中国ホーペ (Dorcus hopei hopei) 2006.9.24改訂

「中国ホーペ」は国産オオクワガタ(binodulosus)と並び,
とても人気のあるクワガタです。呼び方は、「ホペイ」、「ホーペ」、「ホーペイ」など、雑誌や個人によって、「まちまち」です。私は「ホーペ」と呼んでいます。最後の「i」を発音しない事が多い、この世界では「ホープ」と発音する事が正解かもしれません。しかし、一般的ではありませんので、このHPでは「ホーペ」と表記します。
主な産地は中国で、「中国ホーペ」「中国ホペイ」「中国ホーペイ」と呼ばれることが多いようです。
姿かたちは国産オオクワガタにそっくりです。特に小型の個体では国産オオクワガタ、台湾オオクワガタと区別する事は難しいと思います。
しかし、一部の大型個体ではホーペの人気に火を点けた特徴が現れます。それは、国産オオクワガタに比べ、大アゴが太く、緩やかな曲線を描き湾曲しているという事です。平均的な国産オオクワガタ(binodulosus)に比べ、頭幅が広い事も人気に拍車をかけました。さらに内歯が外歯と重なる個体が多いように感じます。そして、累代により、その特徴を固定した血統が人気の中心になりました。「台湾オオクワガタ」に比べても、バランスが良好で、「国産オオクワガタ」的な「カッコイイ」ホーペは今後もオオクワガタ人気の中心となると思います。

詳細産地は「中華人民共和国」の、福建省、広東省、江西省、湖北省、湖南省、四川省、海南島などが有名です。平成8年に輸入された個体の子孫は「平成8年型」としてブランド扱いされる傾向があります。
飼育方法は国産オオクワガタと全く同じと云われています。極端低温(マイナスのような)でなければ、越冬にも気遣いは必要ありませんし、交尾・産卵も国産オオクワガタと同様、難しい部分はありません。しかし、私が飼育した経験では、冬季の冬眠傾向は国産オオクワガに比べ、やや弱いように感じました。国産オオの幼虫に見られる「セミ化幼虫」の出現率も少ないと思います。

ブリードには、国産オオクワガタ同様の産卵木、マット、ケースが必要です。晩秋、冬季にメスが休眠傾向にあるのも、「binodulosus」の傾向かもしれません。尚、幼虫は国産オオクワガタに比べ、成長が早いように感じます。

写真は平成8年型・福建省北峰産・平沼血統


2002−2005年の飼育日記はこちら!

2006年 飼育日記
5月16日

昨年、ブリードに成功した中国福建省・北峰産・平成8年型ホーペの幼虫たちの一部が蛹室をつくりました。この個体はオスのようですね!実はメスも未だ羽化していません。
中国ホーペは成長が早く、気をつけないと直ぐ蛹化のスイッチが入ってしまいます。しかし、今回ブリードした幼虫たちはズボラな管理にかかわらずゆっくり蛹化してくれました。幼虫の体重的には25グラム前後と、期待が持てる体重ではありませんでしたが、その後の成長に期待します。
6月14日

今年羽化予定のホーぺたちは、飼育ボトル沿いに蛹室を作るのが嫌いな様子です。先月写真を撮影した個体以外の幼虫は、飼育ビンの周辺に蛹室を作っていません。これでは羽化の確認が出来ません。そこで、可能性の高そうなボトルを掘りおこしてみました。出てきたのはオスの蛹でした。とりあえず、蛹室を綺麗に掃除して、そのままの状態で管理しようと思います。蛹の状態から察するに、羽化は近そうです。
6月25日

そろそろ、我が家のホーペたちも羽化している頃かな?今月、14日に掘り出した蛹も羽化しました。
サイズは72ミリ位だと思います(写真は未だ撮影していません)。今回は菌糸ビンの表面に蛹室を作らない個体が多く、割り出しのタイミングが難しかったと思います。
未だ割り出しの途中ですが、数頭の成虫が出てきました。決して大型ではありませんが、美形個体ばかりです。アゴ先まで太く、親似ですね!菌糸に慣れたら、きっと大きくなると思います。写真は、現在最も小さい68mmです。素晴らしい大アゴのラインですね!さすが、極太・平沼B血統です。どうやら、この血統に間違いはなさそうです。

7月10日

ついに出ました!今年羽化した平沼ホーペの中から「75mm」が出てきました。「大げさ」に報告する理由は、恥ずかしながら、私のレコード・タイ記録だからです。私の場合、何故か「国産オオ」のほうが成績が良いのです。
しかし、前回お伝えした個体同様の綺麗な湾曲と先端まで太い大アゴをもった美形個体です。嬉しくなり、ついつい写真を沢山、撮影してしまいました。
9月5日

