● Part6 4/6(11日目)~4/7(12日目)
4/6(日)晴れ
6時ちょっと前に目が覚める。さすがに身体がガタガタになっている。昨日の晩めしに作って食いきれなかった鳥釜飯がたくさん残っている。とても朝だけでは食べられないだろーと思い、昼めしにでもすればいいかぁ、なんて考えながら食っていたら、結局全部食ってしまった。おそろしー食欲だ。濡れた靴下を乾かそうと、8Rの上であぶっていたら、落として焦がしてしまった。大事な靴下に、穴を開けてしまったぜよ。
出発は、7時半。今日は、高松10時半発のフェリーで小豆島に渡るつもりだ。
フェリー乗り場では、どっかのツーリングクラブがやはり小豆島に渡るらしく、ロードバイクがうじゃうじゃいる。集団で熱くなってるのか、アクセルを吹かしまくって、あれじゃあ族とおんなじだ、耳障りだぞ、おめーら!
11時半、小豆島に着岸。「平和の群像」がある広場で、昼めしにする。今日も天気が良くて、気持ちがいいぞぉ~。
小豆島ってちっぽけな島なんだけど、それでも道を間違えて岬の分教場行くつもりが遠回りをしてしまう。道はぐんぐんと高度を上げて、山あいを走る。あー、蒼い空、蒼い海。風がむっちゃくっちゃ強いのだけれど、展望の良い高台で腰を下ろして、やっと来た小豆島の風景を楽しむ。
岬の分教場に向かう。「二十四の瞳」を読んで以来、長い間あこがれ、ずっと訪れたいと思っていただけに走っていても楽しい。
到着。そして、分教場に入る。入り口にある黒板に書いてあった廃校時の言葉に心が揺さぶられる。1~2年生の教室にはいる。ちっちゃないすと机。「俺も、こんな小さないすと机に座っていた頃があったんだ・・・」誰もいない教室を一人見渡していたら、熱いものが胸にこみ上げてきて涙が出てくる。何故なんだ?何故だか分からないが、涙が止まらない。来て良かった・・・。しばらく小さないすに座って、ボーとする。
校舎の横の広場で今夜は野宿しようと決める。晩めしは近くのバス停で食い、海を見ながらコーヒーをたてる。陽が傾いていく。嗚呼、小豆島の一日が暮れていく。傾く夕陽を浴びる我が愛車をねぎらいと感謝の気持ちで見つめる。バイクも人間も、もうヨレヨレ。だけど、充実してたよな。
4/7(月)晴れ
昨晩は、20時頃、シュラフ一式を持って分教場の横に行った。風が強いのと、前から来たかった場所にいる興奮と、何とはなしに感じる後ろめたさでなかなか眠れなかった。
6時、シュラフから出て、写真を一枚。早々にシュラフを片づけて、バイクの置いてあるバス停に戻る。あまり眠れなかったため、身体がぐったりしている。
7時前には、最後のパッキングも終え、晴れ渡った空と瀬戸内の海を、静かな、そして、満ち足りた気持ちで眺める。出発しようとしたとき、地元のおばあちゃんに話しかけられた。岬の分教場に通っていたというこのばっちゃま、ホント、優しそうな顔をしていて、こちらの心が安らぐ思いだった。
大部に向けて出発。天気はよいが、寒い。走っていると身体が震えてしまう。大部に着く頃には、身体はもう冷えきってしまった。日生に向かうフェリーに乗り込む。昨日と違い、バイクは自分一台のみ。こんなマイナーなツーリングがやっぱり良いね。
久しぶりに本州を走る。黙々と走って姫路市内にはいる。せっかくだから姫路城ぐらい見ていこうと市内をうろうろし、お城がよく見える道に出た。信号待ちの間に写真を撮り、ふと横を見ると弁当屋がある。ちょうど昼どきだしな~、と弁当を買って道路脇でめしを食いながら姫路城をゆっくりと楽しむ。食後のコーヒーをたてていると、夫婦連れの浮浪者が俺のすぐ脇に座り込むではないか!あー、俺との区別がつかない!!浮浪者の親子に見えてしまうよ、だめだよぉ、これは。
強風の中、名古屋目指してひた走る。名古屋への距離が減っていくのだけが楽しみの走行だ。19時半過ぎ、無事、帰宅。あ~ぁ、帰ってきちゃった~。
「天気はサイコーだし、距離はたっぷりの林道だし、ええねぇ~」なんてニコニコしながら剣山スーパ林道で記念撮影。しかし、この後、待ち受けている残雪の恐怖をこの時は知る由もなかった・・・ |
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