とよたま愛読会91回(天祥地瑞:76巻 5章)
 
       記望月幹巳       メール:motomi@moon.nifty.jp


日 時  平成16年4月25(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
      連絡先 03-3321-3896、  03-3321-8644
物 語  天祥地瑞 卯の巻 第76巻 5章〜8章

*お知らせ*
おかげさまをもちまして、とよたま愛読会もすでに92回目となり、数えますと、来年2005年1月をもちましてちょうど100回を迎えることになります。そこで、来る記念すべき100回目の拝読会には、聖師様ゆかりの場所にて行う記念行事を企画しております。
予定としましては、ご口述場所のひとつ、伊豆湯ヶ島温泉の湯元館での拝読会を考えております。
日時:2005年1月22日(土)・23日(日)、第四土日を予定しております。
費用:宿泊費は16,000円です(朝・夕飯付き、サービス料込み、税別)。交通費、昼食費その他等は実費となります。
まだ企画の段階ですが、詳しいことが決まり次第、この案内にて順次お知らせしていきますので、よろしくお願いいたします。

★ 報告
新緑の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。第92回とよたま愛読会のお知らせと、前回の報告をお送りいたします。
鋭敏鳴出(うなりづ)の神の言霊の力によって、無事に曲津神の妨害を退けた一行は、ついに高地秀の宮居へと戻ってきました。高地秀の宮居は桜の花の咲き乱れる春真っ盛り、のどかな情景が旅に疲れた一同を迎え入れます。
主の神より、宮居の宮司神を授かり、高野比女の旅は大成功のうちに終わりました。しかし、帰還を祝う宴の最中に、早くも次の波乱を予感させる出来事が織り込まれていました。
盃に舞い来て浮かぶ桜の花びらに、御樋代神のひとり朝香比女は、顕津男の神の清き心を見出し、思慕を新たにします。そしてその花びらをぐっと飲み干し、顕津男の神の行方を追って旅立つことを心に決めたのでした。
出立の間際に、朝香比女の心を知った御樋代神たちと宮司神たちは、比女の旅立ちを固くいましめ、思いとどめようとします。しかし朝香比女の神はかたくなに拒み、強引に馬に乗って出立してしまいました。
後に残された神々は、朝香比女の短慮を怒り悲しみながらも、比女の無事を祈って御祭を行います。祭の中で、朝香比女の行動を歌によって見直し振り返った神々は、朝香比女の顕津男の神を思う真心の強さに打たれます。
宮司神の天津女雄の神は、朝香比女は西方の国の国魂神を生むべく旅立って行ったのだ、との予言的な歌で御祭の述懐歌を締めくくります。

★ 拝読箇所で気のついたこと
第七十六巻 卯の巻
第一篇 春風駘蕩
第五章 露の宿(一九二二)

* 大野ヶ原を、一行十一人は、駒のくつわを並べつつ勇み進んでいく。
* 曲津神の妨害を退け、高地秀の宮も近づいてきた。一同は順番に旅の様子を述懐歌に歌いつつ、駒を進めていく。
* 野辺に一夜を明かして、翌日の昼には、無事に高地秀の宮に帰りついた。

第二編 晩春の神庭
第六章 報告祭(一九二三)

* 春の陽気に桜の花が爛漫と咲き乱れる真昼頃、高野比女の神一同は、高地秀の宮居の清庭に駒のくつわを並べ、顔を輝かせて帰りついた。
* 留守を守っていた胎別男(みわけお)の神は、一同の無事の姿に喜び、長旅をねぎらおうと、諸神に命じて別殿に歓迎の宴の準備を始めた。
* 高野比女の神は大宮居の大前に禊祓い、感謝の祭典を行い太祝詞をあげた。
<その概要は>
◇掛巻(かけまく)も畏き紫微天界の真秀良場(まほらば)である高地秀山の岩底深く、宮柱を立て、高天原に千木が届くほど高く宮を構えて永遠に鎮まっておられる主の神、その大前に、御樋代の神である高野比女らは、謹んでかしこみかしこみも申し上げます。
◇そもそも、天界(かみくに)は、主の大神の広く厚い大御恵みと、赤く直く、正しい生言霊の神聖な威力によって鳴出でてできあがった国土である。
◇だから、わけ隔てなく大神の恩頼(みたまのふゆ)によって永遠に栄えるものであるし、大神の御恵みがなければ、立ち行かないものである。
◇そのことを深く悟り広く知って、ますますその偉大さを恐れ敬い奉ろうと、某吉日に万里の道を馬に乗って旅立ち、草枕の宿を重ねて、天津高宮に詣で奉った。
◇そこで、大神御自ら清く赤きご託宣を承り、一言も漏らさず肝に銘じて、その大御恵みをかたじけなく受け取らせていただいた。さらに、恐れ多くも主の神より、高地秀の宮居の宮司として、鋭敏鳴出(うなりづ)の神、天津女雄(あまつめを)の神の二神をお授けいただいた。
◇これで高地秀の宮居も栄えるだろうと思って嬉しく、おのおの御樋代神たちは玉の泉に禊を修め、感謝言を宣り、再び駒にまたがって大野ヶ原を帰り来た。
◇途中、多くの曲津神の妨害も、主の大神の深く厚き守りに、事無く乗り越えて、今日この吉日に帰り来ることができた。
◇その嬉しさの千分の一でも報い奉ろうと、海河山野さまざまの美味のものを、机に横山のようにいっぱいに置き並べて奉ります。
◇この様子をよろしくご覧になりご理解いただきまして、この宮居に仕える者たちが、主の神の大御心に違えたり逆らったりすることがなく、いただいた真言の光を照らして仕え、罪穢れ・過ちなく、よろしく仕えられますよう、かしこみかしこみもお願い申し上げ奉ります。
◇また、別に申し上げます。高地秀の宮居を真中として、四方にある未だ若い国土の国津神たちが、おのおの日々の業務を励み勤めて、緩んだり怠ったりすることがありませんように。この天界がさらにさらに拓き栄えますように。また、紫微天界の真秀良場である貴い御名を落とさないよう、皆が励んで活動できますように。たった一つの我が膝をおり伏せ、鵜のごとく首をついて、かしこくもお願い申し上げます次第です。
◇惟神霊幸倍坐世、惟神霊幸倍坐世。

