2013年 飼育日記
5月12日
(福岡産)

やっと暖かさも安定し、オオワガタの活動が活発になってきました。いよいよブリード開始です。福岡県久留米市産のメスを同産地オスの飼育ケースへ移動させました。
今回、ブリードに使うペアは2ペアです。オスは昨春羽化した80mmと79.5mmです。本日再測定しましたが、片方のオスは80mmを確実に超えております。80mmの相手は52mmのメス(写真)です。正直、こちらの方が巨大に感じる位です。79.5mmの相手も50mmと大きなメスとなります。2系統をブリードすることで、この血統を維持したいと思います。
ところで、昨年末に報告した幼虫2年目の”セミ化幼虫”ですが、いまだに蛹化の兆候が見られません。♂3、♀3のうち♀1が死亡・・・♂1も奇形の兆候ありです。うち1頭でも無事羽化してくれることを願います。

5月19日
(福岡産)

福岡県久留米市産オオクワガタのメスを産卵セットへ投入しました。メスは約1週間、オスのケースに入れて飼育していましたが、1週間の間に餌を4カップもたいらげるなど、食欲旺盛で、交尾も順調に済ませていると判断しました。
産卵セットの内容は、中ケースに夏菌皮むき材3本ずつを埋め込みマットで半分程度埋めました。材は熱湯で念入りに消毒し、水分も多めに含ませました。私の経験では国産オオクワガタも水分多めが結果が良いのです。そして材はメスが産卵しやすいように表面積を稼いで並べたつもりです。
飼育場所は2階の飼育部屋です。30度を超えるような暑い日はエアコンがあるのが強みです。
今回のブリードはA系統(80mm×52mm)B系統(79.5mm×50mm)と2系統です。オスはもしもの場合に備え、それぞれ第二婦人との同居生活へと突入しました。
6月18日
(福岡産)

先月、福岡県久留米市産オオクワガタのメスを投入した産卵セットですが、産卵の気配がありそうです。右の写真のようにメスが産卵木を削っています。特に左の産卵木にはそこそこの産卵数が期待出来ると思います。
産卵木には霧吹きを致しました。湿度を与えるとともに、割り出し時の柔らかさにも期待します。
7月7日
(福岡産)

5月にセットした福岡県産オオクワガタの産卵セットを割り出しました。
先ずは80×52mmのセットから・・・。
底面マットに幼虫2頭を確認!!ほっと安堵しましたが、1本目の材からは同じく2頭しか出てきませんでした。気を取り直して最も可能性の高い材(写真)を割りましたが、こちらも食痕の割りに少ない6頭のみでした。3本目は、産卵痕は数多く見られるものの、幼虫は1頭のみでした。擬似産卵の可能性がありますね。上野動物園のパンダのように?幼虫は合計11頭のみとやや期待外れです。再割り出しで1頭でも多く見つかる事を期待します。
次に79.5×50mmのセットを割り出すと、3本の産卵木とマットから19頭の幼虫と卵3個が採れました。こちらは期待通りです。
採れた幼虫は全て初令幼虫です。色々な意見があるかもしれませんが、私的にはベストな割り出し時期だったと思います。月夜野きのこ園さんのPPボトル(800cc)に入れました。もちろん、おまじないの食痕もふりかけました。飼育温度は飼育部屋のエアコンで25度管理です。

今回、残念なのは52mmメスの子供たちが少ない事。念のため、80mmのオスと再同居させました。大きいメスは「産みが悪い」という人もいますがどうでしょうか???

7月20日
(福岡産)

7日に割り出した、福岡県久留米市産オオクワガタの産卵セットを再捜索しました。
先ずは、80×52ペアのケースから・・。ケースの底を確認すると、幼虫の食痕がみえました。これは期待できそうです。材も再び細かく割り、丹念に調べましたが、出てきた幼虫は1頭のみでした(写真)。残念です・・・。
次に79.5×50のケースです。こちらもケース底面に食痕が見えます。すると、こちらからは、6頭の幼虫が出てきました。前回の19頭と合わせると25頭になります。大漁旗を掲げられそうですね。良かった!
ちなみに、80×52ペアのメスは再ペアリング後、再セットしていますが、???という感じです。材は削っているのですが、アオカビが大量に付着しています。メスが産卵を始めるとバクテリアの影響でアオカビは終息するはずなのですが・・・。もう少し様子を見ますが、打ち止めかな?
8月11日
(福岡産)

前回報告した80×52ペアの再ペアリング、再セットですが、見かけは順調のようです。メスは2本入れた産卵木を齧り始め、アオカビも消えました。特に縦に入れた産卵木がお気に入りのようで、切断する勢いで削っています。
しかし、以前の擬似産卵癖が残っていると、いくら削ってもダメです。その時は、キッパリあきらめるつもりです。採れた幼虫はゼロではないのですから・・・。
8月18日
(福岡産)

昨年報告していた「セミ化幼虫」(2011年ブリード)のメス1頭が何と!無事羽化して来ました。
一番驚いたのは私です。「セミ化幼虫」は数頭おりましたが、多くは蛹化不全などで黒くなってしまいました。特にオス幼虫は希望の持てない個体ばかりでした。
そんな中、昨秋から菌糸ビン交換さえしていない飼育ビンからメス成虫が無事羽化したのです。サイズは47mmと大きくはありませんが、つやつやの上翅は紛れも無く新成虫ですね!ブラボー!!
残った最後のオス(最大30グラム)はどうなるのでしょうか?期待は限りなくゼロです。理由はお察しください。
8月26日
(福岡産)

