とよたま愛読会79回(天祥地瑞:74巻3章〜7章)
              
望月幹巳   メール:motomi_mochizuki@ybb.ne.jp


日 時  平成15年4月26(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
電話   03-3321-3896、03-3321-8644
物 語  
天祥地瑞 第74巻3章〜7章

★ 報告
惜春のみぎり、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。
さて、物語は今回は少し趣が変わり、本当の「国生み」からはじまることとなります。目的地の真鶴山は、まだ山として固まっておらず、麓はぬかるみ、湯気がもうもうと立ち込めています。顕津男の神たち一行は、言霊によって山を固め、真鶴国を作り出します。
79回、本巻の巻頭で、言霊の活用がまとめて説明されていたのは、やはり物語りの伏線となっていたようです。顕津男の神の従神たちの役割にも、言霊の解にもとづいたさまざまな意味がこめられているようで、興味は尽きません。
そして、ここまで比較的順調だった国生み神生みの旅を阻む出来事が起こります。神々が固成した真鶴山の主、生代(いくよ)比女が顕津男の神に恋してしまいます。しかし生代比女は、主神が定めた八十比女の一人ではありません。生代比女を拒んだ顕津男の神を恨んだ生代比女は悪竜となり、八十比女を呪うと誓いを立ててしまいます。
顕津男の神の従神たちはみな、生代比女の無思慮に怒りますが、顕津男の神はかえって、生代比女の情を慈しむ思いを歌にします。
思わぬとこから思わぬことが起こり、真鶴国は、神の国生み神生みの旅ははたしてどうなっていくのでしょうか。

★ 拝読箇所で気のついたこと
第七十四巻 天祥地瑞 丑の巻
第一編 渺茫千里
第三章 篠の笹原(一八七一)

* 国中比古の神は、一行の先頭に立って道案内をする。
* 国中比古は目的地の真鶴山に、一足先に行って一行を迎えることとなった。
* しばらく行くと、激しい濁流の河が一行をさえぎった。
* 顕津男の神は厳然として水を清める歌を歌うと、濁りはうすらぎ、河の砂利も見えるほどに澄み切った。
* 一行は河をわたったところで休息を取り、眠った。

第四章 朝露の光(一八七二)
* 紫微天界は、太陽の光が現在の地球の7倍あり、月もまた同じだけの明るさがあるが、妖邪の気が鬱積する遠方の地は、地球のように夜がある。
* だから、顕津男の神が紫微天界をくまなくまわり、明るく清める必要があるのである。
* 顕津男の神のサソスセシの言霊によって清められた河は、清美河という名を与えられた。
* 夜明けとともに一行は起き、歌を交し合う。多々久美の神は、ふたたび言霊によって雲霧を払えば、その神徳にみな感嘆の歌を歌った。
* 近見男の神は自ら先導を申し出、自ら名前を遠見男の神と改めた。
* その日の夕暮れ、一行は真鶴山のふもとにたどり着いた。

第五章 言霊神橋(一八七三)
* 真鶴山は、まだ若い山で、つきたての餅のように湯気がもうもうと立ち昇っている。山の姿もまだ固まっていない。周りには、底深い沼が広がり、そこからも湯気が立ち昇っている。
* 山に近づくにしたがい、柔らかい土に馬の足がとられ、沈んでいく。
* 顕津男の神は馬上より、カコクケキ、ガゴグゲギの言霊歌を歌うと、ぬかるみは次第に固まり、沼から出る霧も薄らいで、真鶴山の姿が日の光を浴びて現れた。
* 遠見男の神はこの奇瑞をたたえる歌を歌った。
* ウ声の言霊から生まれたという多々久美の神が言霊歌を歌うと、沼の水はみるみる煙となって高く昇り、一滴の湿りもないまでに乾ききった。
* 美波志比古の神はタトツテチ、ダドヅデヂの言霊歌で沼の底土を乾燥させた。
* 一行は、先発していた国中比古の案内で、真鶴山の頂上に登った。

第六章 真鶴山霊(一八七四
* 顕津男の神は、真鶴山の山頂に神々を率いて、厳の言霊歌を歌った。
* 国原は、マモムメミの言霊によって生まれようとする。
* いろは歌、続いて天の数歌、真鶴山の国造り歌を歌う。
* 最後に、『ウーアーオー』の言霊を宣りあげた。
* すると、真鶴山は次第に盛り上がり固まり、常磐木の松、白梅、筍などが生い出でた。
* 圓屋比古、産玉の二神は、この瑞祥をたたえる歌を歌った。
* 産玉の神が、この山を守る女神のないことを嘆く歌を歌うと、大地をわけて、一人の女神が現れ出た。真鶴山の御魂、生代比女が、産玉の神の言霊と顕津男の神の神徳によって呼び出されたのであった。
* 神々は各々、喜びの歌を歌いあった。

第七章 相聞の闇(一八七五)
* 神々たちはさらに、七日七夜の間、生言霊を山のさまざまな方角から宣りあげていった。真鶴山は四方八方に伸び広がって、目も届かないくらいに広大になった。
* これにより、山の四方の原野は次第に水気がなくなって地が固まり、真鶴国が誕生した。
* 一行は祝いと喜びの歌を歌った。
* 生代比女は、顕津男の神をずっと待っていたが、いまやっと真鶴山が世に出て、時が来たと歌いかける。
* しかし、顕津男の神は、生代比女が八十比女神の一人ではないため、見合うことはできない、と諭す。
* すると生代比女は嘆きの歌を歌い、たちまちその姿は消えて隠れてしまった。そして、山麓より黒煙が立ち上り、あたりを包んでしまった。
* 多々久美の神の言霊でも黒雲は晴れず、顕津男の神は生代比女に歌い呼びかけた。
* すると黒雲の中から生代比女は答えて、顕津男の神への恋が破れた恨みに、沼の主となり、八十比女神の一人、玉野比女を呪ってやる、と歌い残して、悪竜となって玉野湖をさして駆け去ってしまった。
* 連れの神々は口々に、生代比女に対する怒りの歌を歌うが、顕津男の神は生代比女の情けにほだされ、主の神のいいつけに背いても、生代比女を捨てることはできない、と歌った。
* たちまちあたりの黒雲は晴れ、四方に白梅が香り、天国の状態を顕した。

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