とよたま愛読会98回天祥地瑞 巳の巻 第78巻 第14章「花見の宴」 〜 第18章「神嘉言
                 記:望月幹巳 メール:motomi@moon.nifty.jp


日 時  平成16年11月28(日) 午後1時から午後4時30分まで
場 所  愛善苑 豊玉分苑 (京王線下高井戸駅下車 徒歩8分 川崎方)
      連絡先 03-3321-3896、  03-3321-8644
物 語  
天祥地瑞 巳の巻 第78巻 第14章 1970「花見の宴」〜
第18章 1974「神嘉言

★ 報告
師走の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと思います。

物語の進展は、引き続き葦原国における、朝香比女と葦原比女の物語です。グロノスとゴロスの邪神を追い払い、葦原の国に平和をもたらした朝香比女の神一行は、葦原の国の守り神・葦原比女の神は、朝香比女一行を招いて、桜ヶ丘の聖所で歓待します。朝香比女から送られた天の真火によって、完全に邪神を葦原の国から追い払った後、朝香比女一行は再び旅立ちを決意します。浜辺まで見送りに出た一行は、国土の中心・忍ヶ丘で一夜の宿を取ります。そこで、一行は三千年に一度という月と星の奇瑞に出会います。それは、朝香比女の言解きによって、天津神の光が弱まり、国津神の中から真に優れた者が出て国土を補佐する、という意味であることがわかります。

  天津神たちは、これまでの心の驕りが、邪神のすさびをもたらしていたことを悟り、罪を告白します。葦原比女の神は大英断をし、これまで天津神として仕えてきた神々を国津神に降し、一方国津神たちの中から清い正しい心をもった神を選んで、天津神として国土を任せることを決断します。そして、国土の中心・忍ヶ丘へ、宮居を移すことを決めたのでした。

 朝香比女の神は、新しい国土の出発に際して、十曜の神旗を葦原の国土の標旗とするように定めます。また、新たな神の神任式では、主の大神の使い・鋭敏鳴出(うなりづ)の神が、十曜の神旗を掲げて、新しい国の出発を祝いに降臨します。

 朝香比女の神一行は、とどまってこの神任式の立会人となり、一同はおのおの、新しい国土の出発を祝ったのでした。

 

★ 拝読箇所で気のついたこと
第七十八巻 巳の巻 
葦原新国
第十四章 花見の宴(一九七〇)

  • 葦原比女は、桜ヶ丘の聖所に朝香比女の神一行を招いて大宴会を開いた。国津神たちは、高地秀の宮から天津神が救いにやってきたと聞いて、集まって踊り狂い、感謝と歓喜を表した。
     

  • 葦原比女のもてなしに朝香比女は感謝の歌を歌った。そして、田族比女の神から送られたダイヤモンドを、天の真火の火打石とともに、贈り物として葦原比女に与えた。
     

  • そして、ダイヤモンドの光よりも、真火こそが真の夜光の玉である、と歌い諭した。
     

  • 葦原比女をはじめ、従者神たちは感謝の意を歌に表した。一方、朝香比女の従者神たちも、桜ヶ丘ののどかで美しい様を詠み、葦原比女の神にもてなしへの感謝を表した。

  • 第十五章 聖地惜別(一九七一)

  • 葦原の島に潜んでいたグロノス、ゴロスの邪神は、鷹巣山の谷間深くに逃げ潜み、隙を見ては黒雲を起こして寒冷の気を四方に散布して万物の営みを妨害していた。
     

  • 葦原比女の神は、朝香比女より賜った真火の燧石によって邪神の潜む山野を焼き払った。そしてようやく、グロノス、ゴロスの邪神は葦原の国を捨て、遠く西方の国へと逃げ去っていった。
     

  • 朝香比女の神は、朝夕神前に神言、天の数歌を宣りあげ、葦原の国土の天地を清めた。四季の順序はよくなり、国津神の生活を安らかになった。
     

  • 朝香比女の神は、いよいよ桜ヶ丘を出立する時が来たと別れを歌い、もしも曲津見に再び襲われるときが来たら、真火の力で払うように歌い諭した。
     

  • 葦原比女の神を始め、桜ヶ丘の従者神一同は、感謝と惜別の歌を歌った。朝香比女の神の従者神たちも、もてなしへの感謝と別れを惜しむ述懐の歌を歌った。
     

  • 葦原比女の神は浜辺まで見送ることとし、一同駒に乗って進んだ。忍ヶ丘の麓まで送ったところで日が暮れたので、その日はここに一夜の宿をとることとなった。

  • 第十六章 天降地上(一九七二)

  • 一行は忍ヶ丘の上に葦の畳を敷き並べ、おのおの生言霊を宣り、また歌を詠みながら、夜が明けるのを待った。
     

  • 天の一方を眺めると、一塊の雲もない空に、上弦の月が下界を照らし、月の右下方に金星が寄り添って燦爛と輝き、月の右上方三寸ばかりのところに土星が、光薄く光っていた。これは三千年に一度やってくる天の奇現象であり、稀有のことであると神々はおのおの空を仰ぎ、葦原の国を改革すべき時が来たことを感知した。
     

  • 葦原比女の神は、朝香比女の神にこの減少の意味の言解きを願った。朝香比女の神は答えて、土星は天津神の言霊が濁り、光があせていることを現している、と解いた。金星は、国津神の中から光が現れて世を守る、と言解きをした。そして、月は葦原比女自身を現している、と。
     

