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和田岬線 キハ351               1999年9月


ご存じの方はご存じのJR西日本の
チョーローカル支線。山陽本線
兵庫駅から一駅だけの、言わば
三菱重工の通勤バスのようなモノ
でしょうか。だからと言う訳でも
ないのですがディーゼルエンジン
が唸りを上げて走っています。
平日で朝6往復と、夕方から夜
に8往復、片道5分の路線を
行き来するだけなので車両は
一編成だけしか有りません。
長年風雨に耐えてきた車両だけに
フロントガラスの汚れはひどく
泥汚れがガラスにこびり付いて
窓拭き用の洗剤をつけていくら
拭いても水滴の形に残りどうし
ても完全には取れませんでした。
そして、兵庫運河を渡る橋梁の
上で突然何かの電気ショックがあり、画面に
ノイズが発生して、結局一回目の撮影は失敗
に終わりました。二回目の撮影には窓ガラス
の清掃のプロから聞いた方法で時間を掛けて
清掃をしたので窓ガラスはキレイになりまし
た。また電気ショックの原因がわからないの
で、βcamカメラBVW-400の本体に一本とケー
ブルで繋いだ外部VTRにも一本、それから別
にDVCプロデジカムでも撮影し、合計三台の
VTRを廻しました。二回目は電気ショックは
無く三台とも全て正常に記録されホッとしま
した。今回窓の汚れに神経質になっていたた
め、鷹取車庫で窓を拭いてカメラのセット
をしている時、出庫する寸前にどうしても気
になったので、私一人で車両から降りてもう
一度ガラスを拭こうと思い、踏み台に乗って
窓ガラスに洗剤スプレーを吹きかけて布で拭
こうとした時に、すーと窓ガラスが離れて行
ったのです。 なんと私を残して列車は出庫してしまったのです。ガラスを拭こうとした
布は空を切りまさに空拭きとなったのです。 洗剤が付いたままのガラスの向こうに笑っ
ているカメラマンとVEの顔がありました。私は台の上に乗ったまま空しくキハ351の
後ろ姿を見送ったのでした。
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