パプアキンイロクワガタ (Lamprima adolphinae)

パプアキンイロクワガタは、小型ながら色彩変異が豊かで、人気のあるクワガタです。産地はニューギニア島のイリアンジャヤが有名です。
日本のクワガタしか知らない方は、きっとその姿に驚く事でしょう。色も形も日本のクワガタとはまるで違います。私も最初に見たときは小型のカブトムシか、ハナムグリだと思いました。オセアニアの動物たちはカンガルーのように独特の進化?をしたのでしょうか?
体色はその名の通り金色から緑色、青色まで様々です。光線の具合で色が変化するのが面白いですよ!特にメスの色彩変異は豊富で、青色はブルー、スーパーブルーなどと呼ばれ珍重されます。最近ではオスのブルー個体も登場したようです。
体長は♂が3−4センチ♀が2センチ前後と小型です。寿命もオオクワガタに比べると短く、8ヶ月から12ヶ月といったところです。また、産卵を終えると死んでしまう事が多いようです。
お値段も手頃で、飼育スペースが小さくても大丈夫(プリンカップでの飼育もOK)です。

2002ー2004年・2008ー2011年の飼育日記はこちら

2012年 飼育日記
2月14日

パプアキンイロクワガタ(ブルー血統)の産卵セットを2セット組みました。昨年10月に羽化したメスたちはそろそろ適齢期です!
選択したオス親は昨年末報告した「ちょっとブルーっぽいオス」2頭です。後食も開始し、準備は出来たと思います。メスは1♂に2頭(いずれもブルー発色)を投入しました。1♂2♀×2セットです。「愛の小部屋」も考えましたが、思い切っていきなりの投入です!
セット内容は、中ケースの底面を生オガ発酵マットで固め、柔らか目の産卵木2本(夏菌皮むき材)を埋め込みマットで沈めたセットです。
この血統から羽化したメスは全てブルーですので、今後更にブルーオスがより濃く出現することを希望します。保管は飼育部屋の温室です。常時20度で管理しています。良い羽化報告に期待します。
2月19日

昨年のクリスマスイヴにセットしたレッド血統の産卵ケースを割り出しました。このセットはオス2頭、メス5頭という変則的なものでした。
セット開始から2ヶ月と遅めの割り出しになりましたが、ケースの底面に幼虫が確認できなく、部分的にマットの発酵が進んだため、「仕方なしの割り出し」となりました。
取り出した産卵木2本には満遍なく坑道が掘られ、メスの産卵行動が確認できました。しかし、肝心の幼虫が出てきません。坑道の木屑の中から幾つかの卵は発見出来ましたし、坑道で産卵中のメスも確認しました。しかし、2ヶ月目にして卵とは・・。気になったのは産卵木の水分が多い事です。「水分多目」が裏目に出たのかもしれませんね。マットも多分、水分過多で発酵したのでしょう。
しかしその後、産卵木直下のマットから幼虫7頭が発見出来ました。とりあえずブリード成功です。
ちなみに種親たちですが、1♂1♀が死亡しておりました。残るは1♂4♀

4月30日

2月14日にセットした本命のブルー血統の割り出しを行いました。
結果は産卵セット「1」から幼虫9頭、「2」から幼虫3頭と少し残念な結果です。理由はセット後メスが寝てしまい・・・少々産んだがその程度・・・になってしまったからだと思います。ちなみにセット「2」の3頭のうち1頭は孵化後1ヶ月以上経過した2例幼虫、2頭は孵化したての初令幼虫でした。ちなみに「1」「2」とも種親は健在です。
私は発作的にセット「2」の種親の産卵セットを再構築しました。今後の累代飼育を存続するためです。予備の♀を追加し、♂1♀4というハーレム状態です。幸あらんことを・・・。
尚、2月に報告したパプキン・レッド血統ですが、その後10数頭の幼虫の存在が確認出来、めでたし・めでたしという感じです。
6月9日