8月11日に報告した福岡県久留米市産オオクワガタ80×52ペアの再セットを割り出しました。結果は・・・産卵痕や削り加減からいうと物足りない数字ですが、5頭の幼虫を確保しました。
それでも前回のセットで採れた幼虫と合わせて、たった16頭です。79mmペアの成績に比べると少ない数字ですが、大型個体が産卵した幼虫を1頭でも多くキープできたことは良い結果ですよね!大切にしたいと思います。

8月29日
(福岡産)

追加で採れた幼虫用に発注していた菌糸ビンが昨日、クール便で到着しました。銘柄は「月夜野きのこ園」さんのエレメントシリーズです。サイズは800cc・初令幼虫やメス幼虫用です。
昨年、80mmオーバーを出したのも、E(エレメント)シリーズでした。「月夜野きのこ園」の最大の利点は欠品が少なく、安価に、安定して飼育用品が供給される事です。いかに優秀な菌糸ビンでも、使いたい時に欠品では意味がありませんよね!その点、この菌糸ビンは長年使用していて信用が出来ます。
一時的に、発酵マットや菌糸カップ(プリンカップ)で飼育していた幼虫たちも本日、800cc菌糸ビンへと移行できました。

10月12日
(福岡産)

10月中旬だというのに、東京は記録的な残暑に見舞われ、本日も気温が30度を超えました。我が家の飼育部屋も日中はエアコンが稼働中です。
本日、福岡県産オオクワガタ幼虫の菌糸ビンを交換しました。7月7日に投入した個体たちの餌交換が中心となりました。楽しみだったオス幼虫の体重ですが、最大23グラム(写真)を筆頭に、20グラム以上が3頭、10グラム台後半が4頭という結果でした。いずれも、79.5×50mmの子供たちです。何故か80×52mmの子供たちは発育が悪いようで、食痕も少なく、掘り出した幼虫は明らかに発育不足でした。
今回、菌糸ビンの購入計画が大きく狂いそうです。通常、幼虫の数から、1400ccと800ccの購入数を決め、オス幼虫も体重によっては2本目も800ccに入れていました。しかし、80mm血統の発育が悪いことから、1400ccの菌糸ビンが余りそうです。最初から分かっていれば10グラム台後半の幼虫も1400ccに投入したのですが・・こればかりは仕方ありません。
季節外れの真夏日と飼育部屋の温度を考慮に入れながら今後の飼育スケジュールを考えていきたいと思います。

10月26日
(福岡産)

季節はずれの台風も過ぎ去り、東京もいよいよ冬支度といった感じでしょうか?めっきり寒くなってきました。
我が家の飼育部屋もここ数日、朝晩は20度を切る事が多くなりました。幼虫を飼育している温室はヒーターのスイッチが入りました。
忘れていたのは成虫の管理でした。本日、国産オオクワガタ成虫を飼育している飼育容器の内容を変更しました。夏用の薄いマットから、越冬用の厚めのマット(3〜4センチ)に代えました(写真)。最近は気温低下のせいか、成虫たちの活力も鈍っていました。しかし、餌は十分食べていますので、寝たい奴は寝る・・・食べたい奴は食べれる環境の提案をしたつもりです。
10月27日
(福岡産)

10月12日、飼育日誌で「福岡県久留米市産オオクワガタ・80mm血統の発育が悪い」とレポートしましたが撤回します。本日交換した4本の菌糸ビンから24.5グラムを筆頭に23.5グラム2頭、22グラム1頭が出てきました。いずれのビンも食痕が少ないか殆ど無く(写真)、我々飼育者泣かせの幼虫たちでした。
12日の交換時、発育不良だった幼虫は「たまたま」だったみたいです。今回交換したのは4本です。理由は「居食い」を疑い上部の2−3センチを掘り起こしてみたところ大きな空洞と食痕が出現したからです。大きな幼虫が出てきましたので、さぞ中身は食べ尽くされているだろうと探りましたが、意外に食痕は少なく、中には800cc菌糸ビンの3分の1も食べていない幼虫もいました。
「居食い」の幼虫は大きくなると言われますが確かに効率が良さそうです。これなら、1本目で1400ccの菌糸ビンを使えばビン交換無しで、羽化までいけるかもしれません。ですが、雌雄の判別を考えるとコスト的に効率が悪いかもしれません。
幼虫達は1400ccの菌糸ビンへと移しました。現在、21度の温室で管理しています。

12月16日
(福岡産)

今年の国産オオクワガタ・幼虫の菌糸ビン交換は無事終了しました。
総括すると、「消えてしまった幼虫」は2頭程度で、成長不良の幼虫の数を含めても満足の出来る成績です。その成長不良の幼虫も、バクテリアさえ合えば羽化可能な個体だと私は思います。
問題は、何時幼虫に冬を感じさせるかです。国産オオクワガタはメカニズム上、冬の寒さを経験し、春の暖かさを感じる事で羽化のきっかけを得ると言われます。ずーっと同じ温度の温室にいれていると蛹化出来ない個体の割合が増えるのです。
現在、蛹化しそうなメス幼虫もおりますが、とりあえず温室飼育を維持します。1月下旬から2月程度まで温室で引っ張ってから出し、冬を感じさせる予定です。個体によってブリード日が異なりますので、管理が難しいですね!!

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