クワガタの闘い 2004 


スマトラヒラタクワガタ VS カブトムシ 2004.6.27

今回、対決するのはリアウ産・スマトラヒラタ(WILD)78mmと国産カブトムシ(羽化後20日位)です。カブトムシのサイズは未計測ですが、ご覧のように小型の個体です。勝負は見えているかもしれませんが、ここは王者カブトムシの威厳にかけて健闘を期待したいと思います。



対決方法は、大サイズの飼育ケースに産卵木を立てて入れ、その頂点で争わせるという、単純な方法です。気温は常温、26度くらいでしょうか?

リアウ産・スマトラヒラタは昨年、WILDで購入した個体で、左後脚のフセツがとれています。

対するカブトムシは、昨年暮れにクワガタのメスの栄養補給のために購入した、餌用のカブトムシが羽化した個体です。従って、決して良い環境で育っていませんので、当たり前のように小型の個体が羽化しました。しかし、そこはカブトムシ。脚力が、かなり強く、すばしっこいですね!餌も十分に食べています。




しかし、決着はあっけなく着いてしまいました。自信満々で構えるスマトラヒラタに対し、カブトムシはどこか自身が無さそうです。強制的に対峙させると、勝負は一瞬で決まってしまいました。








スマトラヒラタは、カブトムシのツノを自分の大アゴに引っ掛けると、プロレス技のスープレックスの要領で持ち上げました。テコの原理を知っているのでしょうか?一瞬の力業に強靭なカブトムシの脚力も歯が立たず、宙を舞います。カブトムシは危険を感じ、「おしっこ」をもらしながら、「ブーン」という音とともに翅を広げ、逃走にかかります。しかし、スマトラヒラタはそのまま下方に放り投げました。カブトムシはそのまま落下するしかありませんでした。あまりにもあっけない、一瞬の出来事でした。


スマトラヒラタは勝利を確信して勝ち誇っています。

やはり、体格に差がありすぎたようです。その後、試しに国産オオクワガタ・75mmと対峙させてみましたが、このカブトムシは「負け癖」がついてしまったのか、威嚇された途端、背走してしまいました。やはり、逃げるのも生き残る「手」なんでしょうか?

ところで、この実験は生体の安全を考え、産卵木用の木を立てて土俵にしています。これは、立体の土俵にすることで、敗者が容易に逃げれる環境を構築するためのものです。

本土ヒラタクワガタ VS カブトムシ 2004.6.30

今回、カブトムシと対戦するのは本土ヒラタクワガタです。カブトムシは、ご近所のT氏よりいただいた西東京市産WILDです。対する本土ヒラタもT氏が採集し、ブリードした西東京市産のF2で体長は55mmです。左右の写真をご覧ください。体格は似たようなものですよね!さて、自然界でも起きているはずのこの対戦・結果は!?

カブトムシは平場での対戦が苦手みたいです。ヒラタクワガタの噛み付き攻撃をスゥエーでかわし(写真右上)、まともにやり合いません。時には背走してしまいます。

ところが、木の側面で対峙した途端、カブトムシの態度は一変しました。6本の脚でしっかりと木を掴んで踏ん張っています。クワガタが近寄ると、気合一瞬!!ツノをクワガタの大アゴに引っ掛け、裂帛の気合で投げ飛ばしました。さすが、カブトムシ!!

この後も平場ではカブトムシは勝負を避けていました。確かに自然界では垂直な木の側面で闘う事が多いのでしょうから・・・。対するクワガタは木の洞の中ででも、十分に闘えるような仕組みになっているのでしょうね!

本土ヒラタクワガタ VS カブトムシ 2回戦 2004.8.7

前回敗北した、西東京市産ヒラタクワガタクワガタに、リベンジマッチの日がやってきました。相手は前回と同じ個体のカブトムシです。果たしてリベンジは成功するのでしょうか?

土俵は前回と同様、大ケースの中に置いたクヌギの産卵木です。カブトムシはちょこまかと動き回りますので、強制的に対峙させました。(写真左)

殺気を悟ったのか、双方とも臨戦体制に入りました。先に動いたのはカブトムシでした。スルスルと前進すると、ツノをクワガタの下に差込みました。(写真右上)このままクワガタは再び投げ飛ばされてしまうのでしょうか?
ところが、その瞬間、クワガタは万力のような力で大アゴを閉じました!「ギリッ」と鈍い音が響き渡りました。

クワガタの大アゴがガッチリとカブトムシの頭部を捕らえました。頭部にカウンターをもらったカブトムシは「キー」という悲鳴に近い音を出しながら、後退します。前脚を器用に使い、クワガタの牙から脱出を試みます。(写真右)
時間にして2秒程だったと思います。なんとか、逃げ切ったカブトムシはそのまま背走しました。完全にクラッチしていなかったため、クワガタはカブトムシを持ち上げることはできませんでしたが、クワガタのリベンジは成功したようです。
ところで、今回、改めて感じたのは、平場でのクワガタの強さです。対するカブトムシは垂直な壁面でこそ、その強さを発揮することができるようです。確かに、樹上の樹液争いでは「投げ飛ばす」だけで勝敗は決します。クワガタの持つ殺傷力は必要ないかもしれませんね!


スマトラヒラタ VS スマトラヒラタ 2004.12.11

クワガタ同士の闘いも楽しいものです。特に、闘争心の強い、オオヒラタ同士の闘いはとてもエキサイティングです。
先日、スマトラヒラタクワガタ三頭を使い、家族対抗クワガタ相撲大会を開きました。いずれも、78mmクラスの中型個体たちです。
土俵はクワガタ観賞用のクラフトウッドの上で、ルールは、「投げ飛ばされる」か、「背走」したら負け、という簡単なものです。闘争心を煽るために、綿棒を使って刺激します。

参加者は、奥方、長女、次女の三人です。私は審判になりました。各個体には背中に識別用のシールが貼ってあります。(すぐ剥がれてしまいますが・・・)

1回戦は次女と長女。勝負はあっけなく着きました。長女のクワガタが最初の噛み合いの後、背走したからです。どうやら、ウオーミングアップ不足だったようです。

決勝戦は次女と奥方。この闘いは手に汗握るものとなりました。奥方の個体はやや小型なのですが、一歩も引きません。二度、三度組み合います。子供も大人も真剣な表情で声援を送ります。
結局、一分以上にも及ぶ闘いを制したのは次女のクワガタでした。決まり手は、「吊り上げ」でした。
優勝した次女は大喜びで手をたたきました。

クワガタにとっては迷惑な話でしょうが、闘争はクワガタの本能のような気がします。もちろん、本来は、餌場やメスを奪い合うために闘うのでしょうが・・・。

長い、噛み合いのあと、数秒間の吊り上げが決まった!この後、落下、クワガタたちにダメージはなく、元気にケースへと戻りました。

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