2月に割り出したパプアキンイロクワガタ・レッド血統のメスと思われる個体群が蛹室を作りました。
この個体たちの種親は「ブルー血統」×「鉄色血統」でした。しかし、羽化したオス、メスは全て赤系で明らかに、父親の鉄色を引き継いでいました。今回ブリードしている幼虫はその兄妹の掛け合わせですので、どんな色が出現するのか楽しみです。おばあちゃんのブルーは現れるのでしょうか?
過去の例では前蛹から1ヶ月で羽化していますので、梅雨明け前にはメスの色が確認できそうです。
6月11日

「お疲れ様でした!!」
5月3日に再セットしたパプアキンイロクワガタ・ブルー血統の産卵セットを割り出したところ、7頭の幼虫と、10を超える卵が出てきました。
幼虫は生オガ発酵マットを詰めた120ccのプリンカップに入れ、卵は種親を取り除いた産卵セットに戻しました。どうやらこれで、ブルー血統も大漁旗が掲げられそうです。
昨年末から今年にかけてブリードを行った種親たちをひとつのケースに集めました。右端は唯一残ったレッド血統のメスです。「皆様、お疲れ様でした!」感謝を込めて餌ゼリーをフンパツしました(写真)。

6月25日

4月下旬に割り出したパプキン・ブルー血統幼虫のうち6頭の飼育マットを交換しました。飼育していたプリンカップ(120cc)のマットは乾燥気味でフンも多く見受けられました。
今回、オスメスの判別にトライしたところ、写真の左3頭がオス、右3頭がメスと予想できました。理由は頭幅です。一見、判別は難しく見えますがオスの頭幅はメスよりも1.2倍位大きいのです。
判別した理由は、オスは250ccのプリンカップで飼育したかったからです。メスは120ccのプリンカップで羽化まで飼育します。

7月8日

パプキン・レッド血統のメス5頭が羽化しました!羽化したメスの美しさに心が奪われました。
何故なら今まで見たことが無かった色合いのパプキン♀だったからです。それはプリンカップの外から観察しても感じていた程でした。
メス5頭のうち、3頭がレッドというよりはピンク・パープル系の色合いです(写真左下の3頭)。残る2頭のうち1頭(中央右)は鉄紫色、1頭(上)は鉄緑色といった感じです。鉄系の微妙な色合いもですが、ピンク系の個体の美しさが素晴らしいですね!
鉄紫、鉄緑は父系の色合いです。しかし、ピンク色というのは、祖母、祖父はもちろん、両親にも発現しなかった色合いです。祖父の姉妹にはこのようなピンク系が発現していたのかもしれません。
ところで、母方祖母のブルーの血は今のところ現れておりません。

8月末日
オスの羽化が報告できなくて申し訳ありません。実は旅行に出る都合上、手放してしまいました。クワカブランドの木下店長によると、赤いオスが1頭でたそうです。見てみたかった・・。

9月18日

パプアキンイロクワガタのブルー血統のメスたちが羽化を開始しました(写真)。
10頭程羽化しましたが今のところ、オールブルーです。色合いに違いはありますが、普通色は今のところ出ておりません。やはりブルー血統の血筋ですね!血の入れ換えを行っても全く問題無いようです。
オスも続々蛹になっています。オスの色も楽しみですね!


パプキン・ブルー血統のオスが羽化しました。
羽化した3頭のうち2頭は普通色の黄緑色ですが、1頭は青味があります。早速、写真を撮影しました。
出来る限り実際の色を再現するために、窓の側で自然光で撮影しました。使用カメラはキヤノンEOS7D、カラーバランスはオートです。画像をフォトショップでトリミングしましたが、濃淡や色補正は行っていないため、上の写真はややアンダー気味です。濃度の違いは撮影データの違いです。

いかがでしょうか?以前のブルーっぽいオスたちに比べさらに、ブルーっぽくなってきたような気がします。頭部にはブルーからグリーンへのグラデーションが見られます。ただ、羽化後まだ1週間ですので、完全に乾いた時にどうなるやら・・。
いずれにせよ、まだ3頭です。近々30頭近いオスが羽化予定ですので、結果を待ちましょう!


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