ナオのページ1
はじめまして!ぼく捨て猫なんです。
1997年4月22日、マンションの入り口の横にその猫は居た。小さなボックスのうえに腹ばいに横になり、目をつぶったままじっとしていた。鼻水がボックスにとどきそうなくらいにたれていた。
1997年4月23日(水)小雨混じりの朝。その猫はまだそのボックスの上にうずくまっていた。出社していくおとーさんは時間に追われてその前を通り過ぎようとしたが、どうも猫が気になったのかその前にしゃがみこみ「どーしたんだ?おまえ・・」と声をかけた。が、結局そのまま通り過ぎてしまうのであった。しかしその猫は小雨にもかかわらず後を追いかけ「ミャーミャー・・」と鳴き続けた。それをベランダから見ていたおかーさんが、「可哀相だからつれておいで」・・・・この一言が我が家に猫が来るきっかけとなったのである。つれてきた猫はガリガリに痩せ細ってはいたが、もともとどこかで飼われていたらしくとても人なつっこくて、けっこうかわいい(?)。とりあえず猫まんまをあげてこたつの中で暖めてやった。
・・つれて来ちゃったんだ・・
夜になっておとーちゃんが仕事から帰ってきた。それまではずっとこたつに入っていた猫が、なぜかこたつから出てきた。それにも気づかず着替え始めるおとーちゃん。しかしついに足元に居る小さな物体に気がついた。そして大きくため息をついてから
「・・つれて来ちゃったんだ・・こいつ玄関のとこに居たやつでしょ?」(その時の第一印象「とにかく目つきの悪い奴だなあ」)
最初のうちは飼うことを拒んでいたおとーちゃんも、おかーちゃんと息子の言葉に負け(実は、本人もまんざらでは無かったらしい)結局飼うこととなったのである。
君はハナオだっ!!
さすがに今まで飼われていた猫が、この寒空に放り出されたものだからこの猫はひどい風邪をひいていた。鼻はたれるし、くしゃみもひどい。それもわざわざ人の所に来て「あら?どうしたの」なんて顔を近づけたときに、思い切り鼻水混じりのくしゃみを一発「ビッ!!」とやるのだからたまらない。
その日の夜になって名前を決めることになった。おしゃれな名前やら変な名前が色々出たが、おとーちゃんが「こいつはボックスにとどきそうなくらいに鼻水をたらしていたから、家に拾われてきたようなものだ。だから
ハナオだっ!だけどハナオじゃあんまりリアルだから、ふだんはナオと呼んであげよう」・・・・そして結局、「ほりえ ハナオ」、
通称「ナオ」に決まったのである。彼(雄猫です)には迷惑な話かもしれないが・・。