● Part11 3/19(20日目)〜3/21(22日目)
3/19(木) 雨 のち 晴れ 20日目
フェリーは定刻より30分程早く新潟に着いた。あわただしく下船。ところが、外は雨。雪の用意は万全でも、実は着膨れのしすぎでカッパを着ることができないのでクマパリとフェリーターミナルで朝めしを食いながら時間をつぶす。
幸いなことに雨も上がってきた。8時前には久々の本州の道を走り出す。R116で新潟市内を抜け、柏崎でR8に入る。しばしの休憩。谷と尾根の線がハッキリとして美しい米山を見ながら、民家にもたれていなり寿司を食う。平和だ。コンビニでは我々のスパイクタイヤに気づいたおじさんに声をかけられる。「あんたら、どっから来たの?」確かに変だよなぁ、こんなタイヤ(前後スパイクタイヤ)はいてて、しかもメチャクチャ荷物積んで走ってるヤツ、ここらにいないもんな〜。
上越でR18に入る。ペースの良い走行が続く。天気もどんどん良くなってきた。美しい妙高山がどんどん近づいてくる。「これは素通りできないよなぁ」と二人で絶景ポイントを探して農道に入っていった。雪の中にバイクごと突っ込んで喜びながら記念撮影をしていたうちは良かったが、雪原からの脱出不可能状態になって、のたうち回ってしまった。でもでも、雪まみれはやっぱり楽しいぜ!
野尻湖から黒姫の駅に向かう。駅前のおみやげで「やっぱジャムがおしゃれなんだよ!」を連発しながら、一杯買い込んでしまう。クマパリは佐久の江川さん(羅臼仲間。巨人の江川に似ていたから江川さん)の家に泊めてもらうつもりでTELを入れる。「ふっくん(俺のこと。浮浪者の「ふ」、不潔の「ふ」、みんなは色んなことを言ってたなぁ〜)も、一緒に行こうよぉ」と誘われ、つい流れのままに江川さん宅へ向かうことにする。
長野市から上田にかけての渋滞にうんざりとしながらも、18時前には江川さんの家に到着。久しぶりの再開だけど、家にいる江川さんはなんか割とフツーの人で、キャンプ場で見せてくれる「いっちゃってる人」らしきところがあんまりなくなっている。一方、我々は、異常なハイテンションでもう脳ミソぐちょぐちょ状態。騒ぎまくって、夜がふける。
3/20(金) 晴れ 21日目
起きたのは10時頃。江川さんのお母さんに朝御飯を作っていただき、のんびりしていたら出発は13時半頃になってしまった。今日は、名古屋の俺んちにクマパリと一緒に帰るつもりで家にTELを入れておく。では、出発。江川さん、そして江川さんのお母さん、ありがとうございました。
野辺山あたりでは八ヶ岳が美しく見えたので、またも農道に入って写真ポイントを探索する。う〜ん、八ヶ岳はやっぱいいねぇ。
場違いとは思いつつも、二人は清里へ突入する。きれいな女の子達と、それ目当ての兄ちゃん達、俺達みたいな汚いヤツはやっぱりいなくて、気のせいか人々の視線が痛い。「どえれー恥ずかしいぜ〜」「そんなら来るんじゃね〜よぉ」とか騒ぐが、実は全然恥ずかしくなかったりする…。
清里駅前にバイクを止めようとしたとき、バランスを失って立ちゴケ。ハンドルが駐車してあった車のドアにぶつかって、「ベコッ!」とドアがへっこんでしまった。「ヤベェ〜」と思っていたら、すぐにオーナーの若い兄ちゃんが走ってきた。「だっせぇことしてくれるじゃん」「すみません」と謝る俺。「そうだな〜、5000円ばかり払ってもらおうか〜」と兄ちゃん。(ラッキ〜、5000円で済むのかぁ)と思いつつも神妙な面もちで兄ちゃんに5000円手渡す。金を受け取った途端、兄ちゃんが急に優しくなって「どっから来たんですかぁ?」と聞いてきた。「プチッッ!」(兄ちゃんの態度急変がカンにさわって、ブチ切れの俺)「うるせぇ〜んだよ、金払ったんだからとっととどっかに消えろ!!」と怒鳴る俺。不服そうな顔でどっかに消えゆく兄ちゃん。横にはあきれ顔のクマパリ。「おめ〜、あの兄ちゃんはなんにも悪くないのに、信じられねよ〜」「そうなんだけどさぁ〜」と反省したときには兄ちゃんの姿はなし。ごめんね、兄ちゃん。
美しの森で昼めし。またも駐車場で立ちゴケで、クラッチレバーを折ってしまった。「だっせぇことしてくれるじゃん!」とクマパリにしっかり笑われる。修理を終えて走り出すが、しばらく行ったところでウェストバックを修理地点に忘れたことに気づき、あわてて引き返す。またも、クマパリの「だっせぇことしてくれるじゃん」攻撃にやられる。
遊んでばかりいたので、もう16時になってしまった。一旦は焦ったものの諏訪のあたりから渋滞にずっぽりはまって、結局名古屋まで行くのはあきらめる。ヨレヨレになりながらも、夜のR19を走り続け、武並の駅で今夜は寝ることにする。
3/21(土) 晴れ 22日目
8時、駅舎前で記念撮影をしたのち、出発。R21との分岐で、クマパリと別れる。「気をつけて帰れよ〜!」
ついに家に帰ってきてしまった。俺を待ち受けていたのは、就職関連の書類や引っ越しの準備。夢の時間から現実に引き戻されるこの瞬間が、今回は特につらい…。
XLも4年と2ヶ月の間、本当に頑張ってくれたよなぁ〜。「もうそろそろ休ませてやろうか…」なんてボーッと考えながら、今回の北海道ツーリングは幕を閉じたのであった。
いろんな人と出会えたのも、素晴らしい景色に出会えたのも、このXLあってのこと。荷物満載でも、悪路や悪天候にめげずに走り続けてくれたコイツ(XL)には、感謝あるのみです。 |
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