ホテルで、謎解き

 

旅に出るとホテルの世話になります。

国内では言葉も通じるし生活習慣が同じですから、ホテルの設備で戸惑うことは、めったにありません。ところが海外では、文化の違い、習慣の違い、技術の違い、感覚の違いなどいろいろあると思いますが、その設備に頭をひねることが少なくありません。まるで、ホテルで謎解きに挑戦する感じです。

わからない場合には一人で悩まないで、ホテルのフロントに問い合わせたり、ツアーの添乗員にたずねてください。

私が戸惑った例をいくつかご紹介しましょう。

まず、部屋の電気。省エネタイプのホテルが増えて、カードキーや鍵についているホルダーを、部屋の入り口近くにある壁のキー・ポケットに差し込まなくては主電源が入らないホテルが多くなっています。

問題は、そのあとです。

それぞれの照明器具やテレビの電源をいれても電気がつかないことがあります。多くの場合、ベッドのそばにあるコントロールパネルで制御するようになっています。まさに、リモコン時代、ベッドの中から、すべてがコントロールできるようになっているのです。

とはいっても、それぞれの機器にもスイッチがあり、そちらもONにしないとつかない場合があります。

そのスイッチ、なんともわかりにくいものにオーストラリアで出くわしました。ホテル側も承知していたのか、わざわざ日本語で「スタンドの電球の下のスイッチを入れてください」と説明書が置いてあります。ところが、スイッチが見つかりません。傘の下からのぞきこんで、よくよく見ると、電球の付け根の部分に小さな突起があり、それを押すようになっていました。色が周りと同じ白。スイッチを入れると、赤い点が見えるというもので、こんなにわかりにくいものは初めてでした。

スイッチの部分になにか記号でも入れてあれば、これほどまでに悩まなくてもすむと思うのですが・・・・

ただ、電気がつかない場合、単純な「玉切れ」ということも時々あります。

ホテルの水まわりやバスルーム関係で頭をひねることもあります。

ドイツで、洗面台の排水孔のボタンが見つかりません。どこかに必ずあるはずだと思って、いろいろ探しましたがわからないのです。念のためにと思って、蛇口の裏側をのぞきこむと、ありました。小さなつまみが。もし、つまみが大きくて、正面からその一部が見えるようになっていれば悩むこともなかったのですが、設計者の美意識の問題なのでしょうか。

トイレの水を流すつまみもそうです。どこかに必ずあるはずです。

水のタンク、壁、洗面台など、ちょっと眺めてみてください。レバーになっていたり、押しボタン、あるいは引き上げ式になっている場合もあります。

あるとき、

「どこでしょう?」

と問い合わせの電話がかかってきました。

バスルームをみると、なんと、壁にタブロイド版くらいの大きさの「押しボタン」がついていたのです。あまりにも大きくて、水があふれるのではないかと思うほどのものでした。

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