発祥の基礎となったのである。

第二十七章 神秘の扉(一八五八)
* 国生みの神業とは:荒れ果てた国土を開拓し、神々の安住すべき土地を開くこと。
* 神生みとは:国魂神=国をつかさどる清く正しい神魂として、御子を生むということ。
* 国魂神が国をつかさどらなければ、神々は強い者勝ちの気分を起こし、収拾がつかなくなってしまう。
* 御子生みは、男神と女神の真言の言魂の水火(いき)同士を融合調和させ、それに応じて神霊が胎内に宿り、御子が生まれるのである。
* これは言霊による神示の神業であり、一夫多妻ではない。
* 一切万有に対するのが愛であり、これに対してある一つのものに焦がれるのが恋である。
* 現代においても、神人はかく言霊の接合によって御子生みの神業を為すことができる。
* ただ、言霊の影響は、一般の妊婦に対しても及ぶので、現代人も朝夕、善言美詞を奏上し、清く赤き真言の心を心がけるべきである。

第二十八章 心内大蛇(一八五九)
* ここに、顕津男の神は、これからはいかなる批判にもはばからず神業を遂行することを現そうと、斎戒沐浴し、誓いの祝詞を唱えた。
* 神々は顕津男の神に、心の大蛇を切って先に進んでほしいと歌を詠った。
* 顕津男の神は、如衣比女の命を奪った大蛇は、顕津男の神自身の暗い心であったと宣し、中津滝の滝壷に身をひたし、自らを戒める歌を詠った。
* こうして顕津男の神は七日七夜の禊を修し、国魂神・美玉姫の命の養育を大御母の神に預け、神々を率いて東の国原を目指して高照山を後にした。

第二十九章 無花果(一八六〇)
* 顕津男の神は、大御母の神、眼知男の神、味豊の神、輝夫の神を高日の宮の神司と定めた。
* 一方、大物主の神、近見男の神、真澄の神、照男の神を伴って、天の白駒にまたがって旅立った。
* 大御母の神は、美玉姫の命を主の大神の御霊と崇め奉り、その成人を待っていた。
* 大御母の神は、眼知男の神、味豊の神を伴い、花の咲きにおう野原に美玉姫の命と野辺遊びをはじめた。
* 味豊の神は、無花果の実を腕いっぱいにもいで、美玉姫の命の前に捧げ置いた。
* 姫はその中の一つをとって口に入れると、たちまち背は高く伸び上がり、成人してしまった。
* 大御母の神、味豊の神は感嘆のあまり、喜びの歌を詠った。
* 美玉姫の命は詠った:自分は月の世界より生まれたので、成長が早いのだ。
* また、月の露を浴びて育った無花果が自分の体を生かす食べ物である。
* これより、高日の宮の司となろう、と。

第三十章 日向の河波(一八六一)
* 顕津男の神は、東の国への途上、日向(ひむか)河の流れにさえぎられ、一行はどうやって渡ろうかと思案にくれている。
* すると、日向河を左右に割って、白馬にまたがり現れた女神があった。
* 河守の女神は一行に敬意を表し、六頭の天の白駒を献上した。
* 一同がそれぞれ感謝の歌を詠うと、女神は自分は河守比女であり、顕津男の神が河を渡ると聞いて、馬を用意して待っていた、と明かす。
* 一行は河守比女が割った河を渡り、森の中にある比女の館に招かれた。

第三十一章 夕暮の館(一八六二)
* 河守比女の館は、四方に青芝垣をめぐらし、常磐木の松が枝を伸ばし、楠の木は天をつくようにそそり立ち、清清しさに満ち溢れていた。
* 一行は館のすばらしさを称える歌を詠った。
* 顕津男一行は館の別殿に休息することとなった。
* すると、河守比女は顕津男の神の正面に座り、笑みをたたえながら、実はこの館は自分のものではなく、八十比女の一人、世司比女のものであることを明かす。
* 顕津男の神はこのようなところに八十比女の一人がひそんでいたことに驚く。
* 次の間より、世司比女は顕津男の神に相聞の歌を送り、姿を現した。
* 河守比女は場を退いた。あとに顕津男の神と世司比女の神は言霊による神生みを行うと、世司比女はたちまち御子神をはらんだ。
* 顕津男の神は、御子神誕生まで館に留められ、その間国津神々を招いて、教えを講じた。
* 顕津男の神に付き従う五柱の神々は、神業がつつがなく進んでいる喜びを歌に詠った。

第三十二章 玉泉の月(一八六三)
* 顕津男の神はこの平原一帯を東雲(しののめ)郷と名づけた。そして、世司比女と共に、比女の館、玉泉郷の庭園を散歩し、東南の隅に建てられた三層の高殿に登って四方を見渡し、国生み・神生みが順調に進んでいる喜びを詠った。
* 顕津男の神、世司比女の神は、国の形を見る歌を互いに交わした。
* 東雲の国は、常磐木の松、樟が生い茂り、花が咲き乱れ、白梅が常に香っている。また無花果が常に実っている。
* 日向河が東北から流れ、国土は東南に扇形に広がっている。
* 高照山は南西にそびえている。
* 平原には濛々と湯気が立ち上っている。
* 日が暮れてきたので、二神は高殿を降り、庭の玉泉の傍らに立ってしばし安らった。
* すると、玉泉は二柱の姿を鏡のように清らかに写した。
* 顕津男の神と世司比女は、夕暮れの泉に円満晴朗の月が写るのを見て、月の恵みをたたえ、またその結晶である御子神が宿った喜びを歌に交わした。
* すると、大物主の神は静かに庭を進み来たり、御子神懐妊の喜びと、自分が御子の後見となってこの東雲の国に留まり仕えようとの心を、恭しく詠った。
* 各々、玉泉の傍らで述懐の歌を詠い終わり、館に帰っていった。

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