  • 葦原比女の従者神、真以(まさもち)比古は驚いて、知らず知らず心がおごり、主の神に仕える道を怠っていたことに思い至った。そして、今まで邪神が荒んでいたのも、葦原比女につかえる天津神たちの曇りが原因だったことを悟り、御樋代神に許しを乞うた。
     

  • 葦原比女の神は、土星に光が戻るまで地に下って世に尽くす役目を真以比古の神に命じ、代わって忍ヶ丘の国津神・野槌彦の神を司に取り立て、野槌の神を改名するよう命じた。
     

  • 野槌彦は辞退するが、葦原比女の神は、謹んで命を受けるように改めて命じた。そして、国津神の中からも、清く正しい御魂を選んで、天津神業を任せるように用いる、と宣言した。
     

  • 朝香比女の神はこの英断に感じて歌を詠じた。葦原比女に仕えていたその他の天津神たちも、自らの心持に思いを致して驕り高ぶりの罪を認め、今までの罪を悔い、野槌彦の魂の清さを認め、野に下って田畑を拓く決心を述懐した。
     

  • 朝香比女の神は、葦原の国に天の時・地の時が至ったことを宣言し、今日から葦原の国の標章をスの玉(?)とし、玉を十並べて「真言の国土の標章」と定めるように命じた。葦原比女の神は、国の旗標まで朝香比女より賜ったことに感謝の歌を歌った。
     

  • 野槌比古の神は、国津神の中から高彦、照彦、清彦、晴彦を選んで、天津神に連なる国の補佐として推薦した。葦原比女は、それぞれ高比古の神、照比古の神、清比古の神、晴比古の神を改名するように命じた。そして、急遽召集を受けた四柱の国津神たちは、夜がふける頃忍ヶ丘に到着し、葦原比女の神の宣旨のもとに、天津神の列に加わった。

  • 第十七章 天任地命(一九七三)

  • 葦原比女の神は、天体に現れた月星の奇現象に、三千年の天地の刻が至ったことを証覚し、大勇猛心を発揮して、天津神たちを残らず地に降し、また地に潜んでいた御魂の清い国津神を抜擢して国土の政治一切を統括した。
     

  • この英断に朝香比女の神は感激し、諸神に向かって新しい国土の誕生に、宣示の歌を詠んだ。葦原比女の神は、忍ヶ丘に国土の司を定めると宣言すると、ここに主の大神の祭壇を作らせ、神々の神任式の祭典を盛大に執り行った。
     

  • 野槌比古の神を始め、国津神より選ばれた五柱の神々は、葦原比女の神の前に進み出ると、任の重さに身を引き締め、国土に尽くす覚悟と抱負の歌を歌った。
     

  • 葦原比女の神は続いて、もと天津神として仕えていた従者神たちそれぞれに、地上の任務を言い渡した。真以比古は西の国土、成山比古は南の国原、霊生(たまなり)比古は東の国原、栄春比女は北の国土、八栄比女は、野槌比古がもと司っていた忍ヶ丘を、それぞれ任命された。
     

  • こうして朝香比女の神一行の立会いのもと、神任式は無事に終了し、天津神は国津神となり、国津神は天津神を任命され、葦原の国土は新しい生命に輝きはじめた。

  • 第十八章 神嘉言(一九七四)

  • 妖邪の気が鬱積して、ほとんど亡国に瀕していたグロスの島は、朝香比女の神の降臨によって天地清まり、葦原新国と改称してよみがえった。そして国津神を抜擢して神業を司らせることとなった。
     

  • グロノス、ゴロスの曲津神たちは生言霊と真火の功によって逃げ失せたので、国土の中心にある忍ヶ丘に宮居を移し、国津神たちを治めることとなった。生きとし生けるものは忍ヶ丘の聖場に集まり来て、新しい国土の成立を寿ぎ祝うこととなった。
     

  • 葦原比女は、新たに任命した天津神たちを率いて忍ヶ丘に太き宮柱を立てて主の大神を斎き祭り、大御前に潔斎して国の初めの神嘉言を奏し、感謝と喜びの歌を歌った。朝香比女の神は、寿ぎの歌を歌った。
     

  • 朝香比女の神が寿ぎの歌を歌っているおりしも、鋭敏鳴出(うなりづ)の神が、天空より十曜の神旗をふりかざし、数多の従神を従えて、紫の雲に乗ってこの場に天降った。朝香比女の神はこの光景に驚き、合掌敬拝しつつ鋭敏鳴出の神への感謝と祈願を歌った。
     

  • 鋭敏鳴出の神は、まず新宮に主の大神へののりごとを上げ、そして葦原比女の神に、新しい国土の誕生への寿ぎ歌を歌った。葦原比女の神は驚きと感謝の歌を歌い、朝香比女、鋭敏鳴出の神の御魂をこの国土に永遠に止めてもらうよう、歌を歌った。
     

  • 野槌比古を始め、新任の天津神たちは、祝歌を歌った。天津神々は、葦原の国土の新たな甦りに祝辞を述べ、忍ヶ丘の中心地に宮居を移した大神業を謳歌しつつ、おのおの言祝ぎをして国土の前途を祈った。


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