7月に羽化した平成8年型・平沼ホーペが後食を開始しました。この個体は、今年羽化した中で一番のお気に入りの75mmです。もちろん、来年の種親候補です。羽化から約2ヶ月が経ちましたが、なかなか成熟の兆候が見られず、心配しておりました。
しかし、今回、後食を開始しましたので、少し安心しました。まだまだ舐める程度ですが、私の経験から、舐め始めれば、近々本格的に食べ始めると思います。
10月22日

湖北省産ホーペ幼虫3頭を購入しました。クワカブ専門店「WITH」さんが「石神井公園」へ移転したと聞き、早速、訪ねてみました。そこで、私の視線を止めたのは湖北省産ホーペの幼虫でした。大川店長に尋ねてみると、以前「クワカブランド」で販売していた「湖北省産」の兄弟の子供だそうです。種親(78mm)を拝見しましたが、「クワカブランド」の湖北省に負けない立派なホーペです。
お値段は3頭で2500円でした。これだけ優秀な血統のホーペのお値段としてはかなり割安です。1頭は蛹化したメス個体を選びました。残りの2頭のうちどちらかがオスであることを願います。

11月13日

10月に石神井公園の「WITH」で購入した湖北省産ホーペ幼虫の菌糸ビンを交換しました。ボトルに貼ってあるラベルには「9.3」という数字が記入してありました。多分、9月3日に菌糸ビンに投入されたという事だと思います。小さめの菌糸ビン(Gポット)には食痕が目立ち始めています(写真)。
掘り出してみると、1頭は24グラムある立派なオス幼虫、もう1頭はメス幼虫(未計測)でした。オスは1400ccの菌糸ビンへ移動、メスは800ccで管理します。ともに月夜野キノコ園さんの「ELEMENT」シリーズのボトルです。(温室管理です)
ちなみに本日、蛹で購入した1頭が羽化した模様です。オス1・メス2になりました。

12月24日

11月に羽化した湖北省産ホーペのメスを掘り出しました。サイズを測定すると、45mm。まずまずの大きさです。残る2頭の幼虫が楽しみです。羽化は来春だと思います。
ところで、平成8年型・平沼ホーペが、やっと冬眠に入ったようです。今冬も暖冬で、室内飼育の成虫たちはなかなか眠ってくれません。国産オオクワガタですらまだ起きている個体もいます。地球温暖化の影響なのでしょうね。困ったものです。


2007年 飼育日記
4月9日

湖北省産ホーペ・オスの幼虫が蛹室を作りはじめました。昨年11月の計測では、24グラムの幼虫でした。3本目の菌糸ビンで、多少は大きく育っていると期待します。ビン交換のタイミングはベストに近かったと思います。
現在、菌糸の劣化がやや進んでおりますので、蛹化後、人工蛹室へ移す事も検討しなくてはなりません。この時期、急激な温度上昇が、菌糸を発酵させ、有毒ガスを発生させる危険性もあります。ちなみに、もう1頭のメスはまだ幼虫です。

4月29日

湖北省産ホーペ・オスの幼虫が蛹化しました。昨年の幼虫体重測定時、24グラムでした。その後もう1ビン(1400cc)の大部分を食い尽くしてくれました。大きくなったかと思いきや、外から見る限り、そんなに大きな蛹には見えません。ビンはまだ人工蛹室へ移す程は劣化していませんのが、慎重に見守りたいと思います。
5月19日

湖北省産中国ホーペのオスの蛹を割り出し、人工蛹室へ移しました。
昨年、11月に2本目の菌糸ビンへ移した湖北省産・オスが蛹化した事は、先日報告した通りです。しかし、前回の交換から、半年が経過しておりますので、菌糸ビンの状態が心配です。劣化した菌糸ビンでは、種類を問わず、蛹化不全、羽化不全が多発するのが現実です。そこで、少々掘り起こし、菌糸ビンの状態を確認することになりました。
表面はご覧の通り、すっかり劣化し、カビも生えています。掘っていくと中身も大半が黒化しています。そこで、蛹を救出する事になりました。掘り出した蛹は無事に見えます。市販の人工蛹室「どろんぱ君」へと移し、今後、観察したいと思います。ちなみに体重を測定したところ、19グラムでした。

5月27日

湖北省産中国ホーペのオスが羽化しました。
人工蛹室の中で、仰向けに寝ていたところを発見。蓋を外しすと慌てて起き出そうとしました。しかし、羽化後数日の彼は思うように起き上がれません。腰砕けです。という訳で、ユーモラスな写真(左)を撮影する事ができました。もちろん、このあとは手を貸してあげましたよ!
サイズは未だ測定できませんが、73mm程度だと思います。



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