測地系って何ですか |
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プロアトラス2002の画面です。ふたつの測地系でのズレは、関東付近で南東に約450mになります | 測地系とは正式には測地基準系と呼ばれ、地球上の位置を緯度・経度で表すための基準のことです。さて、数字がちょっと見にくくて恐縮ですが、上の2枚の写真をご覧になってください。共に東京の新宿駅南口付近の緯度経度を表示させてますが、一方は 北緯35度41分20.81秒/東経139度42分03.81秒、他方は北緯35度41分09.28秒/東経139度42分14.20秒になってます。緯度と経度は全世界共通じゃないの、とお思いの方は多いと思いますが、実はそうではないのです。 測地系は、地球の大きさを基準にして決めていますが、地球の大きさの定義が国によって違うのです。日本では、長らくベッセル楕円体というものを使ってきました。近年、測量技術の進歩で地球の形も正確に決まり、GRS80と呼ばれる世界統一定義が決まりました。これを日本でも2002年施行の改正測量法から使うことになったのです。で、これまでの日本測地系に代わり、GRS80を基準にした世界測地系が採用されました。上の写真は左が世界測地系、右が日本測地系です。 改正測量法では、正式には世界測地系の使用が義務づけられます。日本経緯度原点の数値は書き換えられました。ただ、基本図では一気に移行することはできないので、ふたつの測地系が併記されています。 紙地図では、緯度経度を特定するのは難しいものです。しかし、デジタル地図の普及で、緯度経度のデータは、誰でも気軽に使えるようになりました。経緯度データを使う人は今増加中です。何丁目何番地というよりも緯度経度をズバリと言った方が簡単だし、正確に地図上で表現できます。ですから、測地系のことは知っておいて無駄ではないでしょう。 ただ、ふたつの測地系で混乱を生じる恐れがあるので、統一は必要です。個人で使う分には、どちらでも構いません。ただ、情報を交換する場合は世界測地系に統一するのが基本です。個人用のデジタル地図でも測地系の切り換えができるのが普通です。 |
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国土地理院2万5000分の1地形図 奥多摩湖 | ||||||||||||
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