* 高野比女の神は、祝詞を終わり、諸神とともに直会の席につき、しばらく合掌しながら、この旅を振り返る述懐の歌を詠んだ。
* 次に鋭敏鳴出の神が述懐の歌を詠んだ。すると、ちょうど桜の花びらが一枚、ひらひらと、朝香比女の神の持った盃の上に落ちてきた浮かんだ。
* 朝香比女の神は微笑みつつ歌を歌った。
◇背の岐美(きみ)の 清き心の一弁(ひとひら)か わが盃に浮ける桜は
◇背の岐美の 心と思へば捨てられじ 花もろともにいただかむかな

* そして花びらの浮いた神酒をぐっと飲み下し、次の歌を歌った。
◇背の岐美の 深き心の花弁(はなびら)と 神酒諸共に飲み干しにけり
◇御樋代の神と選まれ 背の君の水火(いき)と思ひて 飲みし花酒(はなざけ)よ
◇斯くならば 吾は見樋代神として 岐美の在所(ありか)をたづね行くべし

* そして、各御樋代神たちはそれぞれ、この旅が成功に終わったことを寿ぐ述懐の歌を歌った。
* 十柱の御樋代神たちは、大宮に詣でた報告祭を奏上し終わると直会の席についた。そして、今回の旅で学んだ言霊の真理を告白しつつ、各々の居間に戻り、休みを取った。
* 折りしも、吹き来る春風に、庭いっぱいの桜は雪のごとく夕立のごとく、算を乱して清庭のおもてに散り敷き、庭は一面の花筵となった。そこに名残を惜しむように数多の胡蝶がやって来て、低く舞い遊び戯れていた。

第七章 外苑の逍遥(一九二四)
* 旅に疲れた諸神たちは各々眠りにつき、高地秀の宮居の広庭は水を打ったように静まり、小鳥のさえずる声のみが聞こえていた。
* 胎別男の神は神駒の疲れを休ませようと、外苑の庭に放して遊ばせていた。春風は花の香りを四辺に送り、いたるところおぼろのもやが立ち込めて、のどかな晩春の景色となっていた。
* そんな中、ひとり朝香比女の神は、長閑な春の日に眠るのは惜しいと、清庭に立ち居で、心静かに歌を歌っていた。
* 晩春の景色を述懐していた朝香比女だが、その歌は次第に、旅立っていった顕津男の神への思慕に変わっていった。そして御樋代の神として顕津男の神をどこまでも探し追い求めて行こう、高地秀の宮居を旅立とう、という思いにまでなっていった。
* その歌を耳にした胎別神は、大いに驚いて宮居に急ぎ帰り、他の御樋代神と鋭敏鳴出神、天津女雄の神に報告した。一同は驚いて外苑に出てきてみれば、朝香比女はすでに駒の背に倉を置き、片手に手綱を取ってまさにあぶみに足を掛けて乗り出でようとするところだった。
* 高野比女は急ぎ馳せよって駒のくつわを固く握って押さえ、出立をいさめる歌を歌った。
* 朝香比女は右手に手綱を取りながら、返答歌にて、顕津男の神への恋しさに、道にそむくと知りながらも、旅立つ心を押さえられない気持ちを伝えた。
* 高野比女は厳然として諭しの歌を歌うが、朝香比女はさらに強い自分の思いを返答歌にして返すのみであった。
* 朝香比女の神の勢いに驚いたその他の神々も、比女を思い止めようとさまざまに諭しの歌を歌うが、朝香比女はそのたびに自分の強い決意を歌にして返した。
* 最後に天津女雄の神がいさめの歌を歌うが、朝香比女は決然として別れの歌を歌い、駒に一鞭あてると、まっしぐらに夕闇の中へ旅立っていってしまった。

第八章 善言美霊(一九二五)
* 朝香比女の神は、顕津男の神を慕う狂おしい心に、御樋代神たちや宮司神たちのいさめを聞かず、白馬に鞭打ち、黄昏の空を東南指して駆け出でてしまった。
* 後に残された宮居の神々たちは、朝香比女の短慮を怒り嘆いたが、高地秀の宮居の聖殿に心静かに帰って朝香比女の神の旅の無事を祈るしかなかった。
* 一同は祭典の準備が整うと、鋭敏鳴出の神が宮居の司の務めとして、自ら高御座の大前にひれ伏し、声さわやかに、朝香比女の無事を願う祝詞を奏上した。
* 高野比女の神は御祭りの庭に立って朝香比女の行動を述懐し、皆のいさめを聞かずに飛び出した比女を「面勝神」と宣すが、無事を祈る歌を歌った。そして最後には、朝香比女の内に秘められた、激しく顕津男の神を思う心に思い至り、その心を汲むことができなかった自分を悔い、宣りなおした。
* 神々はそれぞれ、西方の国へ向かった朝香比女の無事を祈る歌を歌い継いだ。そして御樋代神の中には、「面勝神」である朝香比女が、実は曲津神をも糺す力を持った雄雄しい神であることを悟るものもあった。
* 最後に天津女雄の神は、朝香比女の雄雄しさに打たれ、西方の国魂神を生むべく旅立っていったその心をたたえた。

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